5-cucum.jpg07-Apr-2014 ボードゲーム レビュー


5本のキュウリ

作者:N/A
2−6人用
対象年齢:8歳以上

澄み渡る青空のようにスガスガしいトリックテイク

欧州伝来カードゲームのリメイク、よって作者はNot applicable!

5-cucum1.jpg裏面に2F Spieleの変化の兆し光り輝く緑色の箱。これだけでパブリッシャーがどこだかわかります。このゲームはトリックテイキングゲームに分類されるものですが、色んなところが少しずつ変わった仕様です(負け抜け、最後のトリックが重要など)。そもそも、このゲームはスカンジナビア地方で遊ばれていた「Agurk」という名前のトリックテイキングゲームが元になっているようです。元ネタに興味のある方は、The Game GalleryのHALさんがルール和訳を公開してくださっているのでそちらを参照してみて下さい。伝統ゲームのリメイクということで作者はフリーゼではなく、「なし」となっています。シビレたりあこがれたりする配慮ですね。

箱の裏面には英語の題名「Five cucumbers」と英文ルール同梱の記載があります。2F Spieleは近年、卸専用の組織を立ち上げたらしく、同時に英文ルールが同梱されるようになったみたいです。外国語と言えば英語という教育を受けて来た私達日本人にとってはとても嬉しいことで緑色の涙を流して喜べそうです。


中身。

5-cucum2.jpg緑の駒が美しい5-cucum3.jpgスートはなく1〜15までのカードが4枚ずつ中身はAmigoサイズのカード1束とキュウリの木製駒沢山です。1には「×2」が記されており、それ以外にはキュウリが1〜4本書かれています。キュウリはどう見てもヘチマ的に見えますが、それはまっすぐなキュウリしか買わない都会の主婦が悪いってテレビ東京か何かで言ってました。きっとそうなんだと思います、ハイ。

ゲームでは、合計60枚のカードを良くきり7枚ずつ配ります。配りきりではないのでゲームに登場しないカードがあることになります。配られたカードを1枚ずつ出していき、7トリック目に手札がなくなったら1ラウンド終了です。トリックをとるのは最も大きな数字のカードを出したプレイヤー。ここまでは普通ですが…、このゲームの変わっているところは、7枚のカードを出していく中で”得点に直接関係があるのは7枚目のカードをだしたときのみ”というところです。しかも、最後の(7つめの)トリックを取ってしまったプレイヤーに与えられるのは最後に自分が出したカードに記された数のマイナス得点(キュウリ駒)です。つまり、如何に最後の一枚を小さい数字のカードとするかが重要なゲームってことです。

5本のキュウリではマイナス得点であるキュウリを5本を超えて受け取ってしまうと負けとなります。負けたプレイヤーは穴という穴にキュウリを突っ込まれ、苦しみながら勝者が決まるゲームを見つめるのです。


いかに最後のトリックで負けられるカードを温存するか

5-cucum4.jpgこの場合、出せるのは1、13、15手札から出せるカードは、今出されている最も大きな数字以上もしくは手札で一番小さい数字のカードです。左記の写真だと、場に12の数字が出ているので、出せるのは1、13、15のうちのどれかです。例ではまだ手札に5枚のカードがあるのでラウンドは終了せず、このトリックをとってもマイナス得点にはなりません。それどころか、ここでトリックをとることが出来れば、次のトリックで最初のカードを出すリードプレイヤーになれるので有利です。そうすれば、8などの中途半端な数字を処理する事もできるでしょう。こうして最終7トリック目までに手札を調節し、最後の一枚を弱いカードにすることを目指します。目論見が一旦外れると、リードになるために残していたハイカードがいつまでも手札に残り、涙で前が見えなくなることもあるので注意!

もしも「x2」が最後のトリックで出されたら、ペナルティの本数が倍になります。これはオリジナルのルールにはなかった味付けです。コレのお陰で突然死が発生することがありますが、最後まで1を温存するのはかなり難しいです。それでも過去には1ラウンド目で倍ペナルティをくらい、8本のキュウリを突っ込まれて憤死したプレイヤーも居ます。常勝タムラさん…惜しい男を亡くしました。


オススメ度:★★★★★★★★★☆

絵柄の爽やかさもあって、脂ぎった料理の合間にキュウリを食べたような実にスガスガしいプレイ感。ゲーム会の締めや、重ゲーの後の息抜きなどに最適。ユーロゲームでは基本的に負け抜けのゲームは好まれない傾向がありますが、待ち時間はわずかですし、それもゲームを彩る演出だと思えるタイプ(ブラフとか髑髏と薔薇とか、キュウリにまみれて堕ちていったプレイヤーは、ゲームに流れと熱気を提供します)のゲームです。カードは配りきりでないですし、偏り方によってはどうプレイしても勝てません。運の要素が平均化する前に脱落してしまう人も居ます。だからその辺は割り切って楽しみましょう。しかし、決してタダの運ゲーではないですよ。

和気あいあいと始まるゲームは、トリックから降りて自分の手札で最も小さい数字のカードを出すプレイヤーが現れてからどんどんと収束に向けて動き出します。最後のトリックで負ければいいわけです。アイツの最低カードは少なくともX以上なんて情報を頭に入れながら、如何にして手札を整えるか。いつアクセルを踏めば最後まで走りきれるのか…。

リチャードガーフィールドが「ゴォ〜スト」でやらせようとして大失敗した”勝負に向かって手札を整えさせる”という試みが見事にはまったゲームだと思います。

元ネタのルールに従えば、トランプを使ってでも遊べるので試してみたい方は是非。COQはコンポーネントも含めた雰囲気重視派なのでこの美しい小箱が好みです。替えが効かないデザインを考案したことも評価できますし、元ネタよりもバランスが良くなっていると思います。

傑作。

ただ、プレイ中に決して卑猥なことは言わないように!







tendays.jpg

テンデイズゲームズにたまに入荷するみたい