kingdom.jpg05-Mar-2012 ボードゲーム レビュー


キングダム

作者:Reiner Knizia
2〜4人用
対象年齢:14歳以上

ファンタジーなリメイクはお好きですか

1994年発表の「市場のお店」のリメイク作品「キングダム」です。
正確には、本作の前に2002年に同名のリメイクが行われ、
本作はそのコンポーネントを見直したバージョンです。

ゲームの内容は、リメイク前の「市場のお店」と一緒。
テーマは、リメイクを行ったファンタジーフライト社のお家芸であるファンタジーに置き換わりました。

盤上にタイルか自分の城を配置していき、自分の王国を繁栄させるか、
敵の王国を衰退させるかして領土から得られる得点を競います。

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ゲームボードは二つ折り仕様となり、タイルやコインを置く部分ができました。
一見すると、クニツィアの「アトランテオン」のボードに似ていますが、もう少し大きいです。
(当然、ゲームの内容は違います。)

手番では、このマスにタイルを1枚か、自分の城を配置していきます。
全てのマスが埋まったら得点計算。

基本的にタイルは、山札からひいたものを即配置します。
城の配置かタイルの配置の選択を常に迫られるわけです。

ただし、ラウンドの開始にランダムで1人1枚ずつ配られるタイルを使用してもかまいません。

これを3ラウンド繰り返して合計点を競います。

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配置する自分の城は、リメイク前のチップから立体的な駒となりました。
塔の本数がそれぞれの城のレベル(1〜4)を表しています。

組み立てて1つの大きなお城を造りたくなりますが、
盤面のマスにタイルの代わりに配置する用途に使用します。

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タイルにはプラス得点のものと、マイナス得点のものがあります。
王国を守る兵隊や、怪物が描かれていますね。

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さらに、特殊タイルが5枚。
山が2枚とドラゴン、金鉱、魔術師が1枚ずつです。

タイルをひいたら即配置しなくてはならないので、
自分が得する様に置くのか、他人を邪魔するために置くのか、非常に悩ましいです。

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得点の例(便宜上空きマスがあります)。

縦の列、横の段をそれぞれ計算していきます。
一直線上の領地に対してお城を配置しているプレイヤーは、
数字の合計×配置している城のレベルの点数を得ます。

そして、特殊なタイル。
山:領地を分断
ドラゴン:プラス得点を全て0にして計算
金鉱:得点を全て倍
魔術師:隣接する城のレベルを1上昇

例えば、上から3段目の得点計算では、(4+3-6)x2=2点が基礎点。
この列にレベル3の城を置いている緑プレイヤーは2x3=6点を得ます。

得点計算を終えたら、タイルは全て回収して再び山札とします。
レベル2以上の城は全てゲームから除外し、レベル1の城は手元に戻します。
つまり、レベルの高い城は使いどころが重要なわけです。

次のラウンドは、再びまっさらな状態からスタート。

ゲームは3ラウンド行われ、最終的に最も得点を得たプレイヤーが勝利します。

<エラッタ情報>
kingdoms-2.jpg(クリックすると拡大します)
説明書に、銅貨21枚と記載されていますが、銅貨19枚の間違いと思われます。

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実家ゲーム会にて
流木のっちと2人プレイ。
COQは緑。

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日本の魂を心に刻んで遊ぶため、ジャパニーズTenuguiをマット代わりに(嘘。
マットを忘れたので、その辺にあった布で。

COQの初期タイルはプラス点数。
ゲーム中、相手のタイルを想像するのも楽しい。

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取り敢えず、タイルがいくつか配置されるまでは様子見。
比較的大きな「+4」の隣りにレベル1の城を配置してみる。

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同じ様に「+4」を求めて配置して来たのっちの青い城をマイナスタイルですかさず囲む。

エグイエグイと言われながら、山札から引いたばかりのタイルを配置しているだけなので、
サクサク進むし、攻撃的な1手もそれ程、後に禍根を残さない

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城が少ないうちは単純に、マイナスタイルは相手の領地へ、プラスは自分の領地へ。

ゲームが進んで城が各地に現れると、自分だけが得する置き場所はほぼ無くなり、
「苦肉の策」の連続になっていく。

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COQは特殊タイルがひけない展開。
ガンガンひきまくるのっちが魔術師と金鉱で自分の得点をのばしつつ、
ドラゴンでCOQの得点はマイナスにするというイヤラしい展開。

