thunder_stone2.jpg28-Nov-2010 ボードゲーム レビュー


サンダーストーン完全日本語版
作者:Mike Elliott
1〜5人用
対象年齢:12歳以上

こん棒にするか。
それとも我慢して銅の剣まで貯めるか。

それが問題だ。

 アークライト社から発売された、「サンダーストーン完全日本語版」です。
このゲームのプレイ人数は、1~5人用となっており、ソロプレイ用のルールが添付されているのが特徴の一つです。

 このゲームは、所謂ドミニオン型と呼ばれるゲームの1つで、デッキビルドゲームに分類されます。つまり、ゲームを進めながら、自分の手札の元となる山札を作成していくゲームということです。毎回、自分の山札から手札をひき、手札を使用してアクションを行い、新たに手に入れたカードと共に捨て札とします。山札が無くなったら、捨て札を新たな山札とすることで、手に入れたカードを自分の手札に加える事ができるようになる、という流れでゲームは進みます。

 ただ、ドミニオンと大きく違う点は、サンダーストーンには明確なテーマ性があると言う事だと思います。「地下深くに眠る伝説のサンダーストーンを、取り巻くモンスターをなぎ倒しながら追い求める」、この古き良きロールプレイング的なテーマがしっくりくるならば、このゲームはさらに魅力的なものになることでしょう。

 さて、ゲームの概要ですが、テーブル上にダンジョン/村を作成してゲームを行います。

 村には、英雄(4種)/武器・アイテム・村人(合計12種)が配置されています。
 英雄は、ダンジョンでの戦闘を戦ってくれる大事な戦力。11種類の英雄から、毎回4種をランダムに選び出します。

 武器・アイテム・村人は、固定の4種(民兵/たいまつ/保存食/ダガー)と19種の中から、毎回ランダムで8種を選びだします。

 ランダムに選ぶためのランダムカードが添付されているので、毎回違った展開のカードを選び易くなっています。

 ダンジョンには、病気カード(色々な条件で貰える有り難くない、マイナスカード)と経験点カード、そしてダンジョンデッキ(モンスターの山札)とダンジョンホール(3階層からなるモンスターの住処)があります。

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 村の1段目4枚が英雄カード。次いで武器や村人カードが並びます。
  ダンジョンホールは3層で構成され、山札に近い程、暗いのです。
ちなみに、ダンジョンホールの台紙はGeekからダウンロードしてきました。

 ドミニオンでは、手番で手札から1枚ずつカードを公開し、アクションを繋げていく形のプレイスタイルでしたが、サンダーストーンではまず、手札を見てダンジョンに行くのか、村に行くのかを宣言します。どちらの行き先を選択しても、手札は全て公開し、村ならば購入とレベルアップを、ダンジョンではモンスターとの戦闘を行うのです。

 カードには、お金としての価値、勝利点、灯り点、経験点、力、HP、テキストが書かれています。テキストには、攻撃力や戦闘になった場合に適用される効果などが書かれています。例えば、「ダガー」は村では金1として、ダンジョンでは、英雄の攻撃力を+1する装備品として、場所によって2つの顔を持つ事になるのですね。

 村で出来ることは、1枚のカードを購入することとレベルアップ。
 購入では、手札を公開し、カードの金色のコインのようなアイコンに記された数字を合計して持金を決定します。英雄から道具まで、この持金以内のカードをどれでも1枚購入することができます。

 レベルアップは各英雄カードに書かれている経験点を消費することによって、上位のクラスのカードと交換することができます。
 武器の購入や英雄のレベルアップを行うと、初期にはとても歯が立たなかったモンスターも倒せるようになるので、序盤は村へ足しげく通う事になりそうです。

 ダンジョンでは、ダンジョンホールに現れるモンスターに戦闘をしかけます。

 ダンジョンホールは3階層からなり、それぞれに一体ずつモンスターがいます。奥に進む程、ダンジョンは暗くなっていきます。地下1階は灯り-1、地下2階は灯り-2、地下3階は灯り-3です。この灯りをたいまつなどの道具やファイアボールなどの魔法で打ち消していかないと、戦闘の解決時にえらい事(足りない灯り×2の分だけ攻撃力マイナス)になります。

