ScriptsandScribes.jpg30-May-2011 ボードゲーム レビュー


写本と修道士(ビブリオス)

作者:Steve Finn
2〜4人用
対象年齢:12歳以上

どうだい俺の写本室はイカしてるだろ?

「写本と修道士(ビブリオス)」の紹介です。

このゲームはアメリカの個人メーカーが発売していたもので、その面白さが反響を呼び、晴れてメーカーから販売されました。私の所有しているものは旧版のほうで、ビデオテープのパッケージに収まっているのが印象的な作品です。

コンポーネントは小さなメインボードとリソースカード、それとサイコロが5つです。
新版のサイコロはカラフルですが、旧版のサイコロは黒1色で硬派な印象。

ゲームの目的は、誰にも負けないイカした写本室をつくること。そのために、修道士や巻物等のリソースを集めます。リソースは5種類あり、それぞれについて最も沢山のリソースを集めたプレイヤーが勝利点を獲得します。最多勝利点のプレイヤーがゲームに勝利します。

リソースカードには写本室に必要な5種類のリソースの他に、お金カードとリソースの価値を決める大司教カードが含まれています。

また、テーブル中央には勝利点を示すメインボードが置かれ、5つ置かれたサイコロの目がそれぞれのリソースの勝利点を示しています。サイコロの目の初期値は全て「3」ですが、大司教カードを利用する事により好きなサイコロの目を上下することができます。

大司教カードには「1」と「2」が存在し、2の場合は一つのサイコロの目を2つ動かすのではなく、2つのサイコロの目を1つずつ動かします。間違え易いので注意が必要です。

さて、ゲームは2つのフェイズで行われます。

寄進フェイズでは、手番のプレイヤーが山札から1枚ずつカードをめくり、そのカードの処遇を決定します。カードの処遇は以下の3つ。
1.自分の手札にする。
2.裏向きのまま場に出し、競りフェイズの対象とする。
3.表向きのまま場に出し、手番終了後に他のプレイヤーの手札とする。

めくる枚数はプレイヤー人数+1枚。
1.と2.は手番中に1度ずつ実行するルールなので、3.は自分以外のプレイヤーに1枚ずつ行き渡る計算に。

全ての山札が無くなったら、競りフェイズに移行します。
競りフェイズでは、寄進フェイズの2.で裏向きにされたカードを全てシャッフルし、1枚ずつ競りの対象を選びます。入札に使用するのは寄進フェイズで手に入れたカード達。リソースを落札するには金額を入札し、お金カードを支払います。逆に、お金カードを落札するには、リソースカードの枚数を入札し、種類を問わずリソースカードを必要枚数支払います。全ての入札が終了したらゲーム終了。それぞれのリソースで最も沢山のポイントを所有しているプレイヤーがメインボードのサイコロを受け取り、勝利点とします。

如何に寄進フェイズで目標を絞り込み、お金を確保して競りに備えるかが悩ましい傑作カードゲームです。

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ビデオパッケージに収納。
綺麗に収まっている。



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大司教カード。
コイツでリソースの価値を決める。



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上段:リソースカード5種類
下段:大司教カードとお金
カードの質は中々良い。


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こちらが米国の新版。
とっても綺麗な作り。
日本のものは、サイコロもカラー。


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カルカソンヌプレイ時に「教会」を引きまくり、一躍あだ名が修道士になったナカが遊びに来た。
てなわけで最初のゲームには迷わず「写本と修道士」を選択。

この男はオセロ日本ランカー(10位以内?)なのだが、初見のゲームにはめっぽう弱い。
だが、2度目になるとカウント等を始めて急に強くなるので注意が必要。

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とりあえず、ゲームスタート!
山札はプレイ人数に応じてランダムで減らされる。
4人プレイ時のみカード総数がわかる仕組み。

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少し小さめなメインボードにのるサイコロの目がリソースの価値を表している。
イメージし易い様に敢えて言うと、左から2番目の寡黙で少し影のありそうな人物がCOQに似ている。
ナカは右から2番目のさわやかな修道士。
それにしても、味のある良いイラストだ。

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自画像を手札にし、緑のリソースを場に出して相手にあげるカードにする。
3枚目は1ゴールドのお金カード。
お金カードには1〜3ゴールドがあるので、これはキリのお金カード。
既に他の選択肢を選んでしまっているので、競りにまわさざるを得ない。
だが、概ね成功の第1手番。

手札にしたカードはまさに、めくったカードを眺めているCOQの姿が鏡に写っているかのようだ。

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続く手番、ナカは要らない価値1のリソースをCOQに渡そうとする。

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そして、手札にしたカードはいきなり大司教サマ。
COQに渡したカードの価値を早速1下げようと、「2」の目を捜す。
修道士のくせに性格悪ッ!

