Trajan.jpg20-Nov-2011 ボードゲーム レビュー


トラヤヌス

作者:Stefan Feld
2〜4人用
対象年齢:12歳以上

120%フェルト
      要素は多い程良い。

エッセン2011で発表された「トラヤヌス」です。
ローマでの勢力争いがテーマのフェルト新作。

新興メーカーと組み、ルールもコンポーネントも気合いが入っています。

Trajan4.jpg(クリックすると拡大します)
こちらがメインボード。
一番上が、軍事行動を行うエリア。
2段目が左から商品カードのせた船を出港させるエリアと建築作業を行うエリア。
3段目が左からトラヤヌスタイルを取るエリアと広場タイルを取るエリア。
4段目は政治力を競うエリアで商品としてボーナスタイルが置かれる。
周囲にはクラーマーフレームが配置され、得点を記録できる。
一番下は時間の経過を示すトラックとなっています。

それぞれ、エリアに示されたアイコンのアクションを実行できるようになっています。

軍事行動と建築作業を行うエリアには、事前に自分の駒を派遣し、
兵隊や作業員としておかなければなりません。

Trajan3.jpg(クリックすると拡大します)
こちらは、1人1枚配られる個人ボード。
大事なのは、右半分を占める「アクションサークル」。
手番では、これを利用してアクションを行います。

それ以外の部分は、主に獲得したタイル等を配置しておく場所となっています。
派遣前の駒をストックしておく場所も用意されています。

Trajan1.jpgTrajan2.jpg(クリックすると拡大します)
アクションサークルの利用の仕方は、伝統ゲームである「マンカラ」方式。
つまり、あるトレイに置かれているマーカーを隣りのトレイに1つずつ移動するのです。
このゲームでは、移動したトレーの内側に書かれたアクションを行うことが出来るルールとなっています。

上の写真だと、凱旋門駒の隣りのトレイからマーカーを1つずつ隣のトレイに置いていき、
右下の、ピンクのマーカーを置いたトレイのアクションを実行できます。

また、アクションを行ったトレイに置かれているマーカーの色と、トラヤヌスタイルに書かれた色が合えば、
トラヤヌスタイルに書かれたボーナスが貰えます。

写真では、マーカーの色とタイルの色がマッチしているので、ボーナスが貰えます。

トラヤヌスタイルをアクションサークルに配置するのも、6つのアクションのうちの1つです。
獲得したトラヤヌスタイルは、凱旋門駒が置かれているところに配置されます。

こうして、手番でアクションを選択し、実行していきます。

Trajan5.jpg(クリックすると拡大します)
この他に、商品を示すカードが用意されています。
6つのアクションのうち、船のエリアのアクションを選択することにより、
商品カードを出荷したり、補充したりできます。

組み合わせ次第で直ちに点数が入るのと、ゲーム終了時のボーナスタイルによる得点が期待できます。

Trajan6.jpg(クリックすると拡大します)
さらに、ラウンドごとに表向けられる庶民の欲求にも対応しなければなりません。
広場から得られる広場タイルで、庶民が欲する娯楽、パン、宗教を解決しなくてはなりません。

これを怠ると、大幅に勝利点が削られてしまいます。
トラヤヌスタイルの中には、欲求のうち1つを恒久的に満たしてくれるものもあります。

任意のアクションを選択するにはトレイのアクションマーカーの個数を調節しなければならず、
トラヤヌスタイルを発動させるには、その色にまで注意を払わねばなりません。

アクションを実行できても、数あるエリアのどこを狙うのか、熟慮が必要です。

4期終了時、最も得点の高いプレイヤーが勝利します。

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

TBGL宮原ゲーム会にて
海賊船さん、MOGさん、流さんとプレイ。
COQは緑色。
スタートプレイヤーはCOQ(実はスタP重要疑惑)。

Trajan1-1.jpg
ゲーム開始時、1枚のボーナスタイルと3枚のカードを受け取る。
ある程度は自分の方向を決められるという訳だ。

Trajan1-2.jpg
さらに、アクションサークルには3枚のトラヤヌスタイルも置かれた状態でスタート。
マーカーの方は、ランダムで2個ずつを事前に配置しておく。

Trajan1-3.jpg
COQの初手では、左のトレイのマーカーを移動させ、トラヤヌスタイルを達成しつつ、
広場から広場タイルを獲得するアクションを実行。

これによって、トラヤヌスタイルに書かれた勝利点をゲットすると共に、
兜の印(娯楽:拳闘?)の欲求には恒久的に対処できるようになる。

それにしても、COQの頭ではせいぜい、2手先くらいまでしか考えられない。
次に動かそうと思っているトレイに置かれているマーカーがいつの間にか増えている。
自分で動かしているんだけど。

あ…ありのままをはなすぜッ…!!
動かそうと思ったら、増えていたんだ…。

的な感じでゲームは進みます。

Trajan1-4.jpg
とりあえず、初期手札が全て違う商品だったので、船から出荷。
各組み合わせは、早い者勝ちで点数が高くなるように出来ている。
それ以外のアクションも、基本的には早いほうが有利なので、
アクションサークルの不自由さと、行いたいアクションの間で身もだえる。

