village.jpg23-Mar-2012 ボードゲーム レビュー


村の人生

作者:Inka Brand and Markus Brand
2〜4人用
対象年齢:12歳以上

人生こそボードゲーム!

噂のリア充デザイナー、ブランド夫妻の「村の人生」です。
なぜリア充夫妻かは、BGGの作者のページを見ればわかると思います。
たしか、昔Spielboxという雑誌に写真が載った時も仲睦まじいポートレートが使われていたような。

テーマは題名通り、村での一族の人生です。
システムはワーカープレイスメントとリソースマネジメントとちょっとだけ拡大再生産。
大好物です。

このゲームの特徴は、「死」。
通常のゲームであれば、ワーカーが死ぬことはマイナスでしかありません。
しかし、このゲームではワーカーの死は一族の歴史、誇りとして語り継がれていきます。
死んだワーカーは墓に葬られ、村に貢献した人物として一族に勝利点をもたらします。
とても新規性のあるアイデアですね。

village-01.jpg(クリックすると拡大します)
まずはボード全景。
村の中心広場では結婚式や収穫が行われ、教会や議会、職人が働く仕事場、市場などがあります。
大きくて綺麗なボードです。

プレイヤーの手番では、これらの何れかでアクションを行います。

village-05.jpg(クリックすると拡大します)
ラウンドの最初に、タイルに示されたリソースを袋に入れ、各アクションを行う場所に撒いていきます。

カラフルな4色は、信仰や説得力などのリソース。
黒は疫病です。

village-06.jpg(クリックすると拡大します)
こんな形に散りばめられたリーソスを1つ取り、その場所でアクションを行います。

もちろん、アクションは早い者勝ち。
リソースが無くなってしまった場所のアクションは行えません。

また、アクションは行えるけど疫病しかないということも。

village-02.jpg(クリックすると拡大します)
メインボードとは別に、個人ボードも。
家族コマには1〜4の世代番号がついています。

そして、個人ボードの周りに書かれた砂時計のマーク。
これは一族の時間の経過を示しており、アクションを行ったり、
疫病コマを取ったりすると少しずつ進みます。

これが一周すると、自分の家族が一人亡くなり、村の歴史に刻まれます。

次の世代の一族を世に生み出すには、村の広場で結婚のアクションを行います。

village-07.jpg(クリックすると拡大します)
アクションを行うには、コマを1つ取り、家族を配置します。
一度家族を配置すれば、以後はコマをとるだけでアクション可能。

職人の仕事場では、馬車や鋤などを制作することが可能です。
非常にユニークなのは、その時のコストをリソースで支払っても良いし、
時間で支払っても良いところ。

あまり時間を進め過ぎると、仕事をする前に家族が死んでしまいます。

village-13.jpg(クリックすると拡大します)
収穫のアクションを行うと、個人ボードで麦が収穫できます。
この時、職人のアクションで造ることができる、鋤や牛などがいると、
通常よりも沢山の麦を収穫することができます。

麦は、お金に換えたり、教会で寄進したりする用途に使用できます。

village-10.jpg(クリックすると拡大します)
議会では、説得力のリソースを使用して地位をあげることにより、
お金を勝利点に変えるなどの特殊アクションが行えるようになります。

有利なスタPマーカーも取れるので、議員一家を目指すのもありです。

village-11.jpg(クリックすると拡大します)
教会に立寄り、麦の寄進をすれば、ラウンドごとに勝利点が。
ただし、黒バックから運良く引かれないと中には入れません。
沢山立ち寄らせ、確率を上げれば中に入るチャンスも増えます。

また、他のプレイヤーよりも沢山寄進を行わなくては報われない得点も与えられます。

関係ありませんが、ダミーコマとして使用される黒駒がヘルミッショネルズです。

village-09.jpg(クリックすると拡大します)
家族は旅行にも行けます。
行った場所が多いほど、最終的な勝利点も高くなります。
移動には、道に記されたリソースがかかります。

風来坊として人生を終えるのも悪くありません。

village-08.jpg(クリックすると拡大します)
市場では、勝利点となるタイルを購入することが出来ます。
しかし、このタイルを購入するには、職人アクションで造った物が必要です。

