splendor.jpg19-Apr-2014 ボードゲーム レビュー


宝石の煌めき

作者:Marc Andre
2−4人用
対象年齢:10歳以上

フランス新興メーカーの火皇めき

「煌めき」読めますか?

splendor-11.jpgカードは3レベルに分かれている”スペースカウボーイ”という余り聞いた事のないメーカーから彗星のように発表されたSplendor(宝石の煌めき)です。スペースカウボーイというと米国のメーカーみたいな響きですが、フランスのメーカーです。アスモデの3人が創始者となり、イスタリとゲームワークスの制作者2名を加えた5人で2013年に創業したメーカー。スペースカウボーイプロジェクトは随分前からあったみたいです。宝石の煌めきは2作目、次の3作目にはクニチーの弟子セバスチャンブリースデールが控えているようで目が離せないメーカーです。

話がそれました。このゲームでは、プレイヤーは豪商となって高価な宝石を手に入れ、発展カードを手に入れていきます。発展カードには勝利点が記されているのとともに資産となり永久に他の発展カードの獲得に用いることができる宝石が記されており、勝利に近づきつつ発展カードを手に入れるのがどんどん容易になっていきます。ゲームメカニクスでいうとセットコレクションですが、そこにジリジリした拡大再生産系の要素を絡めた感じのゲームです。splendor-09.jpgチップは触って楽しい品質やることは非常にシンプルですけど1手の迷いが勝敗を左右するようなとてもシビアなゲームバランスとなっています。付属品は「貴族タイル」、「カード」そして「宝石チップ」。チップはポーカーチップのように内部に重りの入ったとても良い作りです(ゲームだとチーキーモンキーとか地獄の釜についているようなチップです)。チップは事前に公開されたこのゲームの紹介動画でもとても強調されていましたね。遊んでみるとわかりますが、このチップの出来が良いことはこのゲームの面白さにとても影響していると思います。見た目にも所持数が分かり易いですしね。

予約が始まったころにwebサイトのパッケージ写真は怪しい忍者に見えていて購入をためらってました。箱絵重要!


ソリッドな刺激で、リキッドなものをかく

splendor-12.jpgカードには勝利点、永続的に得られる宝石、獲得に必要な宝石が記されている宝石チップには5種類+ジョーカー(金塊)があります。発展カードはレベル1〜3まであり、次第に獲得に必要なチップ(宝石)数が増えていきます。手番がきたら:

① 5種類のうち異なる種類を1枚ずつ計3枚とる
② 4枚以上残っている1種類を2枚とる
③ チップを払って発展カードを買う
④ 発展カードを1枚手元に確保して金塊を1枚とる

のうち何れかを行います。場にはそれぞれのレベルのカードが4枚ずつ表向けられています。通常は目標のカードを定めて、それを買えるようにチップを集めていく筈です。地金が見えているような単純だけどギラついたアクションです。

発展カードには、必ず5種類の宝石のうち1つが記されています。これを購入しておく事により、以後その宝石のチップの支払いを少なくすることができます。このカードを獲得するとルビーが1つ無料になるから次はあのカードを目指そう!という手順のリンクが各人の中で行われるでしょう。



勝利点、貴族の訪問

splendor-10.jpg貴族。早い者勝ち。レベルの高いカードには、宝石の他に勝利点となる数字が記されています。これらの数字を合計し、15点を超えるプレイヤーが現れたらゲーム終了のフラグが立ちます。また、特定の宝石が記されたカードのセットを集めると、それに対応する貴族の訪問を受ける事が出来ます。貴族もタイルに記された勝利点を与えます。貴族の訪問を受けるためには、特定のセットの宝石を集めなければならず、貴族タイルに記された宝石の組み合わせがゲーム進行の大きな指針になります。狙いが被ったら最悪です。

チップの獲得、発展カードの購入、貴族の訪問と全てが早い者勝ちのため、手番順の有利不利はある程度あるでしょう。しかし、ゲーム終了時には必ず全員が同一手番となるようにプレイします。番手の早いプレイヤーと狙いが被らない様にすることが求められますね。


