Ninjato.jpg 25-Jan-2012 ボードゲーム レビュー


忍者刀

作者:Dan Schnake and Adam West
2〜4人用
対象年齢:12歳以上

おのれ、おのれ忍者隊っ!
                          〜科学忍者隊ガッチャマンより〜

2011年の発表作「忍者刀」です。
12世紀の日本を舞台としたゲームで、プレイヤーは忍者の頭領となります。
手下の忍者を屋敷へ忍び込ませ、宝物を盗んで、支持する氏族に貢献します。

日本をテーマにした作品というと、勘違いを期待してしまいますが、
アートワークといい、かなり研究している印象です。
わずかに、笑いどころはありますが。

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手番はアクション選択制。
ボード上に記されたアクションを、掌サイズの手裏剣駒で選択していきます。
時計回りに1度ずつ、計3つのアクションを選択して解決したら、ラウンド終了。
立派な手裏剣駒にサービス精神を感じます。

全7ラウンド中、3回の決算があります。

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ゲームの基本は、「道場」で手に入る道場カード。
このカードを手札とし、屋敷への侵入や、忍術の体得を行います。

1〜5までの数字があり、3は特別な能力を持っています。
(他の数字を±1できる)

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忍術を体得するには、師範の元へ。
キャプションには「Sensei」と記されています。

カードの代わりとなったり、財宝をすり替えたりという、終盤不可欠な能力が備わります。
手札だけで終盤を乗り切るのは厳しいのです。

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各屋敷には、それを支配している氏族の紋章と、財宝が置かれています。
屋敷中央には、屋敷を守る番兵がいます。
番兵は個有の数字を持っており、それを見て「忍び込む」か、「戦う」かを決定します。
忍び込むなら小さい数字を、戦うなら大きな数字を手札から出す必要があります。
勝てば、財宝を1つ懐に入れられます。

その後、さらにチャレンジするかどうかを決定し、番兵のカードをめくります。
この時、”万歳”と叫ぶというルールがポイント、意味不明です(笑。

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番兵には、普通のものの他に、警戒状態の番兵と達人がいます。
財宝を全て奪うことに成功すると、屋敷の支配者を変更することができるのですが、
警戒状態の番兵がめくられると、達人が現れます。

手札と相談し、次のカードがどのようなカードでも勝てる体制であれば”万歳”です。
中には、「Keibiin」という謎のキャラも。

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こうして手に入れた財宝は、肩入れする氏族に貢ぎます。
3種類の氏族カードが要求する財宝を支払い、人物カードを獲得していきます。
支払った財宝は、その分だけ勝利点を与えます。

集めた人物カードにより、各決算で報償を貰うことが出来ます。

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さらに、財宝は風説カードを獲得することにも使用されます。
風説カードは、ゲーム終了時の得点計算に用いるカード。
倒した達人1枚につき、X点などというカードです。
自分の戦略に合ったカードを獲得していくことが必要。

こうして、7ラウンドを行い、最終的に勝利点を最も獲得したプレイヤーが勝利します。


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TBGLゲーム会にて、JOSSさん、Kunさんの3人で。
COQは赤手裏剣。

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セットアップはこんな感じ。
結構テーブルの広さが必要。
カード裏面のデザイン等も良く、好印象。

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とりあえず先生のところで忍術を習う。

昔、雑誌の付録に付いてた「はっとり君忍法帳」に、
新幹線より早く走るためには首に巻いたタオルを地面に着けないように走り、
日に日にその長さを長くしていけば良いと書いてあった。
無理でしょ。

血のにじむような修行の末に手に入れた、
”せいしんてき(ハーモニー)”という忍術が、なんなのかは不明。
忍び込みと暴力を切り替える忍術のようだが…、居直り強盗ハーモニー。
この手のシュールさも、むしろ好印象。

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忍術はプレイ人数分が毎回表向けられるので、1人1つは習える計算。
しかしKunさんは、いきなり屋敷に押し入る強盗プレイ。
冬の日本家屋に、万歳の声が響く。

いきなり警戒状態の門番登場のため、赤い宝が登場した。
アレを狙う時には手練が現れる予定。

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Kunさんが取りこぼした忍術を回収し、それを利用してお宝をかすめ取る第一ラウンド。
お宝を狙う算段は、氏族のカードに必要なものを優先しながら決めた。

