concordia.jpg16-Apr-2014 ボードゲーム レビュー


コンコルディア

作者:Mac Gerdts
2−5人用
対象年齢:13歳以上

Mr. ロンデルの最新作はカードを使ったローマ帝国時代の戦略的カタン

奇妙な村のデッキビルディング

concordia-1-1.jpgあまり知られていないがボード裏面は2〜4人用のイタリアマップとなっているロンデルシステムで大航海時代を駆け抜けた名作「ナヴェガドールから2年、マック=ゲルツの新作が巷を席巻しています。実はこの作品、実際よりもさらに1年程早く発売されるはずでした(調整に手間取ったみたいです)。その時から「今度のゲルツは非ロンデル!」という噂が飛び交っており、どんなゲームになるのかとても楽しみにしていました。

ゲームの時代はローマ帝国が地中海周辺を牛耳っていた頃。プレイヤーは全員ローマから軍団を展開して地中海沿岸の地域に植民し、そこで獲得できる特産物を売買して自国を発展させます。いつものゲルツ作品ならアクションの選択は円形のロンデルシステムによるところですが、コンコルディアで採用されたのは流行のデッキビルディング。ただ、デッキビルディングと言ってもドミニオンのそれではありません。デッキは手札に全て持ち、そのカードから1枚を選択してプレイしてアクションを実行します。concordia-1-3.jpg駒!駒!駒!ただし、プレイしたカードは再び手札に戻すまでは再使用できません。使用したカードを全て手札にするにはそれだけで1手番を消費してしまうので沢山溜めて一気に回収するという効率的な運用が求められます。このシステムは「奇妙な村」で採用されていたものに似ていますが、コンコルディアではカードを購入する事によりアクションの幅を拡げられるようになっています。アクションが増えるというと身構えてしまいそうですが、そのアクションは決して有象無象なものではなく、基本アクションが若干強くなる程度のもので実にバランスが良いです。

カードがあるお陰でロンデルの時と同じくアクションの選択(今出来る事を把握すること)が容易です。ひょっとしたら最初はロンデルビルディングを作るつもりだったりして!?


ルール文量はたったの4ページ

concordia-1-5.jpg建設は入植者を派遣し、特産物とお金を払う事によって行う2時間超のゲーム時間を要するゲームですが、ルールブックはイラスト入りでわずか4ページ。その殆どが7種類のカードを説明しただけで終わってしまうという潔さ。これらのカードをプレイすることによってできるアクション7種類は(種類の中でカードごとに強弱があるけどね!):
① 移動と入植
② 収穫
③ 入植者の追加
④ 特産物の売買
⑤ 他人の直前のアクションのコピー
⑥ カードの購入
⑦ プレイしたカードの回収

これらを1枚ずつプレイしてはアクションを実行していくわけです。そしてこれはこのゲームのほぼ全てとなっています。

コピーの能力の使いどころが結構重要。自分の能力も安易にコピーされないように周りのカードに気を配る必要があって気が抜けません。



収穫スゴ杉、まるで獅子脅しのようにエレガントなシステム

concordia-1-4.jpg収穫の終わった拠点はタイルが裏返るハイこんにちは、収穫です。ボードはエリア状に分かれていて、エリアには複数の拠点が存在します。そこへコストを支払って植民地を建設する事により特産物を収穫する権利を持つ事ができます。植民地の建設は早い程コストが安くなります。こうして権利を獲得したエリアにおいて収穫アクションが実行されると、そのエリアに植民地を持っているプレイヤー全員に拠点に対応した特産物が与えられます。カタンでだれかが振ったサイコロで木材とレンガが手に入るような感覚です。これをサイコロの目ではなく能動的にエリアを指定できるようにした形です。ただし、一度収穫したエリアは誰かが全体のリセットを行うまで再び収穫することができなくなります。収穫したエリアを示すタイルは裏返され、そこにはコインが記されています。収穫が進むと次第にこのコインが累積し、誰かの金欲を刺激して、リセットが促されるわけです。まるでジャパニーズ獅子脅しのようなエレガントなシステムです。