 モンスターとの戦闘は、モンスターを指定し、手札を公開して行います。基本的には手札の英雄全員で取り囲んで攻撃をすることになります。英雄達は、その力に応じて装備品を装着することができ、これが戦闘を有利に進めます。灯りの計算を含めた攻撃力が敵のHP以上になれば、戦闘に勝利し、倒したモンスターのカードを獲得します。そして、最下層に新たなモンスターが山札から現れ、今までのモンスターは上層へと上ってくるのです。

 サンダーストーンはモンスターの山札40枚のうち10枚と一緒にシャッフルされ、山札の一番下に置かれます。山札の残りが11枚になると、いつサンダーストーンが出てもおかしくない状況ということです。サンダーストーンもモンスターと同じように、ダンジョンを上ってきます。サンダーストーンが1階層まで上ってきたら、ゲーム終了。この時、1階層のモンスターを倒して、能動的にサンダーストーンを1階層に上げたプレイヤーが居た場合、サンダーストーンはそのプレイヤーのものとなり、勝利点を与えます。

 ゲームが終了したら、各自のカードの勝利点を数えます。最も勝利点を稼いだプレイヤーが勝利します。

 長くなりましたが、以上がゲームの内容です。

 ソロプレイでは、通常モンスターを倒したときしかめくられないモンスターの山札が毎ターンめくられ、モンスターがダンジョンを上ってきます。ダンジョンホールが全て埋まっている状態で新たなモンスターカードがめくられると、、一番上にいたモンスターは村へ突入します。モンスターとの戦闘で勝利すれば、そのターンと次のターンだけ、モンスターの登場をストップすることができます。ゲーム終了時、村に突入してしまったモンスターの合計勝利点と自分のデッキの合計勝利点を比べ、自分の勝利点のほうが多ければ、村を守ったことになりゲームに勝利します。

 そうそう、カードやルールブックにエラッタがあるようです。こちらに報告されているので、確認してからゲームをしましょう。しかし、ルールブックならまだしも、カード自体にエラッタがあるのはいただけませんね。もしも、拡張版を出すことがあるなら、そこに正しいカードを添付して欲しいものです。

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カードサマリー
様々な情報が記載されています。

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サンダーストーン
 勝利点は3点、獲得できます。
山札の下11枚のどこかに入ります。

expcards.jpg
 経験点カード
 レベルアップに必要なカード。
 ポーカーチップで代用しました。

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 英雄のレベルアップ
 騎士見習いから騎士へチェンジ。
 攻撃力が+2から+4へ。
そして、民兵を鼓舞する能力がつきました。


 さて、多人数プレイはそのうちやるとして、まずはソロプレイで感触を確かめてみましょう。

 ソロプレイのルールの冒頭に「遊びたいのに家に来てくれるような友達がいないときに」とあります。少し悲しい感じですが、一人の時も当然あるし、あまり気にしないことにします。
 ソロプレイには、普通レベル/闘士レベル/悪夢レベルが用意されていますが、この手のゲームは初めてなので、迷わず普通レベルを選択。

 せっかく、たっくんさんにカード立てを頂いたので、写真を撮影しながら、村を守る事にしましょう。
 初めてなので、ランダム決定は行わず、説明書に書いてある初心者用のセットを使用し、オーソドックスな村を守って、初心者に優しい村民に感謝されたいと思います。

 余談ですが、珍しく気が向いて、全てのカードにカードスリーブを装着したところ、1時間かかりました。プレイ時間よりも長かったです。

 経験点カードは重なると枚数がわかりづらいので、ポーカーチップで代用します。
 ソロプレイなので、書斎のデスクを戦場に選びましたが、縦が足りず、村とダンジョンが横並びになりました。
 音楽はSHOUT CASTでsmooth jazzを。ノリノリのサックスに合わせて冒険する陽気な勇者です。

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 村の面々。

英雄は、盗賊、魔術師、僧侶、騎士、民兵。
(魔術師は魔法攻撃なので灯り+1付き。僧侶は戦闘中に病気カードを破棄できる。)

武器は、スピア、フレイムソード、ショートソード、ダガー。
(スピアは破棄(投げる)ことで追加攻撃、フレイムソードは当然、灯り+1付き。)

道具は、ライトストーン、保存食、たいまつ。
(保存食は、戦闘中に英雄の力を増します。騎士が食べると追加攻撃効果も発動。)

