Keyflower.jpg10-Nov-2012 ボードゲーム レビュー


キーフラワー

作者:Sebastian Bleasdale & Richard Breese
2−6人用
対象年齢:12歳以上

四季のように波瀾万丈

2年連続、オークションとヘックスの競演に舌鼓をうつ

早くもキーシリーズ最高傑作と名高い本作

keyflower-05.jpg衝立ての後ろに隠し持つキープル駒。村は1枚のタイルから始まる。2012年のエッセン発表作の中で、個人的に最も期待していた作品「キーフラワー」です。ベルギーのショップにオーダーしていたお陰で、エッセン終了とほぼ同時に手に入れる事ができました。エッセン会場でも、前評判を裏切る事の無い好評に包まれていたようです。

キーシリーズ最高傑作とは銘打っていても、実は私は食わず嫌いでキーシリーズをプレイしたことがありません。しかし、本作に限っては事前に公開されたルールを読んだだけで面白さが伝わってくる出来であったため、長い間の禁を破って購入に踏み切った…というわけです。指が滑ったとも言えますが。

keyflower-03.jpg実に出来の良い衝立て。付属のアンカーは使わないほうが良い。ゲームは四季(4ラウンド)に渡って登場する村タイルに手持ちのキープル(ゲーム中のミープルの呼び名)をビッドして獲得し、自分の村を拡大しながら村タイルのアクションを実行して勝利点を得ていくというもの。ビッドと村タイルのアクション実行に関わる色のマストフォロー(後述)がシビレる展開をお約束。まったく、去年のバヌアツといい、オークション+ヘックスのゲームの完成度は異常です。

ゲームに登場するタイルは資源産出が目立つ春から、資源を得点に換える冬まで、ラウンドごとに移り変わっていきます。冬のタイルのみは最初に配られ、ゲームに登場させるタイルを各プレイヤーが選ぶというのもニクい演出です。

ところで衝立ては、完全に組み立ててしまうと分解が難しいのでそのまま箱に入るような大きさの箱となっています。日本では縦置きにして保管する人も多いと思うので、アンカーは装着せずに、いつでもたためる様にして遊んだ方が良いと思います。

マストフォローのキープルビッド

keyflower-06.jpg四季に及ぶタイルの競り各ラウンドには、プレイ人数に応じたタイルが登場します。これに、手番のプレイヤーが手持ちのキープルをビッドしていくわけです。この時(駒の色ではプレイヤーの判別が不可能なので)、タイルのある一辺を自分の辺と決め、そこに駒を置いてビッドをします。他のプレイヤーは、そのタイルにはそれを上回るビッドをせねばならず、同じ色の駒を使用しなければなりません。

また、手番では、オークションにビッドするだけでなく、タイルの上に駒を置いてアクションを行うこともできます。オークション中のタイルの効果も使用することができます。使用するには、そのタイルに1〜3個のキープルを置くのですが、これも勿論、色はマストフォローです。オークション中に利用された駒にのっている駒は落札者の物となるので、アクションが利用された駒のビッドにはキープルが飛び交います。ビッドに使用されたキープルは、ストックに戻ってしまいますので、駒の確保がゲームのキーになります。

keyflower-07.jpg問答無用の緑キープル一方、オークションに敗れた駒は、別の場所に移動させることができます。しかし、これらの駒は一度置いたら一蓮托生。さらに駒を足して増強することはできますが、分割することは許されていません。どうでも良いタイルに大量のビッドを移動させなくてはならないような展開が発生するため、非常に厳しいシステムです。

ゲームには基本3色以外に緑のキープルが登場します。これを手に入れるにはタイルのアクションを利用する必要がありますが、その分効果は絶大。マストフォローを逆手にとって、下手をすると緑駒1つでタイルが落札できる強者です。

オークションで敗れた駒が弾き出されて別の場所へ移動するというシステムは「ランカスター」というゲームが記憶に新しいですね。


新たな人手は、船に乗ってやってくる

keyflower-04.jpg「船の三人称はShe」それはSeaからキテル(嘘ラウンドの最後には、船に乗せられた駒とアイテムを、各自が1艘ずつ選んで取っていきます。取る順番は、手番順を決めるタイルの落札状況によって決定します(手番順を決めるタイルが絶えずラウンドに登場する)

アクションを行うのにもタイルにビッドするにも、キープルは必須です。より多くの駒を手に入れるため、手番順のタイルを落札することも非常に重要な1手となります。

ちなみに、アイテムのタイルは資源を産出したりするアクションを実行するのに必要であったり、色々と役立ちます。

手番順を競りで決めるゲームは多々あれど、殆ど機能していないゲームが殆ど。しかしこのゲームの手番順はワーカーの獲得に繋がるので軽視不可能…非常に優れていますね。

タイルのアクションを利用するコストは、1(最低)→2→3(最大)と次第に増えていきます。いきなり3つを乗せて利用し、そのラウンド中にそれ以上アクションを行えないようにすることも可能です!


