Nurnberg.jpg01-Mar-2011 ボードゲーム レビュー


ニュルンベルグ

作者:Andreas Steding
2〜5人用
対象年齢:12歳以上

ニュルンベルグの岩山は、
        想像以上に混沌としている

ホワイトゴブリン社の「ニュルンベルク」の紹介です。
このゲームも2010年のエッセン出口調査で投票数こそ規定に満たなかったものの、評価は7 wondersを抑えていたゲームです。

プレイヤーは、交易と職人の町として栄えたニュルンベルクの支配を目指します。町にはギルドが存在し、職人達が働いています。これらギルドからの支持を得て、職人と町人の忠誠を最も沢山集めたプレイヤーが町を支配し、勝利します。ゲームは4ラウンドに渡って行われます。

ギルドには6つの種類があります。各ギルドでは、ビールから帽子まで、それぞれ特有の商品を生産しています。ギルドはプレイヤー人数に応じて3~6つをゲームに使用します。

ギルドは商品が異なるだけで、基本的に様式は一緒です。一番下には商品が並んでおり、その上には4つの職人スペースと紋章置き場、さらにその上には食客が並ぶスペースがあり、屋上には仲買人駒(プレイヤー駒)を置くスペースがあります。

町の人にはそれぞれのギルドに所属する職人と食客と呼ばれる町人が居ます。職人いは2~7までの価値がついており、勝利点の計算やギルド商品の値段等に影響します。各ギルド11枚の職人タイルのうち5枚をランダムに職人スペースに並べ、残りは食客として町人と一緒に混ぜてしまいます。

4つの職人スペースに並べられた職人は(4番目には2枚の職人タイルを重ねて置くため、合計5枚)、それぞれのラウンドのギルドマスターとなります。ギルドマスターとなった職人タイルに記された価値がそのラウンドでの商品の値段となるわけです。

商品の値段は、売るのも買うのも同じ値段。ただし、商品を売る場合は該当するギルドでしか売却できません。購入の場合は、どの商品でも、置かれているギルドの値段で購入する事になります。また、商品の購入数には制限があり、最大3つ、ギルドに集中したプレイヤー次第で最低1つの購入権利が発生します。

売却が当該のギルドでしか行えないのに、なぜ各ギルドに対応しない商品が置かれるの?と思うかもしれません。実は、上部に並べられた食客を雇い入れる(タイルを獲得する)には、各食客スペースに示されたコストを支払う必要があります。このコストを払う場合のみ、当該の商品以外が倉庫に並ぶ可能性を秘めているのです。コストは左へ行くに従って安くなります。各ラウンドの終了時、食客タイルは左詰めされ、新たなタイルが並べられます。段々リーズナブルな値段になるというわけです。

食客には色々な能力を持つ者が含まれます。それは例えば、ゲーム終了時に勝利点を与える者や、ラウンド間に貰えるお金を増やすもの、他人の商品を盗むものなど様々。自分のプレイスタイルに合わせて雇っていきます。

ゲームに勝利するには、各ギルドの支持を得て勝利点を集める訳ですが、支持を集めるにはどうしたら良いかとというと、ラウンド終了時にそのギルドの商品を最も沢山持っているプレイヤーがそのギルドの支持を得ることになります。支持を得たプレイヤーは、そのギルドの紋章とギルドマスターを貰います。この紋章が支持の証。ゲーム終了時、この紋章の種類や職人の数、お金などによって勝利点が分配されるのです。

紋章には、各ギルドの紋章(最大6種類)と高級紋章があります。高級紋章は買うラウンド1枚ずつ登場し、最も価値の高いギルドマスターのいるギルドに付加されます。高級紋章のあるギルドの支持は超お得なのです。

プレイヤーは手番で、仲買人駒の数だけアクションができます。仲買人駒の初期数は4つ。特殊能力を持つ職人/町人タイルを獲得する事により、駒を最大8つにまで増やす事が出来ます。

アクションの選択の仕方は各ギルドを示すアクションカード。これを各自ギルド数分もち、アクションを行いたいギルドのカードを裏向きに出して一斉にオープン。一度に全ての駒を使い切っても良いし、小出しにしていってもかまいません。全ての駒を使用したプレイヤーは次のラウンドの始まりまでお休みです。

アクションを行った後の駒は、それぞれのギルドの屋根の上に乗せます。人気のあるギルドは一目瞭然です。屋根が抜けるかと思うくらいに仲買人が集まるからです。

各ギルドでアクションを行う順番は、手番順マーカーに従います。手番順マーカーは、食客を雇った時に変動します。たった今、食客を雇ったプレイヤーが1番となり、それ以外のプレイヤーは2番以降にスライドします。また、食客を雇うと、その時点で屋根に乗っている仲買人の分だけお金も貰えます。