魔法は、バトルフューリー、マジックオーラ、ファイアボール
(バトルフューリーは戦闘中全ての英雄の攻撃力が+1される強力な魔法)

村民は、村の衛兵。
(村に立ち寄った時に、追加カードをひけます。破棄すればさらにひけるようです)

dungeon.jpg





 こちらはダンジョン。
 ダンジョンにはSMのプレイルームという意味がありますが、
 気にしない事にします。

 シートはGEEKからDLしてきました。
 山になっているのがダンジョンデッキ。
 ここからモンスターがわらわらと湧いてきます。

  それでは、レッツTRY!!
(モンスターの名前の後に書いてある分数は、HP/勝利点です)

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ターン1:記念すべき1匹目のモンスターは…
 「グリーンブロブ 5/2」というスライム。
 最初がスライムなあたり、空気読んでますね。

 手札は、民兵2、たいまつ2、保存食、ダガー。
 モンスターは地下3階にいるので、灯りが+3ないと攻撃にマイナス補正がかかります。

 その前に、そもそも攻撃力が民兵2+ダガー1=3でまったく足りないので、放置して村へGo。

 ルイーズの酒場で騎士見習いをゲットして手番終了。

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ターン2:2匹目のモンスターは「王国 5/3」戦うと漏れなく病気カードをくれる嫌な奴です。
 手札は民兵ばかり。スライムを倒しに行きたいが、灯りが全くないので断念。
 しかたないので、村へ行き、民兵よりもよっぽど強そうな「村の衛兵」をゲット。
 村で追加カードを引けるだけの能力なんですけどね。

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ターン3:3匹目は「ペガサス 6/2」こいつは倒すと手札にあるとき攻撃+1になるトロフィーつき。倒したいけど、3階は暗い。

 手札は、民兵、騎士見習い、たいまつ2、保存食、ダガー。たいまつが2つあるので、地下2階まで行ってもマイナス補正は受けない。
 折角なので、「王国 5/3」を倒しに地下2階へ。

 攻撃力は騎士見習い2、民兵+ダガー2=4。足りないので、食料を騎士に喰わせて攻撃+2。病気カードを1枚もらうも、撃破。食べた食料はゲームから取り除かれます。これで、次のターンはモンスターが生まれません(倒した分は補充されます)。

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ターン4:ターン3で倒した分「飢饉 4/2」が生まれるものの、このターンはこれ以上モンスターが生まれてこないため、村でゆっくりショッピング。先ほど食べた食料を補充して終了。

…と、こんな感じでゲームは進んで行きます。序盤、楽に戦闘に勝てたので楽勝かと思いきや、この後、スライムが倒せず、村への突入を許したのを皮切りに、まったく歯がたたないことを思い知ります。そこで、暫くは村へ通いつめて英雄集め。英雄がいないと話にならないんですよ。
 その間、モンスターは次々に村に侵入していきますが、村で悲鳴が聞こえようが、知ったこっちゃありません。

ターン5〜11:ひたすら村で英雄集め。冒険のパーティは昔から勇者、戦士、僧侶、魔法使いと相場が決まっているので、この順番に買いあさる。騎士見習いから騎士へのレベルアップも1度だけ行いました。
 そういえば、もう何匹もモンスターが村へ行きましたが、多重債務者のように失った勝利点の合計を考えるのも面倒になってきます。

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ターン12〜13:ひたすら集めた英雄のデッキが、やっと回り始める。エルフの魔術師は、もれなく灯り+1がついてくるので、地下一階のモンスターはお手の物。
 保存食で、民兵の力を上げ、スピアを装備させ、魔術師(2)、民兵+ダガー(2)、民兵+スピア(3)=7攻撃力で、一階にいる「飢饉 3/1」を楽々撃破。
 次のターン、続く「グリフォン 7/4」も撃破し、デッキのレベルアップを感じる。

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 しばらくは、魔術師の灯りを頼りに、弱めのモンスターを狩り、モンスターがお休みしている間に村へ行ってカード購入を繰り返す展開。最近、村人の悲鳴の数も減ってきました。こうして段々、序盤は悪魔のようだったモンスターも相手にできるようになってくる。 歯が立たなかったモンスターが倒せるようになると、RPGゲームをやっているような気分になる。

