Patrizier.jpg17-Feb-2011 ボードゲーム レビュー


パトリツィア

作者:Michael Schacht
2〜5人用
対象年齢:10歳以上

高い塔は権力の象徴だった。
 いつの時代もやることは変わらないね。

シャハト作の「パトリツィア」の紹介です。
イタリア全土に渡って貴族の権力の象徴たる塔を建て、その貢献度によって勝利点を得るゲームです。

手札3枚と塔の階層駒を規定数分受け取ってゲームスタート。

ゲームボードには10カ所の都市が描かれており、それぞれに2カ所の塔建築予定地があります。

各手番では、この都市の中から一つを選択して塔を建設していきます。各都市に置ける最大の駒数はあらかじめ決まっています。

都市の選択は、手札のカードで行います。
カードに描かれている紋章がそれぞれの都市を表しており、紋章の数(最大2)だけ駒を置くことができます。
この時、2カ所の塔建設予定地のどちらに置いてもかまいません。好きな方に建設する事ができます。ただし、各都市最後の駒が置かれた時に、2カ所のどちらにも最低1つは駒が無いといけません。

使用した手札は、自分の前に並べておきます。手札の補充は塔の建設を行った都市に表向けられたカードから。その後、山札から都市に補充されます。
つまり、補充するカードを考慮しながら建設できるわけですね。

各都市で塔の建設が終了したら、名誉点の分配です。各都市には大小1つずつの名誉点マーカーが置かれています。高い方の塔を支配したプレイヤーと低い方の塔を支配したプレイヤーにそれぞれ配られます(駒を置ける最大数は全ての都市で奇数なので、必ず差がつきます)。ちなみに、各都市に置ける駒の最大数は勝利点マーカー大と同じ数字なので判り易いです。

塔を支配するとは、まずは単純にその塔の建設に使用されている駒の多いほうが支配者となります。同数の場合はより上の階層に駒を置いているプレイヤーが支配者となります。各塔について勝利点を貰えるプレイヤーは1人のみ。シビアな戦いです。

カードには紋章の他に「駒」、「?」、「貴族」が描かれているものがあります。これらは以下のような特殊能力を表します。

「駒」・・・今建設した所以外の街で、駒を1つ動かせる。
「?」・・・好きな都市からカードを補充できる。
「貴族」・・・同じ貴族を3人集めると終了時6名誉点。3種ある。

カードは使用した後に自分の前に並べておくので、ゲーム終了時に貴族の数を数えられるようになっています。

名誉点の分配は各都市の塔完成時に行い、以後は完全に不可侵となります。
全ての都市の名誉点の分配が終了したら(同時にカードも無くなります)ゲーム終了。

得点を集計し、最も名誉点を集めたプレイヤーが勝利します。



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内容物
これでもかってくらいに塔駒が付属しています。
プレイ人数が少ないと使用する駒も増えるので特定の色は沢山付属。


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貴族でパトロンな人達
左から、革命児/ヤドカリ/おねいさん


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中央の街に建てられた2つの塔の支配者はいずれも白

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自宅にてカジ(青)、ナカ(黒)、ヒロシ(白)と4人プレイ。自分は(赤)。

カジ「なんだか素敵な箱ですね。」

このゲームは外箱も含めて凄く洗練されたデザイン。
ゲーム会で出会い一目惚れしたものの、既に絶版。
ドイツで投げ売りされていたものをなんとか手に入れたのでした。

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それはそうと、ゲームスタート。
バックに写っている背景がやや散らかっているのはご容赦。
あんまり汚いと建てた塔がシメジに見えてくる。

まずは3枚ずつの手札が配られる。
この段階では誰がどのカードを持っているか判らないので、プレイは手探り状態。

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とりあえず、手札の中からローマ(赤の街)を出す。
すると、ローマに表向けられていたフェッラーラ(緑の街)のカードが手に入るという寸法。
この時点では、革命児の首を集めるつもりはあんまりない。

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2巡しての手札。
フェッラーラに塔を合計3つ建てられる。
ここには既にナカが駒を一つ置いており、大きい方の得点マーカーが5点なので、残りの駒の数は4ということになる。
つまりは、この街の塔はほぼCOQの手中にあるわけだ。
しかも、塔の支配の法則によれば、もう1つの駒をどこに置かれようと3つの駒で両方の塔を支配することが出来る事になる。
問題は、それを待っていると手札の自由が利かなくなる事だが・・・

