7wonders.jpg09-Jan-2011 ボードゲーム レビュー


世界の七不思議

作者:Antoine Bauza
2〜7人用
対象年齢:10歳以上

ワンダーは「不思議なもの」じゃなくて

「必見のもの」っていう意味なんだよ本当はね

昨年から何かと有名な「世界の七不思議(7 wonders)」の紹介です。昨年のエッセン近辺から騒がれ、鳴り物入りで日本にやってきたゲーム。
きっと現在はどこでもヘビロテなのではないでしょうか。

話に聞くと、このゲームの注文受付がショップへまわったのは2010年8月頃とのこと。あっという間に初回ロットは売り切れ、次回の入荷は2011年の3月だそうです。商品の仕入れも期を見るに敏でなければならず、大変ですね。

このゲームは、「ドラフト」と呼ばれるカードピック方式を基本のゲームシステムとしています。MTGを代表とするトレーディングカードゲームではおなじみのシステムですね。

MTGで言うドラフトとは、ブースターパックと呼ばれる15枚入りの未開封パックを各人3つずつ用意し、その場で1つずつ開けていくのです。この中身を1枚取って隣に渡し、ぐるぐるとまわしていきます。全てのカードが取られたら、次のパックを開け、と3回繰り返すと手元に45枚のカードが揃います。

これをデッキに組んで総当たり戦をやるわけです。15枚のパックにはレアカードが1枚、その次に良いカードが2枚必ず入っています。このカード達を如何に使うかが勝負の分かれ目の1つとなるわけですが、未開封のパックにはどのようなカードが入っているかわかりません。自分のデッキの方向性を決定しつつ、他のプレイヤーの狙いを判別し、かつ未知のパックの中身に適応しなければなりません。

実際の勝負以上に、回って来たカードを見て狙いのバッティングを避けたりする読み合いが熱いゲームシステムです。MTGやるならこれに限るというくらいの良システムですが、いかんせん毎回お金がかかります。

さて、世界の七不思議ですが、ゲームの目的は「古代世界の7つの大都市の一つを担当し、3つの時代にわたって文明を発展させて勝利点を獲得すること」です。各都市には、1つずつ不思議(ワンダー)があり、これらを完成させることでゲームを有利に進めることができます。

文明は、カードに描かれた施設を建設していくことにより発展します。施設は大きく分けて、資源産出/勝利点/軍事力/特殊能力の効果のうちいずれかを持っています。これらのカードを3つの時代の山に分け、1枚ずつ建設していきます。

資源は、一般的なゲームの様にトークン等で管理するのではなく、毎ターン産出する資源で満たされる施設を建設できるという方式です。使わなかった資源が貯まる事はありません。また、隣り合った都市の資源は、お金(2金)を払う事によって使うことができます。

勝利点の施設については、単に勝利点を与える施設もあれば、自分や隣の都市の施設に応じて勝利点を与える施設もあります。他にも、3つある科学技術のシンボルを集めた数に応じて勝利点を与える施設もあります。

軍事力の施設は、その都市に軍事力を与え、各時代の最後に他の都市との戦争が行われます。両隣の都市との比較で勝利点を得るわけですが、時代が進むと獲得できる勝利点も増えていきます。

特殊能力は、例えば通常2金かかる他都市からの購入を1金にできるなどの施設があります。

施設のカードは建設する以外にもワンダーの材料にしたり、お金に変えたりすることができます。

施設を建設する際のコストを支払うには、カードに書かれている資源を自都市が産出している必要があるわけですが、もしもその施設の前段階の施設を建設していれば、無償で建設することができます。従って、先を見据えたカードピックが要求されるわけです。

各時代で、カードを7枚ずつプレイヤーに配り、1枚取っては建設もしくは換金し、隣のプレイヤーに渡していくわけです。これを6回繰り返したら、残りの1枚は捨て札とし、戦争の処理を行って次の時代に進みます。計18枚のカードを建設することがゲームの主軸となるので、かなりサクサクとゲームが進みます。

換金もしくはワンダーの材料とするカードはどんなカードでもかまわないので、他都市の邪魔などにもってこい。他国が建設しようとしている(前段階の施設を既に建設しているとか)施設を裏向きにして換金してしまえば、カードの束が一周した時に、そのプレイヤーのがっかりした顔が見られることでしょう。

ワンダーの建設ではたくさんの勝利点が入ったり、捨て札を建設できたり、という特殊な能力が発動しますが、完成=勝利ではありません。ゲーム終了時、全ての得点計算を行い、最も勝利点を稼いでいたプレイヤーが勝利します。

題名の通り、7つの都市が封入されているわけですが、初回購入得点として、8つ目の都市が添付されていました(届いた時には添付されておらず、慌ててショップに連絡したら別途送付してくれました。良かった…)。この都市のワンダーは、建設するとビールをおごってもらえるという特殊能力が発動します(笑)。