このように、大司教カードのみは手札に入った瞬間に効力を発揮する。
競りフェイズならば競り落とした瞬間に効力を発揮する。
この動きを見て相手の狙いを把握する事も可能なわけだ。

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基本的には、2以上のお金を残す作戦。
リソースは5種類あるので、そのうち3つを押えれば勝てるのではないかと考える。
自画像カードは集めるとして、残りの2色は道すがら考えることにする。

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…と考えながらプレイしていたら、お金ばかりの手札に成長するCOQ写本室。
世の中金だろ、とカード絵柄の皆が言っているように見えてくる。

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ゲームが進むにつれてお金大好き生臭坊主っぷりにも磨きがかかって来た。
また、ナカから執拗に送り込まれる価値の低い茶色カードもこれだけ集まると愛着が湧いてくる。

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そんな中、相手から大司教カードがCOQに手渡される。
初期に1つ出て以来の大司教サマだ。
しかも、価値を2つ高める強力カード。
どうも奴はこれでCOQに踏み絵を踏ませるつもりらしい。

正直に、初期から集めている自画像の価値を高める。

COQ「こういう黙々と仕事をしている奴程評価されるべきだと思わないか?」
ナカ「意味がわかりませんが、狙っている色はわかりました」

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最終的な自分の手札。
これを元に競りフェイズへと移行する。
豊富に集めたお金で黒と茶色以外のどれに狙いを定めるかが重要だ。

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競りフェイズ1枚目はいきなり2ゴールド。
勝ち目の無いカードや要らないカードを手放してお金を稼ぎ、後半の競りにかける良いチャンス。
競りは交互に値段をつり上げていく方式で行われる。

恐らくナカが大部分を占めている緑と既にこちらが大半を所有していると思われる茶色のカードを放出して獲得。

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続くカードはこちらの主力である自画像。
絶対獲得!と思ったら、案外ナカも競りにのってくる。
これは益々負けられない。
なんと言っても黒の価値は大司教サマのお陰で5に跳ね上がっているのだ。

競りでは、ブラフを使用する事もできる。
相当するお金やカードを持っていなくても、競りをつり上げることはできるのだ。
ただし、ブラフを見破られたらカードを1枚ランダムに奪われてしまう。

序盤なので、ブラフということは無いと思うが、足下を見られて値段をつり上げられてしまった。

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こうして競りは進み、カードの中身も洗練されてくる。
黒と茶色はほぼ独占に近いはず。青もあわよくば。
(茶色は少ないが、お金カード獲得の為に場に捨てているので相手が持っているわけでないことがわかっている。)

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そこへやってきた大司教サマ。
渾身の力で落札し、茶色の価値を上昇させる。
すると序盤、厄介者のように茶色カードをせっせとCOQへ送っていたナカの顔色が変わる。

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返す刀で、更に現れた負の大司教を全財産をかけて競り落としていく。
負の大司教達の力を借りて、ナカの主力と思われる緑の価値を落し勝利確信。

COQ「やった!第3部完!」

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と思ったら、負の大司教はまだまだ潜んでいた。
既に「金なき子」になっていたCOQは万事休す。
1ゴールドでこれらを落札され、虎の子の自画像の価値が下げられてしまう。

一進一退。

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ゲーム終了。
最終手札はこんな感じ。
果たして点数は!

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なんと同点。
黒と茶色は予定通りにサイコロを獲得。
残りはナカにとられてしまいました。

同点の場合は、より左側のリソースのサイコロをとったほうが勝ち。

僅差。PK戦で負けた気分です、無念!
でも、面白い!

プレイ時間30分

ナカ「COQさんって慎重派だから絶対ブラフかけてきませんよね」
COQ「ウッ…」

オススメ度:★★★★★★★★☆☆

これは面白い。
このような作品が再販されるのは非常に嬉しく、良い事だと思います。
収入と競りの2つにわかれたゲームシステムも非常に悩ましく、面白い。サイコロが5つも付いているのに、一度も振らないというのも○。
カードゲームとは思えない充実感です。
また、カードの絵がテーマと絶妙にマッチしており、雰囲気も良いです。

新版は、サイコロがカラフルになったり、箱のアートワークがカッコ良くなったりと、こちらも中々の出来映えのようです。旧版は保存用にして、新版を購入し、繰り返し遊びたい傑作カードゲームだと思います。

今回は、2人プレイの様子を紹介しましたが、3人でも変わらす面白いです。3人だと競りがキツくなり、もっと悩ましく深いプレイ感になる印象でした。
公式なルールは2人、3人プレイにおいてランダムにカードを抜きますが、4人プレイでは全てのカードを使用し、カード総数の表が付いています。つまり、4人プレイと2〜3人プレイではプレイ感がかなり違うのではないかと思います。4人プレイでは確保すれば確実に得点を稼げる閾値がわかるのですね。どちらが良いかは好み次第だと思いますが、ゲシェンクが大好きな私は2〜3人のほうが好みだと思っています。

現在は、安価で新版が手に入るようになってきているので、是非遊んでみて欲しい作品です!


こちらは日本語改訂版。



日本語の初版。
持っていて損は無いと思う。

旧版と新版のコンポーネント比較

掲示板でリクエストのあった旧版コンポーネントの写真を公開

冒頭にも記載した通り、このゲームは当初同人ゲームとしてリリースされたものがメーカーより再販されました。再販されたものも、非常にカッコいいコンポーネントなのですが、旧版も中々味があって素敵です。写真では、それぞれ対応するコンポーネントを対比しています。尚、旧版の箱はビデオのパッケージです(冒頭の写真参照)。

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旧版のほうが、脳にダイレクトに情報が入ってくる感じがします。