このゲームは基本的にはバッティングゲームだと思います。なぜかというと、手番ごとに、ギルドにプレイヤーが集中した場合、プレイ順は手番順マーカーの制約を受け、商品の購入はプレイヤー人数に反比例するからです。また、大きな意味でもどのギルドの商品を集めるか、他人とのバッティングを避けるのがゲームのコツです。

ルールは複雑ですが、慣れればそれ程難解でもありません。
商品駒は全て木製で、非常に凝ったコンポーネントです。

ギルドをうまく従えて、ニュルンベルクの支配者となるのは誰でしょうか!



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箱の中にはコンポーネントが盛り沢山。
ホワイトゴブリン社の紙質は、他社と少し違う気がする。



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5人プレイ時の様子。
6つのギルドが並ぶ。駒は総木製、結構でかい。



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ゲーム開始の持ち物。
お金は非公開情報、金庫タイルの後ろに隠してる。
三日月みたいなマーカーはパスマーカー。



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仲買人駒が並ぶギルドの屋根。
仲買人駒も大人の親指くらいある、でかい…



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職人タイルは淵が石で囲われている。
このタイルの価値は4。
オスカー像のようなマークは、このタイルを
獲得すると、仲買人駒が増える事を意味する。
人気タイル。


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埼玉ボードゲームサークルにてMりさん、Mぎさん、あしかさん、ほーまるさんと5人プレイ。
自分は青色

Mぎさんは「ニュルンベルグ」の何っていうゲームなのかをしきりに気にしていた。
確かに、「ニュルンベルクの始発列車」みたいに副題がついていそう。

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スタート時のギルドの様子。
ギルドには左上から右下に向かって番号が着けられている。

①ビール:上左
②パン:上中
③靴:上右
④書物:下左
⑤布:下中
⑥帽子:下右

開始時の各ギルドの価値は番号順に4/6/5/3/5/3
職人の価値は2〜7なので、6はかなり高い方。この状態で商品を買うのは自殺行為と言える。
ゲームのポイントは、相場感。
職人の情報は全てオープンなので、未来のラウンドの相場はわかっている。
お金を増やす方法の一つに、安く買って未来に高く売るという方法があるわけだ。

靴と布のギルドマスターには仲買人駒のマークが入っている。
このラウンドでこれらのギルドの支持を受ければ、自動的に仲買人駒が増える訳だ。
そして、このラウンドの高級紋章はパン屋に決定(最も高い価値のギルド)。

そんな中、COQの初手は…
靴屋か布屋の支持を受けて駒を増やしたい!

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まずは、最初に配られる商品全種類1つずつの中から、パンを売ってお金を稼ぐ。
ゲーム開始時には25金が配られるのだが、商品の値段は靴も布も5金。
すぐにお金は無くなってしまうと思い、パンを換金。
靴よりも高いパン。3年先まで予約が入っているという噂の例のパンか。

パン屋には高級紋章があるので痛い選択だが、このゲームはバッティングゲーム。
如何にしてわかりにくい得点方法で得点を稼ぐか、皆が目指すところに集中してはいけない。
日陰で生きる事が勝つための戦略。

きっとこのゲームの副題は「ニュルンベルグのダンゴムシ」だ。

冗談はさておき、一時パン屋で他のプレイヤーの動向を伺う。
靴屋と帽子屋のどちらにするのか…

というわけで、アクションカードは1枚ずつ出す事にする。
他の人も1枚ずつがメインだから、一気に出せばそれだけバッティングの可能性は減るのだけれど。

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しかし、1手番終わっても、誰も帽子屋と布屋に寄り付かないので、未来のための財テクに手を染める。
帽子屋の相場は3。だが、2ラウンドの相場は6。これは素晴らしい。金の卵。買うべし。

と思ったら、4人がバッティング。
4〜5人が同じギルドにバッティングした場合には各自1つしか商品を購入できない。
だからダンゴムシのように生きなくてはいけないのに!

