80days.jpg01-Feb-2011 ボードゲーム レビュー


80日間世界一周

作者:Michael Rieneck
2〜6人用 (2人はヴァリアントルール)
対象年齢:10歳以上

新聞の記事を読んである紳士が言った
「これで世界を57日で
      一周することが可能になった」

KOSMOS社の「80日間世界一周」の紹介です。
このゲームは2005年のドイツゲーム大賞ノミネート作品ですが、ジュールヴェルヌの同名小説をモチーフとしたロマン溢れるすごろくゲームに仕上がっています。このデザイナーは原作ものを得意とするようです。

小説では、ロンドンの酒場で紳士達が80日間以内に世界一周出来るかどうかの賭けをし、実際に船や汽車を駆使して旅をして実証する姿を描いています。また、同時にロンドンで起った事件を調べる探偵とのやり取りも見所となっています。

ゲームでもこの辺りの雰囲気は見事に再現されており、プレイヤー全員が物語の主人公となり80日での世界一周を目指し、それを邪魔する探偵も登場します。

旅はロンドンから出発し、日本やアメリカを経由して再びロンドンへと戻ってきます。それぞれの年の移動は経路に示された乗り物を使用します。乗り物を利用するには、手札から対応する乗り物カードを公開します。移動に要した日数は、自分の公開したカードに書かれた数字の合計です。なるべく小さい数字のカードをだせば有利ですが、「同じ種類の乗り物の場合のみ、2枚の数字が同じであれば1枚分の日数となる」等の特殊ルールが手札マネジメントを面白くします。

手番は手札の補充からスタートします。手札の補充では、各ラウンドで山札から表向けられたカードを一枚選択するのですが、欲しいカードをただ選べば良いというわけではありません。なぜなら、カードが表向けられた場所によって特殊効果が発動するからです。特殊効果には、次のラウンドのスタートプレイヤーの権利や、探偵の移動、チャンスカードの獲得などがあり、この選択もゲームの勝敗を左右します。

このゲームの面白いところは、ラウンドが日数を兼ねるのでは無く、通常勝利点マーカーとして用いられるゲームボードの外周の数字が各プレイヤーの経過日数を表すと言う点です。単純に早いラウンドでゴールすれば勝ちというわけでは無いのですね。ただ、誰かがゴールした後のラウンドは何もしなくても日数が過ぎるのでのんびりもしていられません。

探偵は探偵駒がある都市で手番を終えたプレイヤーの日数を2日経過させるという凶悪な駒です。移動に必要な手札が無いと状態でこの駒を自分の居る都市に置かれると泣きそうです。これをうまく利用すればエグ味のあるプレイも楽しめます。

乗り物には船と汽車の他に気球と象があります。気球はチャンスカードや手札補充時の特殊能力によって利用することができるのですが、手札を公開する代わりにサイコロの目を日数とすることができます。そして、象はボンベイからカルカッタへの移動に欠かせない乗り物で、チャンスカードでのみ利用することができます。この区間は、象を用いることができないと問答無用に12日経過するという恐ろしい区間。ここはしばしばドラマが起ります。

チャンスカードは手札に加えておき、好きな時に使用する事が出来ます。ただし、山札の中に2枚だけ悪魔のような災害カードが混じっており、そのカードがでると全員のチャンスカードが没収されます。わざと災害を起こすのも戦略の一つかもしれません。

ロンドンに到着したときの経過日数が最も少ないプレイヤーが勝利します。

大体のルールはこんなところですが、詳しくはこちら。

果たしてあなたは賭けに勝つことができるでしょうか!?








原作小説。
海底二万里、15少年漂流記と並ぶ傑作。








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ゲーム風景。
黒い駒が探偵駒。
各都市に置かれたチップは先着と最後着が獲得するボーナス。

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自宅にてヤス(赤)のっち(青)とプレイ。

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スタートプレイヤーはCOQ(緑)
いきなり「2」という良い数字の汽車カードをゲット。特殊効果は気球。
カードが並べられたボード下部(カードの上)に書かれたシンボルが特殊能力を表します。

ヤスはどうやらしばらくカードを溜め込んでから出発する模様。そう巧く行くかな?


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旅の序盤はのっちが先行。
しかも、COQの居るパリに探偵を置き、手札が揃っていなくても行かざるを得ない展開を演出する辺りがエグイ。
この1手は同時にヤスの行く手も阻んでいるので、探偵の移動を可能にする手札の補充が必要。

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だが、華の都パリでの休息で完璧な手札マネジメントを行ったCOQは一気にスエズへ。
日数マーカーを見ると判るが、先頭を走っているとその他の色の日数にあまり差が無い。
ヤスはたまらず出発するが、かなり日数をロス。

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そして、問題のボンベイーカルカッタ間へ到着するCOQ
ここはなるべく象が欲しい。
そこを狙ってヤスがボンベイに探偵を派遣してくる。うまい。

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しかし!手札には象があったのでした。
災害が出て没収されるのだけが心配だったけど、災害も起らず無事「象」に乗って移動!

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しかも、サイコロの目は1!
象がなければ12日かかるところを6+1の7日で走破。
やっぱり真の紳士はトラブルの解決にも長けていなくてはね。そうだろ?ワトソン君。

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こうなってくると、わざわざ派遣した探偵が自分の首を閉める。
ボンベイ手前で立ち往生する2人を他所に香港へと駒を進めるCOQ
しかも、横浜への航路も「5」の船2枚で日数短縮できそう。

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横浜へ派遣された探偵の魔の手もかいくぐり、ついに北米へとたどり着くCOQ
ここで、ロンドンへの帰着をさらに早めるために1手番に2区画進めるチャンスカードを利用。
しかも両方とも数字を揃えているため、驚異的に少ない日数で再びヨーロッパへ。

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ロンドン一歩手前まで来るCOQ
他の二人はを止めるのを完全にあきらめた模様。
如何にしてCOQよりも少ない日数でロンドンに辿り着くかを考え始めます。
たとえ到着したラウンドが遅くても、経過した日数が短い方が勝利するのです。

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そんな中、COQ到着!!
酒場で世界一周の成功を宣言します。
なんとわずか57日での世界一周でした。
その後、なんとか他の二人もロンドンに辿り着きますが、COQがゴールした事による加算で散々な日数に。

仏恥義理でCOQの勝利でした。

COQ:57日 ヤス:71日 のっち:76日

オススメ度:★★★★★★★☆☆☆
初心者にも!
子供と一緒に!

これだけ自分の活躍だけ書いていると気持ちいいですね。
シンプルですが、手札の選択時の特殊効果や手札マネジメントなど悩みどころは沢山あります。
如何に先の経路まで見越して最短の日数になるように手札を公開するか、です。

他のゲームの影に隠れていますが、ゲーム大賞へのノミネートは納得の良いゲームです。
しかも、プレイ時間は40分程度と手軽なのが良いですね。
この日も2回プレイし、2回目はのっちが勝利しました。

ジュールベルヌの同名小説をモチーフとしていることで物語性も申し分無く、是非原作を読んでからプレイして欲しい作品です。

個人的には特に子供とゲームをする方にオススメです。世界地図や冒険小説に触れる良い機会だと思います。こういう事で覚えた地図は忘れませんよね。