pergamon.jpg31-Jul-2011 ボードゲーム レビュー


ペルガモン

作者:Stefan Dorra and Ralf zur Linde
2〜4人専用
対象年齢:10歳以上

博物館はガラクタ置き場ではない。
  そんなゴミはさっさと片付けてくれ。

遺跡発掘ゲーム「ペルガモン」の紹介です。
考古学者であるプレイヤーは、ペルガモン遺跡の発掘に必要なお金を集め、実際に発掘した遺物の破片を組みあげて貴重なコレクションを再現します。このコレクションを博物館に展示し、来客者から評価されることを目指します。

ゲームは資金集めと発掘の為のワーカープレイスメントや発掘品のコレクション、それらの組みあげと展示という複数の要素より構成されています。これらは非常にうまくまとまっており、ルールは凄くすっきりしています。

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こちらが勝利点チップ(入場券)。
1点/2点/5点のものが用意されており、裏面は入場券となっています。
非常に出来が良く、所有欲を満たしてくれる作りです。

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こちらがボード全景。
左から遺跡/発掘スケジュール/博物館となっており、上部には帯状に発掘資金集めのマスがあります。

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このゲームは12ラウンドに渡って行われます。
各ラウンドの最初には、調査資金の山札から2枚のカードが適用されます。
カード裏面にはそれぞれのカードに書かれている実際の調査資金の量を示すヒントが書かれています。
左は5〜8金、右は1〜4金です。
実際の調査資金の量は、カードを表向けてみるまでわかりません。

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このカードを頼りに、スタPから調査資金の帯に駒を配置して行きます。
全員が駒を配置し終わったら、調査資金のカードを表向けて、右側から調査資金を分配していきます。
右に行く程与えられる調査資金が少なくなっていますが、以降の手番は早く訪れます。
左に行く程与えられる調査資金が多くなっていますが、ひょっとすると調査資金が自分に配られる前に枯渇してしまうかもしれません。

また、このマスには同時に遺跡発掘の深度も示されています。
マスに描かれているローマ数字がそのまま発掘可能な遺跡の深度となっているのです。

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こちらが遺跡。
深さはⅠ〜Ⅴまでの5段階。
毎ラウンド5枚の発掘品タイルが表向けられ、古いもの程深くに眠る様に配分されます。
深度と同じだけの資金を支払って、1列全ての発掘品を獲得します。

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こちらは発掘スケジュール。
12ラウンドはそのまま1年のカレンダーになぞらえてあるようです。
未来のラウンドには遺跡に分配するタイルが積まれています。
黄色で囲われたラウンドは展示品評価のラウンド。
5/7/9/12のラウンドで決算のようなことが行われます。

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発掘したタイルは、このように繋げてコレクションとします。
各プレイヤーは3つまでコレクションを作成し、博物館に展示することができます。
絵柄がピッタリ合っていないと繋げる事は出来ません。
各コレクションの価値は紀元前の百の位の数字がそのままポイントとなります。
写真のコレクション1の場合は10(1+5+4)ポイントです。
展示前に、お金を支払う事によって3ポイント分までコレクションを磨いて価値を高めることができます。

また、コレクションとしないタイルは保管しておくことができます。
ただし、無料で保管できるのは3つまで。
それ以降は3つにつき1金のコストがかかります。

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コレクションのポイントに応じて博物館の所定の場所へコレクションを展示します。
どんなものでも博物館へ展示することができれば、とりあえず1勝利点が与えられます。
そして、高ポイントのコレクションほど博物館の奥へと展示され、評価時のポイントも高く設定されています。
しかし、一度高い価値のコレクションを展示したからといって安心はできません。
各評価が終わると、観客の興味が消失して強烈にポイントが下げられてしまうからです。

また、各評価ポイントでは最も古い壷や最も古い仮面等にボーナス点が与えられる様になっているので、こちらも重要。

こまめに展示を行って地道に勝利点を稼ぐか、一気に高得点を狙うか、非常に悩ましい好ゲームです。

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TBGL宮原ゲーム会にて、ちきさん海賊船さん流さんと4人プレイ。
COQの色は赤。

