chipchiphurra.jpg01-Feb-2013 ボードゲーム レビュー


チップチップフラー

作者:Klaus Teuber
2−4人用
対象年齢:6歳以上

カタンの作者はかくも才能に満ちあふれていた

チップを飛ばすアクションパートとチップに詰め寄る論理パート、それを繋ぐのは稀代のバカゲーダイスセンス

chipchip-07.jpg博士の土台を使ってチップを飛ばす。本当は片手で操作せねばならない。KOSMOS社を弱小メーカーから一気にドイツを代表するおもちゃメーカーへと発展させたゲームがあります。そのあまりにも有名なドイツゲーム「カタンの開拓者」を誕生させたデザイナー、クラウス・トイバー。以後、彼は囚われの身になったかのごとくカタンシリーズのデザインを垂れ流していく運命にあるわけですが、「レーベンヘルツ」など、実はカタン以外にもかなりの名作を世に送り出しています。

チップチップフラーは、トイバーのデザインの中でもかなり尖った部類のゲームで、知る人ぞ知る愛すべきバカゲーの1つです。

chipchip-02.jpg中のダイス目は劇的に変わるので全く想像ができない!このゲームの手番は、前半のアクションパートと、後半の論理パートに別れています。箱の上に将棋盤のようなボードを乗せ、その上に自分の色のロボット駒を2つのせたらゲームスタート。ボードのマスに狙いをすまし、博士の形をしたカタパルトにフロッピーディスクのようなチップをのせて盤上にはじき上げます。盤上のマスにチップがのれば成功です。チャレンジは3回まで。

その後、各自が1体ずつのロボットを、盤上を滑らせるように1方向に動かします。こうして、盤上にのったチップに自分のロボットを隣接させるのです。どうして盤上を滑らせるかといえば、ロボットの中にはエナジーダイスが入っているから。このダイス目はロボットのエネルギーを示すのですが、マス目の区切りが少し盛り上がった造りになっており、移動するごとに出目が変わっていくのです!

なんてバカバカしくて素敵なことを考えるんだろう。こんなダイスの使い方をしているゲームは後にも先にも見た事が無い。


今の貴様では、この俺に指一本触れる事もできんッ!

chipchip-05.jpg俺のエナジーを感じろ!チップが着地したら、各自1回ずつロボットを飛車のように1方向に滑らせ、チップの隣のマスへ集めます。この時は、なるべく相手の邪魔となるように、自分だけが辿り着けるように動かすのがコツ。ちょっとした詰め将棋的な動きです。たった1手だけれども。動かす手番はチップを打ち上げたプレイヤーからなので、自分の狙ったところにチップを落とせれば、其処に辿り着くのを自分だけにできるかもしれません。まぁ無理ですけれども。

チップに隣り合ったロボットは、「セーノ!」で持ち上げ、中のエナジーを比べます。出目の大きい方のロボットが、そのチップを獲得できるわけです。もしも、同点の場合は、お互いにロボットを適当に滑らし、もう一度オープンして決戦。これがまた熱いんです。運以外の何者でもないですけれども。

同点の後、少し動かしてからの出目で勝った時のしてやったり感がたまりません。思いっきりの気合いを口から発しながら開けた瞬間の「1」とかね。


ロボットはチップを4枚獲得すると1人前、早く人間になりたい!

chipchip-11.jpg飛びます!本当のストーリーは、チップ4枚で1人前になったロボットは、博士のお手伝いロボットになるというお話です。従って、4枚のチップを獲得したロボットは、盤面から取り除かれ”あがり”となります。こうして、2体のロボット両方をあがらせれば勝ちです。

ただ、盤面から4枚のチップをさしたロボットがいなくなる様が飛び立つようにシュールなので、どうしても4枚のチップで1人前になったロボットは逃げてしまったと思えてなりません。

4枚のチップを獲得したら盤面から取り除かれ、2体をあがらせれば勝ちというのは、単純なようでいてドイツゲームっぽい。盤面に着地するチップに自分のロボットを隣接させなければ獲得はできないわけで、これが1体になると中々難しい。そうこうしているうちに2体のプレイヤーが追いついてくる。


絶妙の汚し、完璧な造形

chipchip-09.jpg大きな箱も、無駄ではない最後に、コンポーネント中身のお時間。ロボットが計8体、博士のカタパルトが1つ入っています。これらはプラスティック製でとてもポップな見た目です。特筆すべきは、その汚し処理。ロボットにも博士にも、絶妙な汚しが入っており、ゲームに雰囲気を与えます。トップ10に入るくらいにお気に入りのコンポーネントの1つです。

盤面となるボードには、ポリカーボネート製と思われる覆いで凸凹したマス目が刻まれています。強度はバッチリなので、心配はいりません。


MICC会にて

chipchip-04.jpg随分前に、MICC会にて4人プレイ。コンポーネントはまっちゃんが持ち込んでくれた。ここで気に入って、自分でも手に入れた。

簡単なようでいて、チップは中々うまく飛んでいかない。
チップをさした状態のロボットが居る状態で失敗すると、チップを失うというペナルティがある。
その重圧が邪魔をして、失敗は大概ショートして手前に落ちていく。
その度に近所迷惑な程大笑いしてしまった。




chipchip-06.jpgゲームは、持ち主のまっちゃんといたるさんが1体ずつロボットを飛び立たせて中盤へ。
ここから立て続けにCOQのロボットにチップがささっていき、なぜか勝利したことだけが当時のノートからわかった。
記憶には、とにかく笑った事しか残っていない。


プレイ時間:30分(4人)

2011/?/?

オススメ度:★★★★★★★★☆

大トイバーは、かくも才能に満ちあふれていたか。
驚くべき愉快なセンス。カタンやレーベンヘルツは当然名作ですけれども、こんなに愉快なゲームをデザインできる人物だったとは思ってもみませんでした。

この才能をカタンの亜流に注がせるのは人類の損失ではないかとさえ思ってしまいます。BGGの評点は5点台ですが、大好き。
古き良き愛すべきバカゲー。誰か囚われのトイバーの背中にチップを4枚さしてあげて下さい。