Brugge.jpg19-Nov-2013 ボードゲーム レビュー


ブルッへ

作者:Stefan Feld
2−4人用
対象年齢:10歳以上

カードの枚数は取り敢えず忘れて

ディベロッパーの底力で(少しだけ)蘇る在りし日のフェルトの姿

brugge-03.jpgコンポーネントは小さめのボードと大量のカード近年のフェルトといえば要素の多さ。『手番順の有利不利なんて知るか、これだけ要素が満載なら夜も寝れないほどうれしいだろう!』という印象が強いです。しかし、自分がフェルトのゲームを初めて好きになった「ノートルダム」を思い返してみると、そこできらめいていたのは多彩な得点経路ではなくて“辛さ”だったような気がします。アニキまじっすかもう無理っすよ!ってやつ。トラヤヌスボラボラもキラリと光るシステムを軸にしていて悪くはないんですけど、ちょっとダークサイドに堕ちかけていました。

で、今回紹介する「ブルッヘ」(ブルージェと発音したいとこですが、残念ながらブルッへ)。相変わらず得点の経路は多彩だけど、そのほとんどはカードに書かれた特殊テキストで本人だけがわかってれば良い仕様です。まぁ特殊カードは特殊で相変わらずなんですけど、各人ミクロで展開してるのでほっとけば良く、自分の世界に没頭できる感じです。カード効果のコンボは多彩なので、そこを楽しめるヒトはもちろん楽しいですし。次々に発生する天災に四苦八苦しながら周りにおいていかれないようにアレもコレもしなきゃいけない忙しさはフェルトファンなら待ってましただし。それでいてプレイ時間は慣れれば4人で60分程度という、久々にちょっと逆水前寺清子じゃないですかね(一歩戻ったんじゃないですか)?


中世ベルギーの都:ブルッへが舞台

burugge1.jpgシールを貼ってスリーブに入れてもケイオツな親切設計。ゲームではベルギーの都ブルッヘを舞台に、160枚あまりのカードの能力を使用して得点を伸ばしていきます。160枚のカードにはそれぞれおじさんが描かれていて(全部絵柄が違う、凄い!)いろんな特殊能力が付与されています。おじさんたちは5種類の色のうち何れかに属していて、裏面はその色の家になっています。各ラウンドの最初に、各プレイヤーは2つ山札からカードを規定枚数になるまで補充するのですが、各山一番上のカードだけが見えているので2択で欲しい色を選択していくことになります。欲しい色が見えていない場合は今引いた山の一番上に良い色が来るように念じましょう。各手番ではカードを1枚使用して複数のアクションの中から1つを選択します。ただ単に特殊能力の応酬をするわけではないです。良かった良かった。

出来るアクションは:
① 色に対応した額のお金をもらう
② その色のリソースを2個もらう
③ その色に対応した災害マーカーを一つ除去する
④ その色の家を建てる(リソース要)
⑤ 建てた家にその人物を配置する(お金要)
⑥ 色に対応する場所に運河を引く
です。

brugge-07.jpg人物は家に住まわせる。能力を使用した人物はタップ。人物は配置することによって能力を発揮します。リソースを使用して得点を得る能力や、その他のアクションを有利にする能力など多彩です。リソースは対応する色の家を建てたりするのにも使います。カードの色はそのラウンドごとに振られるサイコロの目と対応しているので、換金額はラウンドごとに変わります。サイコロの目は災害にも関わっており、プレイヤーは5・6が出た色の災害マーカーをうけとらなければなりません。この災害マーカーが3つ溜まると、配置したヒトが死んだり、お金が全部なくなったり、目も当てられないような災害が起こります。つまり、狙った色のカードを補充し、災害を回避しながらお金を稼ぎ建物を建ててヒトを配置してその特殊能力で得点していくゲームです。ラウンドごとに振られるサイコロの出目が(自分にとって)ショボイと脳内阿鼻叫喚になります。

brugge-03.jpg運河は各自5マスずつ。運河は、それぞれのプレイヤーに2本ずつ用意されており、対応する色のカードと書かれたコストを払うことにより引いていけます。これを終点まで引くと早いもの勝ちの得点チップが貰えます。ただし、順番が決まっているのでここでもカードの色が超重要。さらに、運河とヒトそしてラウンドの最初に行われる市議会トラックの駒の位置で1度でも“単独トップ”になったプレイヤーにはゲーム終了時にそれぞれ4勝利点が与えられます。この“一度でも”というところにフェルトの非凡さを感じるわけですが、アクセルを緩めた奴から消えていくチキンレースはかなり悩ましいです。逆に、一度でもトップをとればあとはアクセルを緩めてもいいし、最初からあきらめるのもありってところも面白いですね。