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そして、1ラウンド終了。
予定通り靴屋の支持を得て、靴の紋章とギルドマスターだった職人タイルを頂く。
この職人は仲買人駒を増やす効果があるので次回から5つの仲買人駒を使用できる。

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そして第2ラウンド開始。
今度は布屋が「2」と恐ろしく安い。
次は布の紋章を手に入れるべく布屋に走るCOQ。
しかし、布はこの先もあまり値段が上がらないので、紋章を獲得した後の布の処理に迷う。
まぁ、食客を雇うのに使用すれば良いか。

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しかし、考える事は皆同じ。
バッティングゲームだと何度言い聞かせても3歩あるくと忘れるCOQ。
このゲームは「ニュルンベルグのにわとり」かもしれない。

布屋の屋根に集中する仲買人駒。
仲買人駒が集中すると、食客を雇った時に貰えるお金も増えるので、集中的に食客もいなくなっていく。

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そして、2ラウンド終了。
なんとか、布屋の支持を得て、布紋章を手中に収める。
しかし手元に布はだぶつき気味。
布はこの先、3ラウンドは「2」、4ラウンドは「4」というショボショボな価格だが、こんな価格では売却したくない。

お金は商品を手に入れるほぼ唯一の手段。
お金が無くては手番が詰んでしまう危険すらある。
次のラウンドで何かしらの紋章を狙おうと思ったら、金をうならせて商品を購入するしか無いのだ。

そこで・・・
布屋のとなり、書物屋の食客に目をやると…
左から2番目の町人に注目。これは、2枚の職人タイルの位置を交換するという能力。
ただし、ギルドマスターになってしまってからは交換できない。
あいつを雇用し、最後のラウンドでギルドマスターになる予定の「4」の職人を「7」に変更してしまおう!
そして始まる、壮大な計画。

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計画は…「4」と比較的安いビールを購入し、それをコストとして支払って食客雇用。
一気に決めるべく、一度に二枚のアクションカードを出す。

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計画はあっさりと成功し、見事に第4ラウンドに我が家の布はシルクに変身する。
これを売ったお金で商品を買いあさって、まだ獲得していない紋章の獲得を目指したい。

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そして、最終ラウンド。
これまで獲得した紋章は2種類。
紋章による得点は、種類が増えるに従って指数関数的に伸びていく。
なんとしてもこのラウンドであと2種類は獲得したいところだが、商品があまりない。
ここは、書物屋に置かれた高級紋章を狙って1カ所で2種類の紋章を取りにいくか。
書物は「7」と最高に高いし、これを購入できるのはシルク王のCOQくらいのもののはず。
向こうに見える黄色のMりさんが保有している書物の個数に気を配りながら、慎重に活動を始める。

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まずは、予定通り布で錬金術。
ゲーム中こんなにお金があるのは初めて。

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そして、書物屋で書物の購入を画策。
小銭を稼ぐため、パン屋に売っている布を買い求めにパン屋にも足を伸ばす。

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ミッションコンプリート。
無事にMりさんを上回る書物を獲得。これで、書物屋の2つの紋章獲得は揺るぎない。
あとは、残った商品を投じて、最終得点で有利な「職人2人あたり勝利点1点」などの食客を雇いまくって天命を待つのみ!

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そして、ゲーム終了。
紋章は4種類、職人7人と町人2人を獲得。
各職人は価値の合計で上位3名のプレイヤーに勝利点を与える。
なので、同じ職人を集中して獲得したほうが得だが、全種類揃えるとボーナスもある。

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そして、得点計算。
げっ! 全然負けてる。

Mぎ:26、ほーまる:26、Mり:24、COQ:19、あしか:17

Mぎさんとほーまるさんは同点だが、職人の数の差でMぎさんの勝利。

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勝者の図。
確かに、職人の数も紋章の数も多い。

2つの作戦を無事成功させられたので満足の展開だけど、こんなに差が開いているとは。
プレイ時間120分

オススメ度:★★★★★★★☆☆☆

ゲームシステムはそれほど複雑ではないのですが、得点のシステムが複雑なゲームです。
紋章や職人の種類や、職人の価値、町人タイルの能力など様々な得点パターンがあり、ゲーム中何度も確認するほどです。

これに、ゲームシステムの主軸がバッティングなこともあって、戦略は中々思い通りにいかず、ぐちゃぐちゃの展開になることが多そうです。

それを象徴する、勝利したMギさんの一言。

「なんで勝ったかよくわからない。」

私は下手だから負けたのだと思いますが、1手1手に面白味を感じるには、もう少し慣れが必要そうです。その証拠に、この紹介を書きながら全体の流れを思い直すと、結構面白いゲームなのかなと感じ始めています。

5人までプレイできるゲームですが、プレイ人数が増える程に混沌の展開が予想されるので、3人程度でプレイするのがちょうどいいのかもしれませんね。

昨今は次々にゲームが発売され、初回に面白さが伝わって来ないゲームは敬遠されがちかもしれませんが、機会があったら触ってみて下さい。

国内でも国外でも、結構値段が高いのがネックですけどね。