日本語版が発売されることになれば、また添付されるのではという噂もありますが、ボードゲームギークストアで購入することもできるようです。

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自宅ゲーム会にて、ヤス、のっちと3人プレイ。

箱を開けてみてびっくり!!内部の仕切りがズタズタです。
ちょっと例のお節事件を思い出しました。少し残念ですね。
コインなどは木製で中々良いのですが、カードやボードの質はあまり良くありません。
日本語解説書は、クイックマニュアルも付いており心配ありません。

カードの大きさは少し特殊で、日本にはあまり入って来ていないサイズのようなので、スリーブが必要な方はmixi等で有志を募ると良いと思います。

肝心のゲームは、お試しプレイの軍事力プレイで勝利した後、本番開始。

本番もお試しプレイで味をしめて戦闘国家を目指すことに。
資源は産出される天然資源とヒトの手によって産出される人工資源に大別されているのですが、それぞれの資源カテゴリーについて、隣の都市から1金で買えるようになる施設が存在するので、それを頼りに人工資源のための施設は建設しないことにして、その分の建設を軍事にまわす作戦です。

 3金と都市ボードを受け取ってゲームスタート!

どの都市になるかは、カードを使用してランダムに決めます。
都市ボードには表裏があり、裏面のほうがマニアックのようです。

今回は「ハリカルナッソスのマウソロス霊廟」を担当。
このワンダーは1段階目と3段階目は勝利点、2段階目は捨て札から1枚建設の特殊能力。ただし、2段階目の建設には鉱石が3つも必要です。

さて、最初の7枚を開けると資源(茶)が3枚と軍事(赤)が1枚。
とりあえずは資源を集めないと建設もままならないので、ワンダーを見据えて鉱石の施設を建設。
最初の時代は資源産出のカードが多く、建設コストも少なめかタダです。
3つめの時代などは資源獲得の施設はゼロに近いので計画的にいかねばなりません。

カードの右下には、系統的に次の時代に無償で建設できる施設の名称が書かれているのですが、カードを扇状に持つと見えないという欠点があります。これは残念。

次の手番も1つ目のワンダーのコストがレンガ2個のため、レンガの施設を建設。サクサクゲームは進みます。
待ち時間はほとんどありませんが、たまーに対面ののっちが長考気味。
一旦カードを選択してしまうと待ち時間はやることがありません。
このゲームはテンポが大事ですね。

 次の5枚はなんだかイマイチなカード。
 戦闘国家を目指すCOQ都市はとりあえず軍事力を増強することにします。
 右隣のヤス都市は序盤ひたすら資源施設を建設しているようです。

次の手番は狙い通り、人工資源を1金で両隣から購入できる「市場」を建設。順調順調。あとはこのまま天然資源を拡充するだけ。

 しかし、次のカードから、天然資源のカードがこない!しかたなく、勝利点の施設などを建設して様子見の展開。様子見をしながら、他都市の邪魔を出来れば良いのですが、同じ種類のカードは重ねられ、次の時代への繋がりの部分は非公開になってしまいます。施設の系統など頭に入っているはずもなく、他のプレイヤーを待たせてもいけないので、若干の適当感の中でのプレイとなります。

 さて、そうこうしているうちに最初の時代が終わり、戦争がはじまります。戦争では、隣の都市と軍事力を比べ、勝っていればプラス点が、負けていればマイナス点が付与されます。同軍事力の場合は何も起りません。対面とは同軍事力、右隣には勝っています。従って、1勝利点をゲットして戦争終了。

ヤス「やべぇ、これ軍事力無いのきついな。」

両側からの袋だたきは辛いですね。
どんどんマイナスが貯まっていくので。

さぁ、次の時代。

一気にカードのコストが上昇し、内容も高度になります。
COQ都市は最初の時代で獲得できなかった天然資源の施設を中心に建設。
ワンダーのために鉱石を3つとレンガを1つ産出できるようにしました。

その間、最初時代にコテンパンにされたヤス都市が軍事力の拡大に着手。
その分COQ都市には軍事力がまわってきません。これはヤバい。
しかも、資源の種類が合わず、中々目的の施設を建設できません。
結局、買う事に決めていた人工資源の施設を建設する羽目となり、早くも道に迷ってしまいます。
のっち都市は何やらカラフルに色々な種類の施設を建てています。

 何が狙いだ??

・・と、2つめの時代でのっちがワンダーを完成。
カラフルなようでいて、キチンと資源を集めていたのね。お見事。
これで勝利点10点確定。そして、毎ターン好きな天然資源を一つ産出する能力をゲット。手強いな。

COQ都市は、戦闘国家へ返り咲くべく軍事力を強化するも3止まり。
2つ目の時代終了を目前として不穏になります。

このまま2つ目の時代が終わり、戦争解決。
2回目の戦争では、勝った場合の得点が3点となります。
ワンダー建設にかまけたのっち都市には勝つものの、ヤス都市には敗北。
戦闘国家を宣言していた都市としては屈辱のマイナスチップを頂きます。

 そして、ついに最後の時代。

最後の時代のカードには資源産出のカードがほとんどありません。
また、コストも高く、効果も高いカードが目白押し。

最初の手札には軍事力3の「兵器開発所」が。
この期を逃すまいと、これを建設しようとするのですが、資源が足りず建設できません。
「天文台」を建設していれば、無償で建設できるのですが、COQ都市には無いのでビタ一文まかりません。しかしこんなカードをリリースするわけにもいかないのでワンダーの建設に使用し、キープ。ついにCOQ都市でもワンダーが完成。勝利点獲得を確定させます。