Trajan1-5.jpg
軍事エリアにもちょっかいを出し、タイルを獲得。
背の高い駒は軍事指導者駒で、これを移動させた先にあるタイルを貰える。

また、軍事アクションの別の選択肢として、駒の派遣を行うこともできる。
この時、兵隊を各エリアに送ると勝利点が手に入る仕組み。
こちらも、早ければ早い程勝利点が沢山手に入る。

Trajan1-6.jpg
そうこうしているうちに、市民の欲求も2つめが表向けられる。
時間を示すトラックは、各自のアクションにより、ギュンギュンまわっていく。
案外、1期は短い。

Trajan1-7.jpg
こちらは、建築のエリア。
建築タイルは勝利点と追加アクションをもたらす。
終了時に同種のタイルを沢山集めていれば、さらに勝利点が貰える仕組み。

ストラスブール的なテイストのエリアで、派遣した先のタイルを貰えるが、
自分の駒は縦横に接していなければならない。
中々目的のアクションを選択できない時は、これに頼るのも手だ。

Trajan1-8.jpg
取り敢えず、序盤〜中盤は庶民の欲求に応えられるよう、欲求充足のトラヤヌスタイルを中心に集める。
この手の奴は、序盤に揃えないとどんどん効果が薄れていくしね。

Trajan1-9.jpg
というわけで、欲求には全種対応できるようになった。
しかし、あくまで欲求が1つだった場合のみの救済タイル。
同じ欲求が2つあった場合には、広場タイルを獲得しておかなければならない。

Trajan1-92.jpg
盤上も中々賑やかになってきた。
途中経過では、COQが中々のペース。
茶色のMOGさんが少し遅れている。

Trajan1-93.jpg
ここらで、カードの出荷を行っておこうと、カードを引けるボーナスを持つトラヤヌスタイルを配置。
さらには、船の追加アクションを行えるタイルも獲得しておく。

Trajan1-94.jpg
この野望を一気に達成し、カードを公開して最終ボーナスにも備えておく。

Trajan1-95.jpg
この時点で持っているボーナスタイルは、出荷したカードによるものと、パンのタイルによるもの。

なるべくこの図柄のカードを出荷し、パンのタイルも保持しておきたい。
これらが揃えば、後ろから迫る、赤の海賊船さんを抑えられそう。

Trajan1-96.jpg
などと考えていると、序盤出遅れていたMOGさんが不穏な動き。
なんと、勝利点を大量に与えるトラヤヌスタイルのみで自分のアクションサークルを固めている。

そして、これを次々に達成し、不気味に差を詰めてくる。

Trajan1-97.jpg
対するCOQも、残り少ない勝利点のトラヤヌスタイルを獲得して自分のボードに配置するが、
いかんせん、このタイルを活性化できるようなマーカーの移動ができない。

Trajan1-98.jpg
半ばこのタイルの活性化はあきらめ、最後の勝利点計算を目指して、パンタイルを獲得。
これで、庶民の欲求にパンが2つ含まれていなければ、大量勝利点を獲得できる。

Trajan1-99.jpg
しかし、なんという運命のいたずら…
庶民はパンを2つ要求し、勝利点を得るには至らず。

ゲームは、最後のボーナスに向け、カードの出荷ラッシュをした海賊船さんがボーナスを大量獲得して勝利。

トラヤヌスブーストで追い上げたMOGさんが、1歩後ろにまで迫るという危ない展開。
未達成のタイルを残していたので、この作戦を実行に移す手番がもう少し早かったらやばかった。

海賊船:104 COQ:91 MOG:90 流:85

プレイ時間:140分

オススメ度:★★★★★★★☆☆☆

これでもか!俺がフェルトだ!という要素の多さがウリ。こうでなければフェルトではありませんが、倉庫の街のスッキリ感も盛り込んで欲しかったかな。

1つ気になるのは、スタートプレイヤーの有利さ。早い者勝ちのシステムの中で、スタPの有利は不動。また、かなりの確率でスタPは手番が1回多くなる。これに対するバランス措置が殆どとられていない。要素は多いんだし、別のエリアでアクションすれば別にいいだろ、俺がフェルトだ。ということなのでしょうか。

前述の通り、要素はかなり多いです。トレイを6つにしたいので、必然的に多くなったのかもしれません。ゲーマーズゲームとして見れば、これだけの要素を巧くまとめたことは非常に優秀だと思います。個人的には、ナビゲーターのロンデルシステムみたいに、大事なアクションを複数にしても良かったかなと思います。BGGの評価はかなり高いですし、エッセンの投票でも2位という輝かしい成績なので、決して欠点ではないのですが。

マンカラという伝統ゲームをアクションに取り入れたのは非常に面白い試みで、これを利用してアクションを選択している時はとても楽しいです。これは凄く好き。長時間ゲームなのですが、このアクションのことを考えると、不思議とまたプレイしてみたくなってきます。

この要素の多さへの印象が次のプレイでどう変化するか、近日ここに反映したいと思います。

コンポーネントは、非常に豪華。凱旋門駒なんてタイルでも良さそうなものですが、立派な門が4つ付属しており、メーカーのやる気が伺えます。