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タイル運もあり、第一ラウンドはタップリとマイナスを掴まされ大敗。

のっち「これ、手札が無い分、Qちゃんのエグ味が出にくくてイイネ」

エグイエグイなどと言っておきながら容赦なく攻めてくるのがこの男の手だ。

COQ:91 のっち:140

第二ラウンドは、互いに城を置きまくる展開。
イヤラ式のっちの前に、点差はさらに開いた。

COQ:175 のっち:241

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そして運命の第三ラウンド。
初期タイルは「+1」。ショボイ。

このラウンド、COQの逆転への秘策は、相手よりも多く残した城。
レベル3の城が1つ多かった。
これを如何にしてプラスに繋げるか…。

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のっちの初手は、隅に魔術師。

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当然、ここを軸にして盤面が発展していく。

「+5」と「+3」が置かれたところで、魂の城レベル4。

のっちとしては、「+5」を自分だけが得をするために置いたわけ所だが、
運良く「+3」とクロスする位置が空いていたわけだ。

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すると、それを挽回しようと周辺に城を建てまくるのっち。
しかし、それは3つの青い城の間にポッカリと空いたスペースを造る結果に。

COQ「ニヤリ。引いちゃうよ〜」

手をニギニギして気合いを入れて引く、タイルを。
あの方に光臨してもらうしかない。

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そして、引いた「恐怖の姉さんタイル」。
(注:COQとのっちには同学年に姉が居る)

COQ「チャンネルをよこせ〜っ、弟なんて消えてしまえ〜っ」

ドカーン

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慌てふためくのっち領土にドラゴンで追撃。

のっち「エグッ」
COQ「知ってる。フハハハハ」

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そして最終計算。

COQ:338 のっち:316

最後のラウンドでのタイル引きの強さで圧倒し、差しきったCOQの勝利。

プレイ時間:40分

オススメ度:★★★★★★★☆☆ 

タイルを配置するのか城を配置するのか。得点を重ねるには城を配置しなくてはならないが、先に手の内をみせたらマイナスタイルが襲ってくる。ひいたタイルをどこに置いても他人が得をしてしまう…置きたくない。ルールからにじみ出るジレンマがそのまま体験できるゲームです。

そして、起死回生のヒキ。ここでマイナスタイルを引けば一発逆転。はたして… というアツさも秘めています。

タイルか城か、この2択を迫ってくるシステムが、とても良く機能している良いゲームですが、管理人が最も評価しているのは、タイル運が演出するアツさとアッサリ感です。

最初の1枚以外、タイルはランダム獲得-即配置であるので、手番で行われる攻撃的なタイル配置もあまり不快感を呼びません。これがゲームを軽くし、爽やかにジレンマを楽しむことを可能にしていると思います。ゲーム後には、爽快感すら残る程です。

Geekの推奨プレイ人数は2〜4人のどれでも良いとなっていますが、私は2人プレイが最も面白いのではないかと思います。3人以上ではランダム要素が強過ぎてしまいますし、盤面が狭過ぎると思います。ある程度理詰めが通用する状況でないと、タイルのランダム要素が楽しめないと思うのです。

もっと胃の痛いような展開を楽しみたいプレイヤーには、タイルを全て公開して自由に選択するヴァリアントも用意されています。これはこれで面白いと思いますが、ご利用は計画的に。

爽やかなゲームなので、テーマとアートワークはリメイク前の「市場のお店」のほうが良かったと思います。しかし、リメイクを行った会社がファンタジーフライト社ですから、これは期待するだけ無駄ですね。まるでイソップ童話の金の斧のごとく、池に落したゲームをファンタジー色に変えてきます。落したゲームのテーマのままでいいのに。

それでも、最初のリメイクの時に、ボードサイズ、チップ等、ファンの間で不評であった欠点を補い、日本語で安価に手に入るようにしてくれたことには敬意を表します。

ファンタジーフライト社からは、以前にこのシステムを応用した「ベオウルフ・ザ・ムービー」というゲームも発売されています。

得点計算がちょこっとだけ面倒ですが、良いゲームだと思います!