次の手札には念願の「武器庫」が。コイツも軍事力3の強力なカード。
しかも、COQ都市の資源にピッタリなのです。
逃さずにこれを建設し、周りの都市を脅えさせます。

さて、終盤は自分の資源と相談しながら、「両隣の軍事力施設の数に応じて勝利点」等の施設を建設して少しでも勝利点を増やします。
また、お金も3金ごとに勝利点となるため、3の倍数にするのが最も効率的。カードの売却などで数を揃えます。

 そして、最後の時代も終了。

最後の戦争。両隣の都市に勝利して勝利点を10点獲得(最後の戦争は勝利すると5点貰えます)。軍事力を捨てたのっち都市はヤス都市に敗北。その分、科学技術に力をいれているようです。

今回は全員がワンダーの建設を成功させゲーム終了。

 得点計算の結果は、ヤス48、COQ44、のっち30

僅差に迫るも、縁起の悪い点数で敗北。
軍事力を疎かにしたのっちはヴィニョスに続いてまたしても馬群に沈んだのでした。

プレイ時間30分









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ゲーム開始!







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最初の手札。まずは資源の拡充が基本。







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ワンダーの建設に必要な鉱石を中心に。







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軍事力も高めていかないと!








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他都市は未だ軍事力ゼロ。いけるぞ!戦闘国家!







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ラウンドが進むにつれて、どうでも良いカードばっかりになる。







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1つ目の時代が終了。戦争だ!







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2つ目の時代。コストも効果も高い。







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思いとは裏腹に、中々目的のカードがまわってこない。









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のっち、ワンダー完成!!早い。









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軍事力の拡大を図るCOQ都市。








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3つ目の時代。兵器開発所はワンダーの建設に使用した。









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COQ都市もワンダーの建設を完了。これでのっちとの差は無くなった。








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念願の武器庫ゲット!これで他都市を圧倒できるはず。









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最後は勝利点を増やすカードを建設しまくり大会!

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 ゲーム終了の図。軍事力では勝ったが、指数関数的に勝利点を稼ぐ科学技術がない。

オススメ度:★★★★★★★☆☆☆→★★★★★★★★☆☆update!

 噂通りのサクサク感。
ドイツゲームで完全にドラフトを主軸としたゲームは初めてであり、ドミニオンに続き、カードゲームに一つの金字塔を打ち立てたと言えるのではないでしょうか。カードドラフトを綺麗にまとめたシステムは多いに評価に値すると思います。

ただ、日本にくるまでに高まった異常な程の期待に応えられるゲームかといえば、私的にはノー。

好みの問題かもしれませんが、まずコンポーネントがチープ。
イラストの雰囲気も暗く、カードも耐久性がありません。
系統を示す部分が配置時に消えてしまう等、システム上の不具合があるのも頂けません。わくわくしませんよね、こういうの。結構良い値段するのに。

ゲームとしては、色々な勝ち方があり、毎回違うボード使用するシステムによって多様な展開を楽しめます。また、プレイ時間の短さがこの多様性を楽しむ事を強力に後押しすることでしょう。

が、個人的にはこの「色々な勝ち方」も全てが勝利点に集約されていることから、面白味にかけると思いました。

例えば、戦争などは勝利したら相手の好きな建物を壊せるとかだともっと面白く派手なゲームになったかもしれません。どうにも、やっていることが地味なんですよね。7不思議を完成させても、ほぼ勝利点メインだし。

そして、私がドラフトゲームに求める一番の要素が欠けていることが、このゲームの評価を決定付けました。

それは、他人のプレイを推察することです。

このゲームではピックしたカードは建設することによって毎ターン明らかにされます。すると、回って来たカードの種類や、減り具合などから相手のプレイを推察するという「操り人形」や「MTGドラフト」にある要素が無いのですよね。まぁ、全てのシステムを含むことはできないし、肝心のサクサク感を犠牲にする恐れもあるので、これも好みの問題だと思います。

このゲームは、各国で高評価を得ています。ボードゲームギークでの評価も上々です。今年度の各地のゲーム賞でも沢山目にする事になるポテンシャルは秘めていると思います。そのポテンシャルとは、プレイヤー間の相互作用だと思います。プレイヤーがこのシステム(特に系統図)に習熟し、自分と他人の都市の発展の道筋を1枚のカードからある程度判断できるようになれば、他のプレイヤーへの影響や、将来を見据えた1手を打てる様になり格段に面白くなると思います。

そこに至るまでの情熱をかき立てる程のわくわく感はないと思いました。なので、7にしてみました。7不思議だし。
短時間で7人まで出来るゲームは重宝すると思いますけどね。

ちょっと辛いかな?期待が大きいだけに。
もしもやり込む機会があったら、はまりそうですけどね。

追記:その後、何度かプレイしてみると、なる程コツとカード構成がある程度わかってくると深みが増してきました。これは中々オモシロい。