hellweg.jpg15-Nov-2014 ボードゲーム レビュー


Hellweg(ヘルウィグ)

作者:Michael Schacht
2−4人用
対象年齢:10歳以上

シャハト、デザイナー歴25年を記念するゲーム

中世ドイツを舞台とした中量級の貿易ゲーム

hellweg-1.jpg内容物。箱はアレアの中箱サイズ。縁あって、ドイツゲームの巨匠の1人であるM. シャハト氏のゲームデザイナー歴25周年を記念するゲーム、「Hellweg westfalicus」の邦訳を担当させて頂くことができました。翻訳にあたり、シャハト氏と連絡をとってルールの明確化を行い原文にもそれを反映して頂くなど、彼の偉業の祝福に少しだけ貢献できたかと思うと感激です。これを書いている時点ではいよいよ明日、2014年のゲームマーケットにて販売開始予定となっています。折角手元にゲームがありますので、ステマにならないようになるべくゲーム内容の紹介に徹して情報をお届けしたいと思います。

このゲームの日本代理店は熊本の「ゲームフィールド」さんで、日本販売分には美麗な印刷日本語ルール、英語ルール、そしてミニ拡張が付属するようです。このゲームはシャハトのオリジナルブランドであるTimbuktuが出版しているのでアメリカでは手に入り辛いらしく、日本でこの時期に買うことができるのは日本代理店の努力の賜物だと思います。

後で紹介するこのゲームの肝は販路の確保なのですが、ゲーム自体の販路の確保からゲームが始まっていたのかもしれませんね。


基本ゲームと2種類の拡張ルールが付属している

hellweg-8.jpg昔の喫茶店にあったテーブル型ゲーム機のドラゴンバスターを思い出しました(見た目だけ)。ゲームのタイトルとなっている「Hellweg」とは、5000年以上の歴史をもつ重要な貿易路のことです。ゲームでは、3種類の商品を出来るだけ安く仕入れ、出来るだけ高く売ることを目指します。仕入れた商品は貿易路を経由して別の都市で販売するのですが、貿易路を利用するためにはあらかじめ台車を配置しておかなければなりません。また、貿易路には舗装道路と未舗装道路があり、未舗装道路を利用すると台車が壊れてしまうので注意が必要です。売却可能な都市は毎ラウンドランダムに明らかになりますが、ゲームを通して登場する都市とその売却額がすぐに覚えられるようなシンプルな法則で決まっているので、ランダムとはいえ予想の範疇です。

つまり、将来売れるであろう商品の売却場所と値段を予測しながら、台車を配置して販路の整備をしていくゲームということです。商品の仕入れは早い者勝ちなのですが、購入金額は手番中に寄り道をするほうが安く設定されており、シビアな所持金管理と相まって中々苦しい選択を迫られそうです。

ゲームには基本ルールと2種類の拡張ルールが同梱されており、上記が基本的なゲームの流れとなります。拡張ルールでは、さらに早い者勝ちの販路確保ボーナスや、仕入れをより複雑にする倉庫の使用、各アクションを強くする特権の使用などが可能になります。

基本ルールではかなりソリッドなゲーム展開が期待できそうです。シャハト好きにはたまらないんじゃないでしょうか。しかも、手数がかなり限られているので効率的に動かないといけません。



基本ゲームの簡単な流れ

hellweg-6.jpg4つの都市。売却可能な商品は色で、価格は数字で表されている。ゲームの指針となるのは毎ラウンド明らかにされる「このラウンドで取引の行われる4つの都市と商品を示すカード」です。これが明らかにされた後、まずはそれぞれの都市ごとに各プレイヤーが商品を販売していきます。商品はその場所になくとも、自分の台車を置いた貿易路で繋がっている都市にあれば輸送して販売することができます。販売額は3〜5ターラー(お金の単位)となっています。未舗装の道路に置かれている台車は使用すると壊れてしまいます。ここで重要なのは、販売額3〜5ターラー、都市、商品の組み合わせがすべて存在するところです。例えばDortmundでビールを売ることのできる機会はゲーム中必ず訪れ、その販売額は3〜5ターラーの各1回ずつということです。12ラウンドあるうちのどのラウンドでその機会が訪れるかはわかりませんが、必ず訪れるということは、準備ができるということです。アテが外れた時にも備えておかなければならないでしょう。

