Rapanui.jpg25-Sep-2012 ボードゲーム レビュー


ラパヌイ

作者Klaus-Jürgen Wrede
2−4人用
対象年齢:10歳以上

モアイは、
   君の理解する以上に栄光に満ちている

カルカソンヌの作者が贈るカードゲーム

モアイは建てるんじゃない、運ぶんだ!

木こりを雇って丸太獲得、そしてモアイを○○する。

rapanui1.jpgサマリーカードはドイツ語満載で…役に立たない。「カルカソンヌ」でSDJの栄誉に輝き、ユーロゲーム史に大きなインパクトを与えたユルゲン先生。その功績は計り知れません。僕はユルゲン先生のお宅の位置を確認してから自宅のベッドを配置しました。足を向けないようにね。そんな先生、以後は主に同作の派生に力を注ぐ日々で、カルカソンヌの冠の付かない作品には鳴かず飛ばずのものが多かったのですが、ここに来てナイスなカードゲームを出してくれました。あまり話題になっていないのが不思議なので、少し紹介します。

まずは、内容物の写真を。丸太チップ、得点チップ、捧げものカード、捧げものをする岩タイル、人物カード、そしてサマリーカードです。

ゲームでは、木こりや狩猟者、司祭等を自分の村に招き入れ、丸太、食料そして勝利点を獲得します。獲得した丸太を投資してモアイを村へ運び(丸太が材料だからモアイは造れないよね?)、新しいモアイの到着を祝って行われる祭で食料を捧げます。ゲーム終了時、捧げられた枚数が多い食料ほど得点が高くなります。…と、こんなゲーム。

人物やらモアイやらの「ラパヌイカード」

rapanui3.jpgカードのイラストは中々に美しい。サイズはユーロサイズ。こちらが村に招き入れるメンバーの皆さん。木こりから、映画「アウトブレイク」の冒頭に出てきそうな司祭まで、多彩です。これらを手札として持ち、自分の手番で自分の前に1種類出すことができます。4種ある狩猟者はそれぞれの食物に対応しており、捧げものにする食料を手に入れるのに重要です。同じ種類のカードは3枚まで一気に出せます。出すためのコストは丸太で支払います。丸太でコストを支払うくらいなので、モアイは建てるのではなく、丸太を転がして運んで来るのだと信じています。

ドイツ語のサマリーカードは役に立ちませんが、カードに記載されたアイコンがゲームの手助けをしてくれます。基本のルールさえ頭に入ってしまえば、プレイに困ることは無いでしょう。


絶対イソギンチャクだと思う

rapanui2.jpgこちらはミニユーロサイズこちらはゲーム中に捧げものとして扱われる「捧げものカード」。木の実(イソギンチャク)、麦、魚、サツマイモです。これらのカードは山札として用いるのではなく、表向きに種類分けして置き、共通のストックとします。岩の様な形をしたタイルは、ゲーム中に捧げものが捧げられる時の標的です。どうしても目標に当ててしまうアレと一緒の感覚です。失礼、女性にはよくわからない話題ですね。

ゲームには関係ありませんが、木の実と呼ばれるカードはどうみても岩肌に揺れるイソギンチャクに見えます。きっと、ドイツ語の木の実とイソギンチャクは綴りが似ているのでしょう。イラストのオーダーで手違いがあったに違いありません。

手番の最初に、この捧げものを丸太のコストを支払って一枚手に入れることが出来ます。
忘れ易いルールなので注意です。


手番の手順

rapanui4.jpgこれは初期手札。各自同じ手札でスタートします。手番がきたら、

①捧げものカードの購入(任意)
②手札(ラパヌイカード)のプレイ
③モアイをプレイした場合は捧げものラウンド
④手札の補充 
⑤ディスプレイカードによるアクション

                    を行います。

ラパヌイカード ディスプレイ

rapanui5.jpgこういうカードの並べ方はA型の血が騒ぐ。手順④のカードの補充は、4枚×4列のカードディスプレイから手札が3枚になるように行います。ある列のカードが無くなったら、山札から4枚を補充します。

山札からカードを補充できなくなったらゲーム終了です。

カードディスプレイからの手札補充は、このゲームに2つあるポイントのうちの1つです。説明は次のセンテンスで。


カードの補充でアクションが起きる!