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そうこうしているうちに、パルマ(黄色の街)に置かれていた最後のフェッラーラのカードが貰われていった。
これは、意地でもフェッラーラの進展を待たざるを得ない展開。
誰かが駒を置いた瞬間の気持ちよさを信じてじっと待つ。

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フェッラーラの確変状態を待つ間、ミラノ(茶色の街)を物色する。
運良く駒を2つ置けるカードが2枚連続で手に入った。
しかし、やはり手札が3枚しか無い中で2枚固定というのはイタイ。
みんな自由にプレイしているように見えるが、COQは1人、大リーグ養成ギプスを装着しながらのプレイが続く。
でもこれでミラノの7個の駒のうち5個を手に入れたことになる。
それぞれの塔に1つずつ駒をのせれば両方の支配者になれる。

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すると、ついにフェッラーラの禁が破られる。
あとは大リーグボール1号&2号を投げるのみ。
(消えるのは3号だっけ?)
こりゃ大分有利じゃない?楽勝?

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と思っていたら、刺客は突然やってきた。

カジ「この瓦みたいなカードって駒を一つ動かせるんですよね?」
COQ「そう。今建設した所以外で自分の駒がある街なら一つ動かせるよ」
カジ「じゃあ、COQさんが勝ちそうなミラノにします。」
COQ「(!)」

恐ろしい。駒を動かされさえしなければ、残りの駒をどちらに置かれても支配者決定だったものを。
ゲームも中盤から終盤にさしかかっており、当初のような自由な雰囲気は殆ど無くなっている。
むしろ、皆自分の狙いの街にどのように駒を置くか、目を血走らせている。
その街の全ての駒を置くまでは得点の分配が発生しないので、駒の移動によって逆転があるのだ。
これぞこのゲームの真骨頂。

フフ、このジレンマ、この詰め将棋感こそパトリツィアよ。ってとこでしょうか。古い?
口に出すと、また馬鹿にされるのでぐっと飲み込む。

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ミラノ必勝の方程式は駒の移動によってあっさり破られる。
低い方の塔にカジが駒を置けば、同数&上にある方のルールでカジが支配者となってしまう。

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まぁ、しょうがない。
なぜこんなに諦めが早いのかと言えば、パルマの残りのカードを手中に納め、こちらもフェッラーラと同じ展開だから。
各自が手に入れるであろう点数を合計してみると、この2つの街の得点を独占できるCOQの勝利はかなり濃厚。

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そして、やはりミラノに駒が置かれる・・・ ってナカ駒?

COQ「なんだよカジ、ミラノ持ってなかったの?」
カジ「そうですよ、邪魔しただけです」

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カジのアシストもあり、ここからナカ(黒)が怒濤の追い上げを見せる。

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ミラノに続き、ローマでもCOQを見事に抑えて両方の塔を獲得。
だが、計算上はそれでもCOQの得点の方が高いはず!

塔ちゃん、やったよ!!

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そしてゲーム終了。
革命児とおねいさんの首が3つずつ揃い、合計12点を加算。

COQ「42点!」
ヒロシ「31点です。」
カジ「25点・・・」

うむうむ。
ナカ「やった!43点!」

マジ!?

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なんと、ナカはパトロンを3組揃え、18点の加算。
わらわらと群がるヤドカリ貴族。
この加算でギリギリ追い越されたのでした。

くやしい!
しかし、よく集めたなぁ。
プレイ時間40分。満足!

オススメ度:★★★★★★★★★☆

シンプルなルールに奥深い展開。
まさに、ドイツゲームの模範とも言えるゲームです。
しかも、コンポーネントのデザインがとても綺麗で所有欲を刺激します。

序盤はかなりの自由度の中でゲームがスタートしますが、
次第にアブストラクト的になっていく展開が凄く楽しい。
しかし、終盤の詰め将棋のような展開でも、息苦しくなく楽しめます。
なぜかと言えば、基本的に手詰まりはないから。
自分の手番では必ずどこかに駒を置く事が出来ることがプレイ感を軽くしています。

初心者の方にも、上級者の方にも是非楽しんで頂きたい逸品ですが、
残念ながら絶版となってしまいました。

しかし!今ならドイツの通販ショップで8ユーロで投げ売りされています。
あまりの安さに、管理人はつい2つ購入してしまいました。(ブログ参照)

あとは、たまにヤフオクに出品もされているようです。
興味のある方は、手に入るうちに!!