K2.jpg11-Jul-2011 ボードゲーム レビュー


K2 マルチプレイ

作者:Adam Kaluza
1〜5人用
対象年齢:8歳以上

一歩を踏み出せるなら、
   もう一歩も踏み出せるはずさ

ゲームマーケット2011春の人気の一角であった登山ゲーム「K2」の紹介です。

K2とは世界で2番目に高い山で、未だ冬に登頂されたことが無いと言う難関のことです。
このゲームでは、登山家2人からなる登山チームを率い、難攻不落の頂を目指します。

ゲームは18日間(ラウンド)に渡って行われ、自分の登山チームを如何に頂に近づけるかが勝敗を決します。
ただし、登山家が死んでしまっては元も子もありません。
生き残る事ができなかった登山家の功績は、大きく減点されてしまいます。

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こちらがメインボードと個人用のプレイヤーマット。

メインボードには登山ルートがマスで表されています。
それぞれのマスは6000 m 、7000 m、8000 mの線で区切られており、上へ行くほど過酷な環境となっています。
メインボードの右側の列は登頂の度合いによって与えられる功績を記録するマーカー。
自分のチームに所属する2人の登山家駒は2つずつあり、それぞれ1つずつをマーカーに置きます。
さらなる高地へ踏み込むごとに、対応するマーカーで功績を遺すわけです。
一度遺された功績は、下山しても消える事がないのが特徴です。
この功績マーカーが勝利点となるわけですが、対応する登山家が死ぬと点数は一気に最低の1点に戻されてしまいます。

個人用のプレイヤーマットは2人の登山家の順応力を示しています。
平たく言えば、HP(ヒットポイント)のようなものですね。
これが無くなると、登山家は死んでしまうのです。

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登山のマスを拡大したのがこちら。
赤と青の数字は登山家の順応力に与える影響を示しています。
つまり、山の裾であれば体力が回復し、上の方では体力を奪われるということです。
黄色の数字は、そのマスへ移動するのに必要な移動力を示しています。
黄色の数字が書いていない場合の必要な移動力は1となります。

また、各登山家は好きなマスにテントを1度だけ張ることができます。
テントのコストは、そのマスに入るのに必要なコストと同等です。
登山家はテントのマスに留まる事により、順応力を1回復することができます。

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こちらは手札となるカード、1人分は15枚です。
基本的にランダムで6枚を手札として持ちます。

上の段の緑の数字は移動カード、数字が2つ書いてあるカードは上昇と下降で移動力が変わります。下の段の青の数字は順応カードです。

手番でプレイヤーは、手札の中から3枚のカードを裏向きでプレイします。
全員の準備が出来たら一斉に手札をオープン。

移動カードは自分の登山家の何れかに適用し、移動力の分だけ移動させることができます。
順応カードも自分の登山家の何れかに適用し、数字の分だけ適応力を上げることができます。

こう書くと、ただ大きな数字を出せば良いだけのように思われますが、そうではありません。
プレイしたカードのうち、移動力の合計値が一番大きいプレイヤーは、リスクトークンを取らなければならないのです。

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リスクトークンは0〜2があり、ストックから常に3枚が表向けられています。
3枚のカードの移動力合計値が最大のプレイヤーはこの3枚のうちから1枚をとる必要があります。
リスクトークンは、カードの効果を適用する際に、カードの効果数字の分だけ減弱したりと何かと厄介なお荷物です。

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最後に天気のお話。
天気カードには、3日間の天気が予報されています。
6枚の天気カードのうち、常に2枚が表向けられ、6日間の天候がしめされます。
晴の日には何も起りませんが、曇りや吹雪では、順応力が容赦なく削られます。
天気予報は高度のメーターにもなっており、悪天候の効力がどの高さまで及ぶかもわかるようになっています。

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ちなみに、各高度では、1マスに最大何名の登山家が留まれるかが厳しく決まっています。
手札のバッティング要素だけではなく、単純に足止めすることでもプレイヤーインタラクションができるのですね。

天気カードは夏バージョンと冬バージョンの2種12枚が用意されており、好きに混ぜて使用できます。
当然、最凶は冬バージョン6枚です。
また、ゲームボードも表裏に初級と上級のバージョンが印刷されています。

冬の上級K2はまさに難攻不落の神峰です。
さぁ他の探検家を抑え、真冬のK2の頂を初制覇することができるでしょうか!

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第0.2回TBGL宮原ゲーム会でフォルテさんKunさんJossさんと4人プレイ。
COQは赤

ソロプレイの勝敗は、設定した難易度と点数で決定しますが、
マルチプレイの場合は単純に総得点数で勝敗を決定します。

また、ソロプレイの場合は登山家が1人でも死亡すると即ゲームオーバーでしたが、
マルチプレイの場合は、どんなに高地まで至っていようと死んだ登山家の点数は1点となってしまいます。

ボードは初級、天気は冬を選択。
天候を読めれば登頂も夢ではない山といったところでしょうか。

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いよいよ登山開始。

「どうせ山頂で死ぬんじゃないんですか〜?」
「まだ死んでないの?」

基本、死ぬ前提。

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初期手札はこんな感じ。
この中から3枚をプレイする。
多人数プレイでは、欲張るとリスクトークンをとらなくてはならないので注意が必要。
しかも、上に行く程に1マスの滞在人数が限られてくる。
先に行きたいが、リスクはとりたくない、このジレンマに痺れながらの登山。

さてCOQは。
頂上を目指すアタッカーと、それをサポートするサポーターを用意することにした。
来るべきアタックのタイミングにむけて、手札に高移動力のカードを温存するのだ。