TBGL会にて3人プレイ

brugge-03.jpgMOGさん、流さんと3人プレイ。COQのみ初。



brugge-04.jpgスタートプレイヤーはMOGさんで、最初の市議会トラックはパス。2番手のCOQは下家に楽をさせるわけにいかないのでお仕事で大枚をはたいて市議会を進める。すると運よく1ラウンド目で市議会の単独トップを頂くことに。

市議会で無理する必要のなくなったCOQは、一気に運河も引いていき、ついでに運河でも単独トップに。あとは適当に家を建て、お金を貯めて次のラウンドに備える。



brugge-05.jpg次のラウンドではヒトを配置する計画だったものの、早速ペストが流行りそうで計画断念。とりあえずペストの蔓延を防ぐのにカードと手番を使用する。苦しス。

気付くとMOGさんは毎回カードの効果で災害マーカーを1つずつ捨ててる。ずるい。あまりずるいので、MOGさんがお金を得たタイミングやカードを使いたそうなタイミングで「各プレイヤーからお金を徴収する」とか「各プレイヤーはカードを1枚捨てる」みたいな一次的な効果のカードで応戦する。ンッンー、耳に残る悲鳴が実に心地よいdeathね。



brugge-11.jpg終盤、運河を引き切って得点チップを貰いたいが、どうにも赤のカードが引けない。そうこうしているうちにカードの山が尽きて最終ラウンド到来。2拓の連続を失敗してもうダメぽと思ったその時。

手札にカードを3枚引くという能力のカードが!

これを家に配置してカードを3枚引き、見事赤のカードを手に入れて運河完成。最終得点計算でギリギリ逃げ切って勝利しました。



流「最初のラウンドで先手番が市議会締めないからっすよ!」
MOG「そんなこと言われたってあqwせdrftgyふじこl」

ンッンー(最低)。

COQ:54 流:52 MOG:35


プレイ時間:60分(3人)

2013/11/17

オススメ度:★★★★★★★★☆☆

多彩なおっさんを160人並べたいヒトにおススメ。というのは嘘で、沢山のカードに苦手意識を覚えていた方(僕)も是非遊んでみてほしいです。カードには色々な能力が書いてあるのですが、予想の範囲内であるものが殆どなので、周りは軽く見回しておけば良い程度です。ちょこっとワレスのロンドンに似た雰囲気があるけど、そこまで取っ付き辛くないと思います。なぜかというと、カードの枚数の割に手元に来る枚数が少ないので、手也でコンボらしきものを模索するのがメインでそんなに知識とか問われない感じなので。それ程ガチじゃないんです。コンボができても特に他人をハメるようなものではなくて、自分の得点を延ばすのがメインですし。

良く良く考えるとブルッヘのディベロッパーはハンスでした。どこからどこまで編集者が関与しているのかは不明ですが、得点サラダと揶揄される要素多彩なフェルトのゲームをなんとかドイツゲームの枠の中に引き戻した感じは流石ハンスのゲームってとこじゃないでしょうか。カードの特殊テキストは勝敗を決めるけど、その一線に立つために色々やらなきゃい色々な部分がいい感じ。カードの引き次第で勝敗が大きく変わりどうしようもないという評価(初手で強いカード引いたヒトが勝ちで良いじゃんみたいな)もまぁわからないではないけど、比較的ゲーム時間が短いので笑い飛ばせる範囲だと思う。

僕はフェルト作の中ではノートルダム、ブルゴーニュに続くヒットだと思います。ロンドンは何度も遊ぶにはちょっと重過ぎますしね。

ハンス版はカード160枚あまりが全てドイツ語表記なので欲しいヒトはカードシールが付属しているメビウスゲームス版を捕獲しておいたほうが良いと思います。

僕はこれをコピーしてはがせる糊で貼りました。この作業には2時間近くかかりました。その点は御覚悟。