ticket_mark.jpg10-Dec-2010 ボードゲーム レビュー


チケットトゥライド(乗車券)
     メルクリンバージョン
作者:Alan R. Moon
2〜5人用
対象年齢:8歳以上

トンネルをぬけると、そこは…

ドイツだった!!

 デイズオブワンダー社の「チケットトゥライド メルクリン」です。

 このゲームは2004年のドイツゲーム大賞を受賞した「チケットトゥライド」の続編(第3弾)となります。作者のMoon氏もお気に入りと自ら語っているタイトルです。

 メルクリンバージョンも、ゲームの基本は変わりません。列車カードを集め、ボード上に描かれた都市間に線路を敷いて繋げていきます。線路を敷くには、指定された色の列車カードが都市間のマスの分だけ必要です。色指定が無い場合には、好きな色一種類を必要枚数分集めることで、線路を敷くことができます。線路を敷いたら、そこに自分の列車駒を配置して自分の路線であることを示します。長い距離程効率的に勝利点を稼ぐことができるようになっています。

 ゲームの目的は、勝利点を沢山集める事ですが、勝利点を得る方法は上記の列車駒を配置する方法以外にも2つあります。

 1つは、目的地カードを手に入れ、それを達成することです。
 目的地カードには、短距離用と長距離用の2種類があり、ボード上の2つの駅名が記されています。この2つの駅を自分の路線で繋ぐ事ができれば、カードに書いてある得点を得る事ができるのです。ただし、ゲームの終了時達成されなかった目的地カードは、そのままマイナス得点となるので、闇雲に目的地カードを集めるわけにもいきません。
 ゲーム終了時、最も沢山の目的地カードを達成したプレイヤーには、さらに10点のボーナスが与えられるオマケも付いています。

 そしてもう1つの方法は、メルクリンバージョン特有のルールです。それは、乗客駒を使用して得点をする方法です。自分の路線をひく際、繋いだ駅の好きな方に自分の乗客駒を配置する事ができます。乗客駒を配置したなら、頃合いを見計らって、開通した路線を駅から駅へ、旅行させます。すると、各駅に1~4枚置いてある、得点チップを得る事ができるのです。この時、自分の路線はただで利用する事が可能ですが、他人の路線を利用するには、乗客カードが必要です。乗客カードは列車カードに混ざっているので、場に出たら、すぐにキープしなければなりません。各駅のチップは早い者勝ちで、複数のチップが置かれている駅のチップは、後のチップほど点数が低くなっていきます。従って、乗客駒を置いた後、どの段階で旅をスタートさせるのか、非常に熱い駆け引きがあります。

 ちなみに、列車カードは場にある5枚からでも、(ギャンブルになりますが)山札の1番上からでも、好きな方を2枚ひくことができます。

 手番では、列車カードをひく、路線を完成させる、乗客を旅行させる、目的地カードをひく、のうちどれか1つを選択して実行します。

 路線を完成させようと思ったら、場に良いカードがあり、取りたいけど取ったら、誰かに路線を取られてしまうかもしれない…と、これぞドイツゲームというジレンマを楽しめます。

 誰かの列車駒が2個以下になったら、最後の手番を行って、ゲームは終了し、最終得点計算を行って、ゲームは終了します。

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 都市間に列車駒を配置して、路線を占有する
  基本のゲーム性は前作と変わりません


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目的地カード。 繋がるか??


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メルクリンバージョン特有の乗客駒。
怪しいトランクを持って列車を待ちます。
1人3体ずつ所有。



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 ゲーム全景。ボードが大きい!
学生時代に購入した単身用のこたつには収まりきりません!!

 自宅ゲーム会にて、ヒロシ(白)、カジ(赤)、JJ(紫)と4人プレイ

 ヒロシ「これは、ボードゲームしてるって感じですね!」

 ボードを広げるなりヒロシが叫ぶ。
 確かに、ボードを広げただけで、わくわくする。そして、カードを触ってみてびっくり。本家チケライはカードが小さく、なんとも不満足だったが、メルクリンバージョンのカードは十分に大きく、そして同じ色の列車カードでも、個々にイラストが違うという徹底ぶり。(サンダー◎トーンにも見習って欲しいくらい質が良い)

 各自、手札を4枚もらってゲームスタート。他の3人は、本家チケライも未経験のため、手札を貯める戦略や、ギャンブルして目的地カードで逆転を狙う方法などを伝授しました。

 ・・・が、早速。

JJ「じゃあここに線路ひきます!んで、乗客も置きます!」
カジ「COQさん!ブログに”そしてJJの旅が始まった”って書けますよ!」

 人の話を聞いているのか。いきなり1個の線路をひくJJ。

 すると、次々にヒロシ、カジが自分の線路をひいていく。その間、自分(黒)だけは手札を貯めに貯める。

 基本的に自分は場に出ているカードから選んで行く。ただし、虹色のカード(ジョーカー)は場から取ると1枚しか取れなくなるため、ギャンブラーは山札からひいたりする。さすらいのパチンカー、JJはゲーム中かなりの頻度で山札からひいていた。