rapanui7.jpgこの写真では木の実の狩猟者のアクションが起きます。カードの補充箇所は超重要です。

カードの補充後は、カードを最後に補充した場所に新たに現れたカードのアクションが発生します。木こりであれば木こりをプレイしているプレイヤーに人数分の丸太が配られたり、司祭であれば、司祭をプレイしているプレイヤーに勝利点が配られたり。単独優位であれば、ボーナスも貰えます。

あのカードが欲しいけど、これを取ったらアイツに利益が、、丸太がどうしても欲しいからこのカードを取ろう、、こんな展開を演出するルールです。


祭だ!捧げ物を出せ!

rapanui6.jpg少年よ、モアイを抱け!前後しますが、手順②でモアイのカードをプレイしたら、捧げものラウンドが始まります。各自、食物の手札の中から1枚を捧げものとしなくてはなりません。こうして捧げられたカードは、ゲーム終了時の得点に変化を与えます。従って、カードの内訳が重要になってきます。

モアイをプレイしたプレイヤーは、特別に自分のカードを裏向きに出せます。さらに、ストックから好きなカードを1枚取り、表向きに捧げものに加えることができます。捧げものの情報が重要な中で、他のプレイヤーの知らない情報を得る事ができるわけです。


ゲーム終了時、捧げられたカード枚数に応じて手札が得点になる。

rapanui8.jpg覚えてるのも大変ですけどね。大事な事は見出しに書いてしまいました。
ゲーム終了時、今までに捧げられた捧げものカードを全てオープンし、カード枚数の序列を決めます。これにより、沢山捧げられたカードは高得点、捧げられた枚数の少なかったカードは低得点となります。

こうして、ゲーム中に手に入れた勝利点と、捧げものによる勝利点を足して最高得点のプレイヤーが勝利します。

これがこのゲームのポイントの2つ目です。狙いの食物の得点を高めるには手札からカードを出さざるを得ず、そうすることによって得点源が無くなってしまうというジレンマです。

TBGL会にて3人プレイ

rapanui-1-1.jpg同種のカードを一気に出せるというルールをうまく利用して優位を確保したいMOGさん、流さんと3人プレイ。

序盤から木こりで優勢を保とうとする。絶えず木こりが他のプレイヤーよりも多いことにより、必須な丸太を他人よりも沢山貰う作戦。しかし、それを見た二人は捧げものからCOQが狩猟可能な食物を外してくる。

「あそこは丸太が豊富だもんねー」

  ぐぬぬぬ…
rapanui-1-2.jpg司祭は手札補充で司祭のアクションが行われると勝利点を貰える
そうこうしているうちに、流さんが村へ司祭大量に招き入れる新興宗教。
これまで誰も司祭をプレイしていなかったので、手札補充で司祭が出る度に得点チップがナガレ教に吸い込まれていく。

ニヤニヤしながら空中浮遊などを披露し、得点チップを集める悪徳宗教に対抗すべく、MOGさんと後れ馳せながら司祭を集めてプレイしていく。


rapanui-1-3.jpg捧げものの得点で僅差までは詰め寄ったそれが罠だと気付いた頃にはゲームは終盤へ。
当然カードの枚数には限りがあり、それは司祭カードにとっても同じなわけで。
ナガレ教に対抗する枚数の司祭を揃えたころには司祭カードが枯渇するという策に見事ひっかかる。

序盤に仕込んだ捧げものの得点も空しく、散ってしまいました。

ナガレ教祖:38 COQ:36 MOG:29


プレイ時間:40分(3人)

2012/09/25

オススメ度:★★★★★★★★☆☆

個人的には、かなり面白いカードゲームだと思いました。クニチーの交易王とミドル級カードゲームの双璧になってもおかしくないポテンシャルを持っているゲームだと思います。

モアイ勝ち、司祭勝ち、捧げもの勝ちと勝ち筋も多彩で、他のプレイヤーの動向も見え易いことから、ゲームの展開も多彩となりそうです。ラパヌイカードの選択とアクションの発生、そして捧げものカードの適度な記憶とブラフがとてもうまくデザインされています。他人やゲームの展開を掴み易いのも○ですね。

流石ユルゲン先生の作品なだけある…と言いたいところですが、どうしてこんなに話題にならなかったのかは謎です。箱が地味なせいでしょうかね。

それぞれのシステムに目新しいものはそれ程無いかもしれませんが、それらの組み合わせと40分程度で軽く楽しめるバランスはとても良いデキ。

プレイしたメンバーの評判も良かったです。


オススメ。










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