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こんな感じでスタンバイ。
最初のラウンドの発掘品が遺跡に並べられる。
どれも1つずつなので(多少古いものが手に入るけど)まだあまり深くまで潜る価値はない。

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最初の調査資金カードは両方とも少ない方。
スタPは海賊船さんから。

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こんな感じで駒が並ぶ。
COQは最後尾。
実は最後尾には2つの特典がある。
1つは、次のスタPとなれること。
もう1つは、他のプレイヤーに分配した後の残り資金を総取りできること。
ただし後者の方は逆にまったく資金が貰えないこともあるので素人にはオススメできない。

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全員が駒を置いたら資金カードをオープンする。
…が、合計は4。
COQオケラ決定。

いきなりこの手番で何もできないが、そもそも遺跡にあまり発掘品が無いのであまり差はつかなかった。
第1ラウンドで良かった。

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次のラウンド、中々ビッグな調査資金が予想される。
スタPのCOQは3金を要求するマスへ。
その前には「2/2/1/1/0」が並ぶが、最低6金が配られるので問題ないはず。
ここで前のラウンドの遅れを取り戻す。

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結果、各プレイヤーの駒はこんな感じでばらける。
調査資金は11。
無事に3金を手に入れ、お小遣いを握りしめて地下2階の駄菓子屋へ走る。

おばちゃんこれください。

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記念すべき初発掘では2枚のタイルをゲット。
しかしこの2枚は繋がらない。
引き続き発掘を続けてタイルをもう少し獲得しなくては。

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そして第3ラウンド。
次第に深層の遺跡へ行く価値もでてきた。

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調査資金カードは両方とも最低5のカード。
それをみて考古学者達が金の亡者のように高額調査資金のマスへ散らばって行く。

カードを表向けた結果資金は「13」。
ゲームを通してかなりの頻度で調査資金総取りのマスへ駒を配置していた流さんだが、
あまり得をしているようには見えなかった。
それよりも、適度な資金で欲しいタイルを発掘できるほうが大きそうだ。

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海賊船さんが地下5階の遺跡を総ざらい。
得たタイルをコレクションにして早速展示。

どうも4人プレイだとそれ程タイルは溜まらず、高ポイントのコレクションを作るのは難しそう。
それよりも各評価時にボーナスを与える品を中心に、チマチマと展示したほうがよさそうだ。

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と、いうわけで発掘した仮面を2金で磨き、5ポイントのコレクションとして展示する。

COQ「2金でオンナを磨いて出品します。」

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新しい展示品が出品されると、その価値以下のコレクションの価値は1下がる。
海賊船さんのコレクションは早速4から3にポイントが下がってしまった。
手番が早いのも楽じゃない。

ここで初めて1ポイントの勝利点チケットを手に入れる。
これは触り心地も見た目も申し分ない。
これは所有欲を満たしてくれる逸品。
ゲームとは関係なく、純粋に集めたくなる。

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次のラウンドから、本格的にチマチマ作戦。
流さんが5ポイントのコレクションを展示するが、その後に5ポイントのコレクションを展示。
流さんのコレクションは早速4ポイントに流れる。
そして人知れず崖っぷちに立たされる海賊船コレクション。
ゴミになる日も近い。

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そして展示品評価の行われる第5ラウンド。
ここで真打ゴッドハンドちきさん登場。
前日の夕方にセルフ埋没していたのではないかと疑われるほど見事なコレクションを展示。
しかも資金の限り磨いて展示した為、そのポイントは12。
他のコレクションは軒並みポイントが下がる。
そして海賊船さんのコレクションは評価前に吐き出されてしまった。

この博物館にはきっとドSの女館長が居て、養豚場で豚を見るような目つきでこう言う。

「さっさとこのゴミを片付けなさい、ここはガラクタ置き場じゃないのよッ!」

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そんな女館長に怯えながらもチマチマとコレクションを発表。
3つ発表したのでそれだけで3勝利点。
そして、決算で3勝利点。
さらに最も古い壷ボーナスで2勝利点。

各評価ポイントのボーナスは、コレクション全体のポイントとは関係なく、純粋に一番古い壷に与えられる。
ということは、チマチマと出品しているCOQにも平等にチャンスがあるのだ。
これは大きい。