村を拡大。そして輸送。

keyflower-08.jpg赤のキープルを1つ配置して資源を産出。このラウンド中、このタイルには赤しか乗せられない。落札したタイルは、地形が繋がる様に自分の村に追加していきます。地形の中で、一番重要なのは「道」です。なぜなら、タイルのアクションで産出した資源は、道を利用して輸送しなければならないからです。同じくタイルのアクションで実行可能となる「資源の輸送」を利用して、資源を必要な場所まで運ばなくてはなりません。

なぜ資源を運ぶのかというと、「資源をそのタイルに乗せておく事により勝利点を与えるタイル」に対応するためや、「資源を利用してタイルのアップグレードを行う」ためです。特に後者のアップグレードは重要で、効率的なアクションを可能にしつつ勝利点も増やすという、ゲームの勝利には欠かせない要素となっています。

keyflower-09.jpg馬車の数字分だけ資源を輸送可能なスタートタイル。アップグレードすると輸送力は2になる。タイルの表には、アップグレードに必要な資源とアップグレード後の効果が書いてあります。他人の村のタイルを利用して資源を手に入れた時は、最初から持っているスタートタイルに湧きます。スタート地点に湧いた資源には、目的のタイルまで遥かな道のりが予測されるので、出来れば自分の村で資源を生み出したいところです。キープルも戻ってきますし。

こうして村を発達させ、資源を生み、タイルをアップグレードしたり、勝利点を生み出すのに必要な資源を集めたりして勝利を目指すわけです。最後の季節(冬)には、「手持ちのキープル5つにつき1勝利点」などのタイルが登場したり、「川の距離が長い程得点」などの条件が取り入れられるようになり、それぞれ自分で特化させた方向から勝利点の獲得を目指す事になります。

タイルアクションの実行は、他人の村のものでも実行可能です。ただし、他人の村のタイルに乗せたキープルは、ラウンドの終了時に他人の物となってしまうので、むやみな利用は控えなくてはなりません。

写真を撮り忘れる程面白かった!

keyflower-02.jpgこれはスタートプレイヤーマーカー。イエイkeyflower-01.jpg毎ラウンド追加でキープルを2つランダムに貰えるタイルでキープル得点勝ちを目指す。ジャムタン会にて4人プレイ。インストを担当してシステムを知り尽くしていた自分は、最初に配られた冬タイルの中身を見てキープル駒増やしの戦略を選択。

追加でキープルが貰えるボートを落札し、村に装着する。そして、緑キープルを密かに集めてキープル増やしにクリティカルなタイルを落札していく戦略。

無事に戦略が実り、勝利。しかし、面白さのあまりに最終形態写真を撮るのを忘れてしまうミス。

各プレイヤーの評判も良く、スピーディにゲームは終了しました。

COQ:75 かろく:62 ふうか:43 侍:40


プレイ時間:70分(4人)

2012/10/21

オススメ度:★★★★★★★★★

ミープルの色を使った縛りがとても面白いです。コンポーネントもミープル大量で満足。去年バヌアツでシビレた感覚が再び訪れました。プレイ時間も適度で、とても満足の作品です。6人までできるというのもお得ですね。

面白さの元は色のマストフォローを競りとアクションに連動させたところと、アクションに使用した駒をタイルの持ち主が獲得できるという点だと思います。この二つが絶妙に絡み合って、ゲームを深くしています。マストフォローでシビレるのは当然ですが、アクションに使用する駒は同色でなければならないというルールのお陰で、同色キープルを手元にわんさか集めることも可能で、それを使っていつ勝負に出るか、悩ましいです。

特に夏のタイルにユニークな物が多く、初ゲームでは1つ1つ説明しないと出来ないのが難点ですが、数回遊べば問題無く各自が戦略を立てられるでしょう。欲を言えば、各ラウンドに登場するタイルの枚数があと1〜2枚少ない方がゲームが締まると思いましたが、そうすると胃潰瘍になるかも。あとは、同人ゲームのようなノリの説明書ですが、これはこれで好きかな。

高評価にしたので、自分の好みを記しておきます。システマチックな競りゲーは大好きです。秘密裏にビッドする競りゲーは嫌いです。参考まで。

最後に2つ注意です。1つは、キープル達が乗ってくる船のタイルを季節ごとに裏返すのを忘れないこと。もう1つは、公開されている和訳ルールにある幾つかの間違いと抜けに注意することです。ゲームには英文と独文のルールが付属していますので、こちらを利用するか、和訳付きのゲームを購入することをオススメします。







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