coalbaron.jpg26-Dec-2013 ボードゲーム レビュー


炭坑讃歌

作者:Michael Kiesling & Wolfgang Kramer
2−4人用
対象年齢:10歳以上

エッセン炭鉱で石炭を掘る。黒歴史は語られない。

安心と信頼のクラマー卿&キースリング博士、昔は○ソゲーも作ってたけどね

DSC_0212.jpg基本はアクションを労働者駒で買っていく感じラマーとキースリングの共作でペガサス&エッガートから発表された炭鉱掘りゲームです。ドイツ語版のタイトルは「幸運を!」、英語版は「石炭王」そして日本語版は「炭坑讃歌」とかなりばらけましたがどれも良いですね。今年は他にもこのコンビで作品を発表していますし、ちょっと乱発気味でディベロップメント不足が心配されます。ゲームは昔のエッセン(ナントカ炭鉱というのが本当にあり、観光地となっているようです)の炭鉱がテーマ。ゲームの基本は石炭の組み合わせが書かれた注文書通りに自分の炭鉱を掘り進め、対応する石炭を集めて出荷するという流れ。おおよそ予想され得る炭鉱で起きていたであろう労働者の悲劇や虐待の歴史などは勿論登場しません。



PC269659.jpg全部で12個ある得点の要素、次第に適用が増えていくームは大きく分けて3つのラウンドに分かれていて、次第に得点計算の範囲が拡大していくようになっています。最初は掘り出した石炭の色だけが得点計算の対象ですが、その後は出荷した方法(トラック、鉄道など)や掘り進めた坑道が得点計算の対象となっていきます。それぞれの項目で1位2位に得点が分配されるので、直近の得点を確保しつつ、未来の展望を描いておく必要があります。ただ、プレイ人数と比べてそれぞれの得点要素における種類が多い(概ね4種類ある)ので、あまりバッティングはしないかも。最後は坑道のバランスや完了した注文書自体の得点が加算され、最も得点の多い人が勝ちます。4人でプレイしても60分程度で終わるまとめ方は流石のコンビで、2014のSDJを強烈に意識している印象のあるゲームですね。


全体的に暗い雰囲気のテーマ、コンポーネントは…

PC269656.jpg炭坑の個人ボード、タイル厚をガイドにしてエレベーターが動く業時代の炭鉱がテーマであることから全体的な色使いは土色で、当然のようにゲーム全体が暗い雰囲気に満ちています。個人ボードとして割り当てられる炭鉱には、タイルの厚さを利用したエレベータなど面白いギミックも見られますが、やっぱり暗いです。プレイヤー駒に緑が無いのもちょっとマイナス。紙幣ももう少しなんとかならないかなぁという出来ですね。良く言えばテーマに合わせた無骨なアートワーク。左右に掘り進める炭坑は、最終得点時に枚数のバランスがとれていないと失点というバランス感覚を求める制約付き。


クラマーらしさ全開の石炭掘り出しアクション、そして特筆すべき点

PC269660.jpg今置かれている労働者+1駒必要ームでは手番順に1つずつアクションを選択していきます。15個ほど保有している自分の労働者駒を該当のマスに配置することでアクションを選択していくのですが、誰かが実施したアクションのコストは今置かれている労働者駒+1個のコストがかかります。この部分がこのゲームでCOQ的に最も特筆すべき点で、アクションの競り上げのシステムを非常に分かりやすくシンプルにまとめていると思います。面白味を感じるのは、ラウンドごとの出荷までの道筋を描いて、限りある労働者駒で他者(もしくは自分)の競り上げを計算にいれながら優先順位を決定してアクションを実行していくというところデス。3ラウンド先までの得点要素に特化できるような長期計画まで立てられたらもっと楽しくなりますね。


PC269657.jpg注文書に指定の石炭を積んで行くクションのうちの1つに、炭鉱から石炭を掘り出すアクションというものがあります。これは「4〜10アクションを購入して自分のエレベータで石炭を掘り出す」というものなのですが、大賞受賞作のトーレスに代表されるような実にクラマーくさいシステムだと思います。ただ、トーレスは三次元に展開していたのに対し、本作では動きが2次元なので、スケールが小さくなってしまった感がありますね。この部分のシステムを筆頭に、少しパズルライクなプレイ感が際立っているゲームです。


4人で2回遊んでみた

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じゃむたん会と偽ドゥーム会で一度ずつ、どちらも4人プレイで遊んでみた。

スタートプレイヤーはランダムだけど、アクションが絶対最安値で選べるので大分有利かも。
その分、最初の注文書を手番と逆順に貰えるんですけど、
5枚表向けられた注文書次第できついかもしれませんね。

掘り進める炭坑のタイルや注文書は結構な枚数表向けられているのに加えて
ギャンブルで山札からめくることもできるので、大分ユルい印象。

どちらのプレイでも思い通りの炭坑を掘り進めることに成功。
やっぱり締め付けはそれ程キツくない。
ただ、出荷方法ひとつとってみても、機関車と手押し車では1位を取った時の得点が倍以上違うので、
ある程度王道を、そして誰かと誰かが接戦になった時に悠然と競争のない要素へ…という
駆け引きが必要な感じ(といってもそれほどうまくコントロールできるかどうかは謎)。

じゃむたん会のほうでは、エレベータアクションなんかは完全に性善説で進み、
各自のアクションは各自で進めてゲームはあっという間に終了。

ドゥームの面々は監視の目がキツかった(笑。
勝ちにどん欲なタムラさん、視てないようで視てる和訳神など。

プレイ時間:60分(4人)

2013/12/10

オススメ度:★★★★★★★☆☆☆

“どの石炭を多く出荷しているのか“とか”どの輸送手段を多用しているのか“など多少他人の動きを気にすべき点もありますが、基本的には王道の得点ルートを意識しながら序盤に自分の進む道を決定し、そして一旦自分の方向性が定まってしまうととてもパズルライクなゲームに変貌する印象。信頼関係があれば掘り出しアクションなどは各自で消化してもらって手番を早く回せるので、ゲームは公称よりも短くなったりしました(公称60〜75分)。

ピック&デリバーとセットコレクションに早い者勝ちアクション選択のスパイスを加えてしかも60分で終わるとなれば、現時点で2014SDJ候補であることに疑いはないです。文句を言う方がおかしいのかもしれないですけど、その分驚きは少なくて、ちょっと全体的に印象が暗いような気がしますね。あと、パズルライクな印象のせいで少し無機質に思えるところがあります。さらに(文句の方が多いw)、開始時手番順の有利不利と順位が大きく離れてしまっても救済措置がないところがほんのちょっとだけ不親切かな。

実はいつもペガサスの扱うゲームには小腹が空くような感覚を覚えています。B級映画を見たあとのような、面白いんだけど焦燥感。なんでですかねー。

トーレス好きな硬派のユーロゲーマーにオススメって感じです。