ターン14〜29:英雄も集めつつ、そろそろ武器にも手を出していく。中でもスピアは攻撃力+2に加え、ゲームから取り除くことで、さらに+3の効果があり、便利。貯まった経験点を使用して、魔術師や騎士見習いを妖術師や騎士へとレベルアップ。目に見えるほど強くなるデッキ。

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 最初は12枚で始まったデッキも、気付いてみればこんな厚さに。
「思えば遠くへ来たもんだ」のフレーズが頭にうかびます。

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ターン30:勝利点のでかい「死王 9/7」が村へ行ってしまいそう。流石にこれはやばいなと思いながら手札を見ると、騎士見習いが二人にショートソードとスピアが。

 騎士見習い(2×2)+ショートソード(4)+スピア(2)=10だけど、灯りが無いので(−2)され、合計は8点で死王のHP9にはわずかに届かない。

 しかし、スピアを投げる事によってさらに(+3)され、合計11点。
 なんとか「死王」を撃破。

英雄水増しデッキのお陰で、かなりモンスターを撃破できるようになってくる。あとは、サンダーストーンが1階に上ってくるまでにどのくらい勝利点を稼げるかが勝負の肝になりそうです。

ターン31〜38:ほとんどのモンスターを撃破しながら、村でひたすら英雄のレベルアップに励む。
ターン35では、倒すと戦利品として食料が貰える珍しいスライムも撃破して勝利点にかえる。
ダンジョンデッキは最後の11枚に突入したので、いつサンダーストーンが出現してもおかしくない状況。
かなりの数のモンスターが村に侵入しているので、出来るだけ沢山のモンスターと戦いたい。間に合うか?

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ターン39〜41:ついにサンダーストーン出現!ダンジョンデッキの最後から2枚目に潜んでいました。
「スフィンクス 8/7」は魔法攻撃しか効かないという極悪モンスターのため、しかたなく村へとリリース。
なんとしても、「苦悩 6/4」を倒して、自力でサンダーストーンを1階層に導き、手に入れなくては。


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ターン42:ラストターン!恐る恐る手札を開けると、病気を含む前面3枚は戦闘に役立たないカード。
しかし、ここは行くしか無い。ダンジョンにおもむき、一階層に上がって来た「苦悩 6/4」を攻撃。
騎士(4)+エルフ(2と灯り1)+民兵(1)+病気(−1)=6でぎりぎり撃破!
モンスターが撃破されたことで、上ってきたサンダーストーンを握りしめ、ゲーム終了。

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最終計算:左が村へ侵入したモンスター。
右が討伐したモンスター+サンダーストーン。
 それぞれの勝利点を足して、多い方の勝利です。

はたして村は救われたのか!?

 結果は、
   村に侵入したモンスター=43点
   討伐したモンスター=45点

 ギリギリ勝利しました!!!
 最後にサンダーストーンを獲得できていなかったら、敗北でしたね。

 かくして、初心者用の村は無事救われたのでした。ギリギリだけど。




 多人数プレイでは、モンスターが村に侵入してくる事は無く、各プレイヤーの勝利点を比べて勝敗を決定するようです。また、ソロプレイでは戦闘して敗北すると村に侵入して来てしまうので、負ける戦いという選択肢はありませんが、多人数プレイの場合は負けたモンスターはデッキの一番したに行きます。つまり、勝てないけど他のプレイヤーに取らせたくないカードを1手番犠牲にして排除できるわけです。なかなか面白い戦いになるのではないかと思います。

 ドミニオンと違って、アクション制ではないため、手札がまわりまくって中々手番が終わらないというような連鎖性はないようです。が、次第にデッキが強くなっていく様子が良くわかるので、ある種の快感があります。

 今回は、あくまでも初心者用のセットでプレイしています。他にも沢山カードがあるので、ランダムでカードを選んでゲームをすれば、かなり楽しめそうです。

 ソロプレイをやってみて、たまにはこんなゲームもいいかな、と思いました。もしも、この辺りのテーマに興味があるなら、持っておいて損はないと思います!!

 カードスリーブは右のものがぴったりです。5セットで丁度いい枚数でした。カードスリーブに入れても、箱には奇麗におさまります。