Camelup.jpg23-Sep-2014 ボードゲーム レビュー


キャメルアップ
(2014 SDJ受賞)

作者:Steffen Bogen
2−8人用
対象年齢:8歳以上

2014年SDJ受賞作はラクダのレースゲーム

短時間で楽しめるポップギャンブル

Camelup-3.jpgラクダ駒はかわいい。ランドルフのゲームを思い出す見た目。久しぶりのゲーム紹介、復活の狼煙は既に2014年の年間ゲーム大賞(SDJ)を受賞した「キャメルアップ」。現時点で多数の紹介がなされているゲームなので、リハビリには丁度良いです。

さてこのゲーム、実はSDJ受賞作にも関わらず正式な名称がよくわかりません。英語題名は「Camel Cup(Cを両方の単語の接頭にする)」という説が有力ですが、紛らわしいロゴにしたせいで、メーカーもキャメルアップに傾きかけているという状態です。

既に日本語版も発売されているくらいなので、プレイしたことがない方もこのゲームがラクダのレースゲームらしいってことくらいはご存知かもしれません。イメージはそのまま、ラクダのレースの順位を予測しながら自分たちの手でラクダを進めていくゲームです。ラクダの駒はスタック(重ねられる)出来るようになっていて、ランドルフ御大の「冷たい料理の熱い戦い」や「進め子ブタ君」のように下になったラクダが上に乗ったらくだを否応なく運んでいく仕様。コレのお陰でレースの順位は予想を裏切ったり裏切らなかったりで大変。家族で盛り上がれるパーティゲーム仕様になっています。

COQのSDJ予想は「コンセプト」だったので、また外しました(><)


奇跡のピラミッドテクノロジーが可能にしたキャメルアップの一般販売!

Camelup-1.jpg逆さにしてフタをスライドさせるとダイスが1つでてくる実はこのゲームは数年前から構想があったそうです。しかし、ダイスを1つずつランダムに取り出すという構想を現実の物とする技術力がなかったために、今までお蔵入りをしていたのです。しかし、2014年初頭、人類はついにピラミッドテクノロジーを生み出し、そしてキャメルアップのリリース(発売)と相成ったのであります(大嘘)。まぁとにかく、このピラミッドの形をしたコンポーネントがこのゲームの随一の華なわけで、ゲーム会などで取り出す時にはピラミッドテクノロジーを大いにアピールしましょう。

ピラミッドには各ラクダに対応した色のダイスが1つずつ入っており、ピラミッドを逆さにして口をスライドさせると1つだけ出てくるようになっています。ダイスの出目は1~3。この色に対応したラクダをその分だけ進めます。もしも、到着地点に他のらくだが居れば、その上に乗っかることができます。また、動かすラクダの上に他のラクダが乗っていた場合は、一緒に連れて移動します。

このゲームのインストをすることになったら、仰々しくピラミッドテクノロジーについて語りましょう。必須です。



「レグ」ごとの小決算

Camelup-7.jpgこれはゲーム終了時、緑が一着でゴールしたところ。ダイスがピラミッドの中に戻されるのは全色が出そろってからであるため、全てのラクダには均等に移動する機会が訪れます。この各ラクダが1度ずつ動くレースの小単位のことを「レグ」と呼びます。レグが終わったら、小決算を行います。小決算では、今回のレグ終了時のラクダの順位に応じて、各自の予想を判定します。1位と2位のラクダを当てていればお金が貰え、3位以下のラクダを間違えて予想しているとマイナスです。得点計算を行ったら、次のレグを開始します。こうして、先頭のラクダがゴールラインを通り過ぎるまでレグを繰り返していき、最後のレグの決算の後に大決算を行ってゲーム終了です。