人間の処理能力の限界ギリギリを突く

splendor-02.jpg僕の頭でもなんとか把握できるくらいの情報量。このゲームではチップは10枚までしか持てませんし、手札として確保できるカードも1人3枚までです。確保した手札以外の情報は全て公開情報であり、自分の将来計画を綿密に立てながら相手の動向を探るため、盤上を常に監視する必要があります。これが超エキサイティングです。拡大再生産の要素となり得るカードに記された宝石も、チップに足し合わせて考えれば良いだけなので各人の持つ情報量はそれ程多くありません。盤面のカードと見比べれば、大体の予測もつきます。このくらいの情報量というのは、おおよそ人間が同時に処理できる能力の限界ギリギリを突いている感じです。単純なアクションが面白味へ昇華するのに、このギリギリのバランスというのが非常にウマく働いているなと思います。脳をフルに使うということはとても濃密で楽しいのです。

プレイ中はほぼ無言でした。言語の情報を処理する余裕なんてないですから!



3人プレイ

常勝タムラさん、秘画さんと3人プレイ

splendor-05.jpg貴族は4人登場。
ヒガ「貴族の得点が超重要なんですよ、なしで勝った人も居るらしいですけど」
ということで、やはり貴族のタイルを貰うためのカードセットを集めることになる。これと、現在見えているカード、そして手番順のせめぎ合い。
例えば、獲得コスト「赤1緑3黒1」というカードがある。他のプレイヤーが赤1緑1黒1というセットでチップをとったらチャンス。自分は緑2をとる。すると、緑は4枚未満となり、1手番で2枚とることができなくなる。従って、緑を1枚ずつ2手番に渡って集めなくてはならない。一方、自分は次回1手番で獲得条件を達成できる。読み合いが実に静かで熱い。



splendor-03.jpgそんな読み合いも、チップ枚数に気を配っていないと脆く崩れる。チップが4枚以上ないと2枚とれないルールで縛ったり縛られたり。



splendor-02.jpg中盤、赤と黒の宝石に集中して貴族の獲得を目指す。しかし、ヒガさんが同じ方向に。
COQ「こっち見ないで下さいよ〜」
しょうがないので先を越されないように黒のカードを手札に入れる。
ヒガ「ヒッ…!」
タムラ「今、良い声で鳴きましたね〜。」
手札にしまうことで相手の狙いを退けたり、自分の目標を確保したりすることができる。この判断が勝負をわける。



splendor-07.jpgほどなく、タムラさんが勝利条件の15点達成。残り1手番ずつで逆転を目指すが、ヒガさんは12だか13だかの軟弱な点数を宣言して親指を立て、溶鉱炉へゆっくりと沈んでいった。タムラさんが余裕でターミネーターのBGMを口ずさむ中、1手足りずに結局14点までしか到達できず敗北。1人異なる方向を目指したタムラさんが常勝故の常勝。COQの手札にはヒガさんを鳴かせたカードが残ったまま。この無駄なカードが勝敗を分けたのだった。


プレイ時間:40分(3人)

2014/4/19

★★★★★★★★☆☆

箱の見た目とメーカー名からして変なアメゲーかなと思って舐めていました。コレは良いです。

チップを取るかカードを取るかの2択しかないシンプルなゲームですが、丁寧に調整されていると思います。情報量が多過ぎても疲れるし、少な過ぎても飽きてしまいそうだけど、ホントにギリギリのところを狙って、それがうまくいっている感じ。細かいルールですが、場のチップが4枚以上でないと1種類を2枚取れない、異種なら3枚、最大10枚までしか持てないというのも非常にゲームが締まる制約として機能してます。

ゲーム中頻繁に行き来するチップを豪華な仕様にしたのもこのゲームの成功点の1つだと思います。また、ゲーム中誰もがカードを獲得してどんどん次のカードを取ることが容易になっていく成長感を味わえるのも素敵。

プレイ時間はほぼ公称通りの3〜40分。無言でウンウン唸っているせいであっという間。何度も遊びたくなるゲームです。最近、原点回帰でこういったシンプルで濃密なゲームが心地よいです。

深くはないけれど戦略性があります。2人でも楽しい。ルール説明が簡単なのでゲーム会でも活躍しますね。
これで箱のサイズが半分ならもっと良かった。
ていうか「煌めき」読めますか?