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そんなわけで、まずは移動力1のカードを消費。
さらに、順応力を上昇させるカードで体力をつけておく。

1ラウンドのリスク評価では、フォルテさんKunさんが同じ移動力だったために何も起きなかった。
1位が複数いた場合にはリスクトークンをとる必要がないのだが、結構頻発していた。
何やら固い握手を交わす両者。

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各自、思い思いの登山家を出発させていく。
1点集中のKunさんに対し、COQはツガイで行動。

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そして、早速マルチプレイの洗礼。
6000メートル以下のマスは4人プレイだと3人までしか入ることができない。
手番が4番目のフォルテさんは思惑通りに登山家を1マスずつ進める事ができなかった。

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登山2日目、山の裾に蟻のように散らばって行く登山家達。
COQはソロリソロリと山の環境に体を慣らしながらルートを探る。

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次第に、手札が揃って来た。
ここでJossさんが聞く

Joss「適応力上昇0のカードって何の意味があるんでしょう?邪魔カードってことかな。」

そう、その通り。
頂上付近、カードの引き運に登山家の命がかかっている状況でこれを引いたときの絶望といったら。
そうならないためにも、安全なうちに処理しておきたいカードだ。

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そうこうしているうちに、先行するKun隊フォルテ隊が山の中腹まで駒を進める。
一応、同点の場合は頂上へ到達した順番で順位を決定するので、先行することも重要。

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そして、天候が回復。
ここから2日間は快晴のため、天気によるダメージはない。

ここだ!

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登る、一気に。
今までためていた手札を一気に消費してアタッカーを中腹へと誘う。
リスクトークンをとる羽目になるが、低地で十分に体を慣らしていたので問題無し。

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そして、目的地に到着し、テント建設。
このマスはK2登頂にかなり重要な意味を持つマス。
何故かと言うと、体力の削られない、最高地のマスなのだ。
天候が悪くなければ、このマスにいる事によって体力を回復できるのが大きい。

頂上を目指すアタッカーは、ここで英気を養うことにする。

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続いて、サポーターで限界まで攻め、8000m手前にテントを建設。
頂上へとアタックし、下山してきた登山家をこのテントで保護する作戦。

サポーターで限界ギリギリまで攻めたので、得点的にもCOQが一躍トップに踊りでる。

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ここで秘密兵器。
上りと下りで移動力の異なるカード。
サポーターを救うためにためておいた。
このカードのリスク評価は上りの値で計算されるので、リスクを負う危険も少ない作戦。

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一気に下山。
危機を脱し、サポーターの役目は終わった。
あとは癒しのテントで休むだけ。

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すると、COQとは反対側のサイドから攻めるフォルテさんが頂上一歩手前まで駒を進める。

同点に追いつかれ、初登頂の栄光も危うし!

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だが…。
上空は超絶悪天候。
それは無謀じゃないですか?

案の定、フォルテさんの様子がおかしい。

フォルテ「次のターンで適応力回復のカードを引かないと死亡ですw」

COQ「マジデスカ!?それは大変ですね!(わくわく)」

しかし、なんとか1の回復カードを引いたフォルテ隊は生き延びる事に成功。
だが、下山を余儀なくされる。

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そんなフォルテさんが下山し、天候が張れると共に人も掃けてきた。
このチャンスに、サポーターを癒しのテントに収容し、アタッカーを遂に頂上へと向かわせる。

カードも揃い、天候も良好。
あとは勇気だけだ。

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そして…、前人未到の頂上を制覇。
地球は青かった。
などと言っている暇もなく、命の危険を感じて下山準備。

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計算通りにテントに帰り着いて一息。
全てを出し切ったCOQ隊は、残り1ターンをテントの中でミカンを食べて過ごす。
その間、Jossさんが果敢にアタック。
だが、1日足りずに頂上1歩手前で時間切れ。

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ゲーム終了。
天候を冬にしたにも関わらず、1名の死者もでない大人プレイでした。

COQ:16 フォルテ:13 Joss:12 Kun:11

プレイ時間 70分

オススメ度:★★★★★★★★☆☆

まずこのゲーム、コンポーネントが綺麗です。
駒も良く出来ていますし、発色もいい。
箱は薄くて場所をとりませんし、カードの絵が臨場感を醸し出します。

次にゲーム性、ゲームボードに書かれたマスを見て、最初は単純なゲームかと思いました。しかしK2登山は甘くなく、油断すればあっという間に死にますし、登頂するには最悪な天候を想像しつつ、チャンスを見逃さずにアタックする度胸が必要。慣れてくれば残りのカードの内容も考えられる中々戦略的なゲームです。

一歩一歩着実に、ルートと順応力を鑑みて登って行く様が登山をうまく表現していると思います。頂上へのアタックは中々にエキサイティングで、死が決定した時には絶望します。生き残る事が必須というのが面白いところです。

本当に、登山をしているかのような雰囲気がバッチリでています。テーマ性は抜群、群を抜いた出来ではないでしょうか。

さて、マルチプレイには毎回のリスクトークン押し付け合いやルートの占拠等によるバッティング等、更なる楽しさがありました。リスクトークンを巡る駆け引きは、想像通り中々のアツさです。また、単純に競争相手が見えているというのは燃えますよね。

ソロプレイも面白いですが、このゲームはマルチプレイのほうがその真価を発揮すると思います。

ルールは簡単だし、子供用ルールで登山家を無敵にすれば初心者でも。
面白い!



 
K2
K2
価格:5,800円(税込)
 

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