手番ではなるべくピラミッドに触りたくない現象

Camelup-4.jpgレグの投票券とダイス置場。どのダイスが確定済か人目でわかる。つまり、手番ではピラミッドテクノロジーを発動させる、レグの予測をする、そして、レース終了時の順位を予測することを行うわけです。レグの予測をするには、各ラクダに対応した売り切れ必至の勝ちラクダ投票権をとっていきます。早い者勝ちで売り切れるだけでなく、先にとった方が当たった時の報酬も大きくなっています。ただし、外すとマイナスなので注意。レグが終わったら全ての投票権を場に戻します。予測をする上で重要なのは今のラクダの順位です。情報はなるべく多い方が良く、自分の前になるべくダイスが振られており、投票権がとられてないことが望まれます。しかし、考える事は全員一緒なので、ピラミッドテクのアクションを選択することはかなり不利なアクションと言えるでしょう。その代わり、ピラミッドテクを発動させた人には1金が与えられるようになっています。

一方、レース全体の予想には、あらかじめ配られている予想カードを1位若しくはビリの予想場所に伏せて置きます。レース終了時に表向け、当たっていれば配当が貰える仕組み。早く予想している人ほど報酬が大きく設定されているので、ある程度順位が確定したら予測しておかないと勝ち目がなくなります。こちらも外した場合はマイナスのペナルティがあるので注意。

レグの予測タイルを毎回元に戻すのがちょっとメンドクサイ!


オアシスの配置が生む、一発逆転の可能性

Camelup-5.jpgこれを踏んだラクダは1マス戻るその他に出来る事として「オアシスを置く」というアクションがあります。各プレイヤーはオアシスタイルを1枚ずつ持っており、それをレーストラックに配置しておくことにより、そこに移動してきたラクダを1マス進めるか、1マス戻すかすることができます。1マス戻った先に他のラクダが居る場合には、戻ってきたラクダが下位扱いになるので、大逆転を生む可能性も秘めています。幾つかのオアシスがトラックに置かれると、レグの展開が見えてきます。「オレンジの3がでればオレンジラクダがトップ!でもオレンジの2なら1マス戻って白ラクダの下だ!」みたいな。ピラミッドの中にダイスが残された全てのラクダについて、1/1~1/3で展開が読めるわけです。

レースの様相としては、レグの投票権を取り合いつつオアシスを置いて展開を決定し、やることが無くなったプレイヤーがピラミッドテクを渋々動かすという感じになることが多いですね。なにせ、ラクダの位置を他人の予測のために決定するような行為ですから。

こうしてレグを繰り返し、レース終了時の決算をして最もお金を集めたプレイヤーが勝利します。



★★★★★★★☆☆☆ 7

1レースをレグにわけ、それを繰り返すことで何度も展開をリセットして遊ばせてくれるシステムは優秀で、凄く良く出来ています。投票権を奪い合って、オアシスを置いた後は異常な熱気で転がり出るダイスの色に祈りを捧げ、叫ぶことでしょう。数回遊びましたが、順位決定の前にはかなりの盛り上がりを体験することができました。ファミリーで楽しめるパーティゲームだと思います。大人はオアシスを置いた事により複雑に変化するラクダの運命を予測することでも楽しめますし、子供は単純にラクダの駒が重なって動いていく事に喜ぶんじゃないでしょうか。ゲーム時間も比較的短く、ほぼ公称時間通りに終わるので軽く遊ぶのにもオススメ。

パーティゲームだな!って感じです。ゲームの展開を大いに運が左右することをわかって楽しめるならアリ。ピラミッドテクノロジーをアピールして大いに盛り上がりましょう。立派過ぎるコンポーネントよろしく、お互いに大げさな軽口を叩き合って遊ぶのが面白いでしょう。

それにしても投票権選択は根拠が大概ほとんどない段階で実行しなくてはならなくて、根拠を作るためにはダイスを確定するしかなくて他人が利する…というのが個人的には少しフラストレーション溜まります。もう少し、ピラミッドテクでダイス確定することに旨味があればもっと面白かったのになー。決してSDJ予想が外れたから書いてるわけじゃないですけどけど(震え声)。

日本語版発売のお陰で今はかなり安価に手に入れる事ができるので、日本語版なら軽めのギャンブルゲームとして買っても損しないかな。2〜8人用となっていますが、4〜5人くらいまでが楽しめる限度だと思います。がっつり遊ぶというよりは、ゲーム会の合間をうめるフィラー的な扱いで!