麦の収穫を取るか、勝利点を取るか、難しいところです。

village-03.jpg(クリックすると拡大します)
役目を終えた家族は、村の台帳に記録されます。
各アクションスペースから死去していったコマがずらりと並び、
ゲーム終了時に得点を与えます。

village-12.jpgクリックすると拡大します)
台帳に入りきれなくなった村人コマが墓地に埋葬されるとゲーム終了。

最終的に、得点が一番多いプレイヤーの勝利。
プレイ後には、きっと胸が一杯になっていることでしょう。

ルール補足:
最後に、公式に発表されているスタートプレイヤー有利を緩和するヴァリアントルールを掲載しておきます(通常ルールだと、開始時スタートプレイヤーは無条件に有利であり、ラスト手番のプレイヤーは得られるリソースが1つ少ない)。

タイルに示されている通りにリソースをボード上に配置してラウンド開始の準備を済ませた後、残りの全てのリソースを教会の黒い布袋に入れます。そこからスタートプレイヤーが、参加人数+2個のリソースを引きます(2人プレイの場合は+1つ)。スタートプレイヤーは、引いたリソースを参加人数分の山に分けます。その後で、ラストプレイヤーからプレイと逆順に、好きな山のリソースを全て取っていきます。最後に黒い布袋を空にしてゲームを始めます。


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

じゃむたんゲーム会にてプレイさせて頂いた様子
karokuさん、ふうかさん、侍さんと4人プレイ。
COQは青。

この5時間後には発注してました(笑)。

P1074111.jpg
議会で村を掌握し、湧き出る麦を金に換えて得た現金を勝利点に換える作戦。

P1074110.jpg
対するふうかさんは、村の歴史に次々と偉人伝を刻んでいく。
残念ながら、村の功労者となったふうかさんに一歩及ばず。

ゲームの詳しい様子はふうかのボードゲーム日記にて。

ふうか:48 COQ:47 karoku:45 侍:44


オススメ度:★★★★★★★★★☆ 

COQが今期プレイした新作では、今のところ一番のお気に入りです(KDJ候補が発表されたばかりで、後だしジャンケンのようですが、プレイ当時の呟を参照してくださいw)。

ユーロゲームを骨子とし、リソースの取り合いを介したアクション制限によるソワソワ感、少しだけ取り入れられた拡大生産系のワクワク感。ここには飛び交う特殊能力も無ければ、ダイス判定目掛けて発射されるミサイルもありません。このゲームでは多くの要素の中から自分なりに得点経路を見いだし、それに集中している間に、自然と他プレイヤーとの間に絡みが生まれ、いつの間にかゲーム終了のタイミング、得点、アクション選択に凌ぎを削っています。

まるでフェルトのデザインしたゲームのように要素が多いのですが、村の人生はテーマとシステムのフィッティングがとても良く、一連の流れとしてすんなり理解することができます。

さて、このゲームのウリである時間の経過と死ですが、個人的には『ワーカーを失うことに大きな意味を持たせた』というところに感心しました。これに至ってもテーマとの兼ね合いが良く、先祖の功績により一族に繁栄をもたらすというのは、ゲーム中涙ぐましくさえあります。

プレイし終わった後、久しぶりに脳の隅々にまで血液が行き渡ったような満足感を感じたのを覚えています。プレイ後は一日中「面白かった」を連呼していました。帰宅後、すぐに発注したのは言うまでもありません。

地味に思われがちな色合いのゲームですが、近年、アメゲーに浸食されつつあるユーロゲーム市場に反撃の狼煙をあげる好ゲームです。

ちなみに、「人生こそボードゲーム」は、ゲームに付属している和訳についていた副題(TGIWおのさん訳)です。

追記:「村の人生」は、2012年のKDJ候補作として最終選考に残りました。事前のCOQの予想は「ハワイ」が本命で、「村の人生」は対抗というものでしたが、「ハワイ」は残念ながら最終選考に残ることが出来ませんでした。代わりに選ばれたのは「K2」です。

どちらかというと、私は「K2」よりも「村の人生」のほうが好みです。自身の評価も8点と9点。実は「ハワイ」の評価も8点なのですが、あえて「村の人生」を対抗に置いたのには理由があります。それは、「死」というテーマです。

テーマとシステムは非常に良くマッチしており、このゲームを高評価とする主因なのですが、同時にタブーと感じる人も多いのではないかと思うのです。詳しくは、ブログででも受賞作を予想しようかと思いますが、「村の人生」の受賞は難しいのではないかと思っています。折角日本語版の出た「K2」には頑張って欲しいですしね!

まぁ、2011年度も思いっきり外した予想ですけど!!