忍術は、同じ流派(3種類)のものであれば、コスト不要となる。
とりあえずCOQは、鶴流忍術免許皆伝。

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その忍術の1つ、ハーモニー。
忍び込みと攻撃を切り替えられる。
そこで、手札には両極端の1と5を集めた。

とりあえず忍び込み、1で勝てない相手がでたら、突如として居直り強盗へと変貌する計画。
システムを理解すると、それぞれのアクションの繋がり具合も把握できてくる。
すると、途端に1ラウンド3回のアクションを少なく感じてきた。

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予定通りに忍術を駆使し、財宝もザクザク。

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これを利用し、氏族のカードを手に入れる。
ゲーム中3回ある決算では、各氏族カード保有者1位2位に報酬が与えられる。
氏族カードを失うことは無いので、多少無理してでも序盤に手に入れた方がお得。

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そして決算。
他の二人は、あまり氏族カードに注力していなかったので、
風説のカードを2枚手に入れることができた。

風説カードを手に入れ始めると、戦略の方向性が見えてくる。
ゲームの流れに乗ったことを感じる瞬間。

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3ラウンド終了時の様子。
氏族カードへの投資を無駄無く行えたせいか、点数もCOQがトップ。
しかし、強盗プレイの武闘派Kunさんが手元に色々と蓄えているのが気になる。

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中盤までは、隙さえあれば忍術を習い、終盤に備える。
お陰で変装の術を含む5種類の忍術を使える上忍となった。

突如手練が現れても、持ち前の豊富な忍術で解決できます。…と面接でも言えるくらいの充実ぶり。
お気に入りの氏族、青/緑を伸ばしつつ、周りを伺う。

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変装の術は、好きな氏族カードを+1枚持っていることに出来る能力。
お陰で青/緑の氏族では敵なしとなり、風説カードを順調に獲得。

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終盤、COQに追い風。
氏族のカードに青と緑が殆ど無い。

殆ど、青/緑の氏族は独占したも同然の展開となってきた。
豊富な忍術を背景に、序盤苦労した門番との戦闘もお手の物に。
手札と忍術に相談し、出来るだけ沢山の財宝を持ち帰るまでのプロセスが案外楽しい。

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そして、延びる氏族との絆。
手練の死体も2枚持ち帰り、最終手番まで後少し。

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ゲーム終了間際では、風説カードが大人気。
海岸に流れ着くヒトデのように置かれた手裏剣の側から、風説カードが消える事態。

強盗プレイで手に入れた財宝を無駄無く使って得点を獲得していくKunさんに、
少し離された点数を詰められるか。

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そしてゲーム終了。
風説カードのコンボで最後に大量得点を獲得したCOQが、Kunさんを差しきって勝利。
序盤から最後の得点計算に賭けた甲斐がありました。

COQ:104 Kun:100 JOSS:67

プレイ時間:70分

オススメ度:★★★★★★★★☆☆

よくある勘違い日本感を楽しむゲームかと思ったら、普通に面白いゲームでした。プレイ間は、ストーンエイジに似ていると思います。財宝を手に入れ、それを組み合わせてカードを獲得し、獲得するのに用いた財宝が点数になるという展開が。ストーンエイジはお気に入りのゲームのうちの1つですが、これも悪くない。

ストーンエイジはダイスで資源を獲得します。こちらは門番を倒して財宝を獲得します。その分、忍者刀では、獲得という行為に対して戦略的な要素が強くなっていますね。

反面、ワーカープレイスメント的な要素は排除されています。早い者勝ち的なところはあるのですが、誰かの手裏剣の上にも自分の手裏剣を重ねて同じアクションを選択することができるのです。制約が少ないのですね。そのせいか、盤面を駆け巡ったような爽快感をもってゲームを楽しむことが出来たような気がします。個人的には、アクションに人数制限を設けた胃痛版の忍者刀もプレイしてみたい気もします。

無意味なルールのように感じるかもしれませんが、屋敷を襲撃する時に”万歳”と叫ぶ決まり等も、アナログゲームに必要な盛り上がりだと思います。その辺りもキチンとおさえていて良いですね。

テーマとアクションの絡みも良く、一貫性と矛盾の無さがゲームを巧く纏めていると思います。ストーンエイジは運の要素が強過ぎるという方も、このゲームなら楽しめるかもしれませんね。良く出来たゲームでした。

結構売れたみたいで、現在はメーカー欠品リプリント待ちの状態です。
アートワークは抜群、一緒にプレイしたメンバーの評判も上々でしたよ。