カードは四角型です。スリーブはMaydayの70x70が最も近いかと思いますが、少し余ります、ゲームするのに支障はない程度に。手持ちのスリーブの上部を裁断してもいいかもしれませんね。


hellweg-5.jpg商品と台車の購入はカードに記載された4つの都市でのみ行える。早い者勝ち。商品の販売をした後は、アクションを各プレイヤー2回(1回ずつを2周)行います。アクションでは、商品と台車の購入、仕入れ、商品カードの購入、お金の獲得の4つの中から1つを選択して実行します。メインとなるのは商品と台車の購入ですが、これは先ほど売却先を決定したカードがそのまま商品と台車を仕入れることの出来る場所、種類、数そして値段を決定するカードとなります。値段は売却額と同じ3〜5ターラーですが、仕入れることの出来る商品の数が複数である場合があるので、うまく販売することができれば儲かるようになっています。そして、(とても苦しい選択ですが)2回あるうちの1回目のアクションで商品と台車の購入以外のアクションを選択していれば、2回目のアクションで商品と台車の購入を行う場合にコストを2ターラー減らすことができます。しかし、商品と台車の購入アクションは早い者勝ちなので、他のプレイヤーにやられてしまった時のバックアッププランは幾つも用意しておく必要があるでしょう。


hellweg-3.jpg白は舗装道路、茶色は未舗装道路。台車の配置は、指定された都市から延びる道路に行います。将来商品を販売する上で重要になるであろう販路を事前に構築することを心がけておくのが定石でしょう。拡張ルールでは、決められた都市を台車で繋ぐことも重要になります。舗装道路には台車を1つ置いておけばゲーム中安泰です。未舗装の道路に置いた台車は使用すると無くなってしまいます。これを防ぐには、同じ道に自分の台車を2つ置くしかありません。2つ置いた台車は壊れることがなくなります。ただし、ゲーム中に置ける台車の数は非常に限られていますので、よほど重要な販路でなければこの選択肢はないかもしれません。また、道路には村が存在することがあり、この場合台車を置いたプレイヤーはお金を得ることができます。


hellweg-2.jpg商品カードは好きなものを購入できる。商品カードの購入では、ゲーム終了時に購入金額よりも少し高く売却することのできるカードを購入することができます。これに加え、各商品カードには合計3種類の少しだけ有利にゲームを進めることのできる特殊能力がついています(例えば、台車コマが壊れる時に1ターラー貰えるなど)。貯めた現金を少し有利に運用することができる選択肢ですが、アクションを1つ消費することには注意が必要です。商品カードの購入でも1回目のアクションで別のことをしていれば、購入金額を2ターラー安くすることができます。

その他、仕入れのアクションではすでに自分の商品を置いている都市にその商品を1つ追加したり、その都市に繋がっている道路に台車コマを置けたりします。このアクションは拡張ルールを適用することによって”倉庫”的な意味合いを持つ様になります。

こうして12ラウンド(22アクション:最後のラウンドはアクションなし)を繰り返し、ゲーム終了時に最もお金を集めたプレイヤーが勝利します。



というわけで、購入検討の参考になればと基本ルールを中心にゲームの内容を紹介してみました。COQ自身もまだ遊んでみたわけではないために、評価をすることはできませんし、面白いかどうかも断言できません。勝利点とお金が同一のものなので、ゲーム中では常に集中してお金の管理をしていないと勝利することは難しそうです。しかし、勝利点とお金を同じにすることによって、かなりゲーム内容をシンプルにすることに成功しているように思います。

シャハト氏自身も述べていますが、重要なのは12枚のカードが毎回すべて使用されるというところです。都市のランダム性がゲームを大味にするのではないかとも危惧されますが、すべての組み合わせが必ずゲームに登場するので、ある程度は予測ができるのではないでしょうか。既に登場した組み合わせを覚えるのは大変ですが、シャハト氏は道路への台車配置を販路の重要性に沿って行うことですべてを記憶しなくても良いと言っています。

そのうち、ゲームフィールドのホームページでも販売が開始されると思います。氏のデザイナー25周年を祝う気持ちもこめて、是非遊んでみてください!


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