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評価終了、次のラウンドへ。
評価終了後は、各展示品は観客達に飽きられる。
残酷な程にポイントが下落し、殆どの展示品はゴミと化した。
そしてゲームはもう中盤。

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その後、流さんの出品によってCOQの展示品がゴミと化す。

流「ゴミを片付けて下さい(笑)」

続いて海賊船さんが14ポイントのコレクションを展示。
加熱する出品ラッシュ。
より高い価値のものを展示すると他の展示品の価値が下がるというルールがアツい駆け引きを生む。
1ポイント差で得られる勝利点が下がったりするのだ。

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そんな中でもCOQは変わらずこまめに出品。
大枚をはたいて獲得した水差しパーツを繋ぎ合わせて古めの水差しを復元した。
なぜ大枚を叩いたのかと言えば、このラウンドでは再び評価が行われるから。
見回したところ、この時点で水差しを展示しているのはちきさん海賊船さん
最も古いのはちきさんの持つ紀元前512年のもの。
紀元前なのでわかりにくいが、数字は大きい程古い。
コイツのお陰で再びボーナスを獲得。

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評価後、再び女館長登場。
容赦なく展示品の価値が下げられる。

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さて引き続きチマチマと展示しようかと考えていると、海賊船さんの前に嫌な雰囲気を感じて止まる。
地下1階の発掘品が綺麗にスッポリと埋まるところを空けてタイルが並んでいる。
あんなものを展示されたらかなりの高得点。
なんとか阻止したいな、と考えていると、、

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資金1のところに海賊船さんが駒を置く。
すかさずCOQは資金は貰えないが、最も早く発掘できるところに駒を配置し、地下1階を発掘。

海賊船「うわっやられた!1金欲張ったばっかりに…」
ちき「COQさん良い仕事するね〜」

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無事野望を阻止したところでチマチマ展示再開。
あんなに輝いていたちきさんの最初の展示がゴミになろうとしている。

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そして最終ラウンド、博物館はほとんどちきさんと海賊船さんの展示品で溢れ返っている。
ここでもチマチマと展示をしたかったが、ある理由ではばかられた。

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それは、この腕輪。
最終ラウンドでは、腕輪のボーナスが与えられる。
さらに、展示されている全てのコレクションの中から上位3位までの古い出土品にボーナスが与えられる。
二つに分けた方が出品することによって得られる勝利点等も得られてお得なのだが、ここを切るわけにはいかなかった。
出品したいけど、ここまで我慢した。

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我慢の甲斐あって、無事出品。
持ち金全てを使ってコレクションを磨き、海賊船さんのコレクションを1つはじき出す。

最後ラウンドのみ特別で、所持金の限りコレクションを磨いてから出品することが許されている。
同点の場合は所持金の〜というルールをすっ飛ばす、中々クールなルールだと思う。

結果、無事に腕輪ボーナスと出土品ボーナス(2位)を取得してゲーム終了!

4つのボーナスのうち、3つを獲得したCOQの勝利でした。

COQ:23 海賊船:18 ちき:17 流:17

プレイ時間:55分

オススメ度:★★★★★★★★☆☆

調査資金と発掘深度の決定から発掘、展示までの流れが実にスッキリとうまくまとまったドイツゲームらしいゲーム。4人プレイで1時間弱というプレイ時間も素敵でした。
昨日のセンセーショナルは今日の粗大ゴミ。手塩にかけた展示品が次々とゴミになっていく様が凄いです。

タイルと調査資金が表向けられるという運の要素と、資金と相談しながらの発掘、複雑なドラマを生む手番順と考えどころもタップリ。しかし、そのほとんどが誰かの手番中に考えられるのでダウンタイムは殆どありません。また、テーマとそれを再現したコンポーネントも素晴らしいです。

今回は4人プレイをしてみましたが、3人でも資金の量は変わらないので、調査資金の決定に新たなドラマが生まれそうです(4人プレイでは左端に駒を置くメリットがあまりなかった)。2人プレイでは、特別ルールとして「墓荒らし」が登場します。このルールは中々良い仕事をするようなので、2人でプレイするのも楽しみです。

最近のエッガートシュピーレの作品は面白いし、コンポーネントの手抜きも一切なく、値段も安くて実に嬉しいですね。



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