特産物の駒がまた凄い。総木製駒80個の手触りで脳を刺激してくる。


得点計算は溜め込んだカードで

concordia-1-6.jpg手札は5枚、ちゃんとそれぞれのスタンプに名前が付いてる。初期手札とアクションを増やすために溜め込んだカード。これにはあと2つ意味があります。まず1つ目は最終得点計算。それぞれのカードは基本アクションごとに”ある要素の得点”を与えるようにデザインされています。例えば、「植民地を建設した地域1つにつき2点」「10金につき1点」などです。これらのカードを複数枚集めると、その分だけ得点も増えていきます。ある程度の段階から他人も含めカードの得点要素分布に気を配らなければなりません。また、ゲームに登場しているカードが全て購入されるとゲーム終了となります。全く、ため息が出る程に無駄の無いシステムです。その他、手持ちの植民地駒を全て消費したプレイヤーが現れたときもゲームは終了します。その後、最終得点計算を行って勝者を決定します。

ゲーム終了のトリガーを引いたプレイヤーには特別ボーナスが与えられるので、終盤がダラダラとすることは少ないです。



5人プレイと4人プレイ

まずドゥーム評議会にてサータナ、オビーワンダフル、常勝タムラさん、永峰さんと5人プレイ

concordia-1.jpgCOQは赤。とにかく建設コストの安いレンガの拠点に植民地を立てまくり、植民地駒枯渇でのゲーム終了トリガーを引いてゲーム終了。序盤から最も勝ちの高い布に注力し、人知れずカードを大量に捕獲していたタムラさんが常勝故の常勝。オビ湾はタムラさんのあまりの強さに途中で別卓で別ゲームを掛け持ちし始めた。コラッ!



あきおさん、カマターナー(中身はサータナ)、あっきーさん(中身はサータナ妻)と4人プレイ

concordia-2.jpg朝四時に渋谷駅前集合。全員リーゼントと単ランにボンタン着用のこと。とにかく駒がヤンキーっぽい。私立十日ハイスクール出身の夫婦がまたしても収穫でイチャイチャとwinwinの関係を見せつける対岸で、あきおさんとCOQはマッハパンチにピストンキックで応酬する一匹狼。



concordia-3.jpg前回の教訓を活かして高めの特産物で金に困らない生活を目指す。それにしても斜向いのあっきーさんがよく見ててCOQの得点源を減らそうと邪魔してくる。



concordia-4.jpgが、今回は前回の教訓を活かして差しきることができた。世の中金です!


プレイ時間:120分(4人)

2014/4/15

★★★★★★★★★★

ナヴェガドール以来の私的10点ゲームです。箱絵のお姉さん程ゲーム内容のしきいは高くないのでとにかく1度遊んでみて下さい。日本に沢山入ってきているので誰かが持ってます。

ゲームの楽しみとユーザーのことを考えに考え抜いた作品だと思います。プレイヤー同士の絡みも沢山、勝ち筋も沢山、ダウンタイムもワクワクできるし豊富な木駒で満足感も味わえます。ナヴェガドールに至るまではマルチゲームをロンデルシステムでユーロゲームにつなぎ止めていた作者が贈る2作目のビバユーロ寄りゲーム。全開です。実に楽しくてエレガント。マンマミーア。

このゲームはニューゲームズオーダー(NGO)が日本の代理店をつとめています。NGO経由で日本に入ってきたものには日本語説明書とチャートが付属していました(日本語説明書はNGOのHPに公開されています)。現在はその殆どが売り切れてしまい、海外からしか買えない状態です。しかし!既に日本語版の生産が行われ、今頃は船便にでも載っている頃でしょう(2014.4月)。スバラしい!欲を言えば、日本語のカードとチャートをセットにした日本語化キットの販売もして欲しいところですね。

今年重いゲームを1つし買わないならTBGLのオススメはコレ!