 ある程度、手札が貯まったところで(手札の上限はない)、保有路線の目星をつけるために、目的地カードをひく。

 目的地カードは長距離/短距離合わせて4枚をひき、1枚以上を手札に残す。ここでは、目的地が比較的被っている3枚を手札に残した。ベルリンから、南をグルっと回ってドイツを半周するような路線をひく計画。

 ゲーム終盤、目的地カードでギャンブルをするときは、この4枚のうち、1枚でもすでに完成している目的地カードをひければ、成功ということになる。

 すると、チョロチョロと路線を占有しているJJがまだ0点の私の得点マーカーを見て、

JJ「まだ、0点ですか?のび太でも1点はとれるっていう…」

と、挑発をしてくる。その挑発、乗った!

ヒロシ「おぉ、ついに山が動いた。」

 目的地カードはベルリンへと繋がるカード。ドイツ東部の黒い路線、7コマを一気に埋め、大量18点を獲得するCOQ。そして、乗客も配置。

 しかし、ベルリンへの直行路は、白のヒロシが既に駒を置いている。こりゃ迂回するしかないなぁと考えていると、西のほうが騒がしくなる。

 どうやら、JJとカジが小競り合いをしているようだ。

 このゲームでは、1つの路線が複線になっている場合があるが、1人のプレイヤーでそれを占有することはできない。しかし、複数のプレイヤーが1本ずつ手に入れた結果、占有されてしまうことは多々ある。西の国を夢見ているCOQ鉄道にとっては、それも死活問題。
 どうやら、ヒロシは北半分を半周するルートを開拓するようなので、ベルリン周辺は放っておき、西の争いに参戦する。

 チマチマと自分のルートを開拓していると、”ドルトムント”から”デュッセルドルフ”への1マス3線の経路にカジ(赤)がどうしても列車を置きたいことにJJが気付く。

JJ「ヒロシさん、ここは(カタンの)シベロンブロックの仕返しにつぶしましょう!」
(COQ「一ヶ月以上も前の事を良く覚えているなぁ」)

 と結託して、カジつぶしを訴えるJJ。

 が、ヒロシは3秒ほど悩んですぐに”デュッセルドルフ”のすぐ下、ここも1マス3線となっている”ケルン”への経路に列車を置き、他の二人へ目配せ。そう、JJも紫の路線をドルトムントまで繋ぎたかったのだ。それを察知したヒロシは、少し悩んで現時点で点数の高いJJをシベロンブロック。

 かく言う私も、デュッセルドルフへの経路を狙っていたので、すぐさまこれに乗り、悔しがるJJ。

 このように、狙いがばれるとあっという間にブロックされたりするので、カードが揃っただけでは中々思い通りに路線はひけない。標的を散らしたり、ブラフを使ったりしなくてはならない。深い。

 西が落ち着いたところで、東のベルリンへの経路に再び着目。
 白を迂回しようと迂回路を作成中、カジ(赤)が割ってはいる。しかたなく。2手番を消費してさらなる迂回路でベルリンへ到達。



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  あえて書こう。
そして、JJの旅が始まる。




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  なるべく目的地が被っているものを残したい。
  最初の目的地カードで狙いが決まる!!




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 COQ鉄道初の路線!!黒いコマがカコイイ!




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 西の混戦。紫の思惑をシベロンブロック!!




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 再び東に戻ると、ベルリンへの道危うし。
 迂回路を目指す。幸い、誰も邪魔してこない。

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 東西の縦のライン完成。後はこれを連結する横断鉄道の建設に着手。
    JJがチマチマと路線をひくのには意図があった。

 無事、縦のラインが繋がったところで、残りはゆっくりと横を繋ぐ。この路線は、色の指定がないので、好きな色で統一すれば駒が置ける。

 そして、難なく最初の3枚の目的地を達成。ゲームはそろそろ終盤へと差し掛かる。

 この時点で、得点のトップは私。それを見たJJが、ついに乗客を旅行へと旅立たせる!チマチマと距離の短い路線ばかりに駒を置いていたJJは巧みに自分の路線のみを旅して、次々に得点チップをさらう。その合計はなんと、45点!

 最大の路線(7コマ)をつないでも18点なので、この得点は驚異的。得点チップは後になればなるほど少なくなっていくので、続くヒロシ、COQも乗客を旅へと駆り出す。カジは乗り遅れ、乗客の周りにはほとんどチップがなくなる。まるで冬の江の電に一人たたずむ、潰れた工場の親父の様に見えるカジ乗客コマ。

 JJには出遅れたが、ベルリンの7点を獲得したお陰で、37点獲得。しかし、次の手番、JJはもう一人の乗客を旅立たせ、さらに点数を獲得。

 トップはJJとなり、ブルーハーツのトレイントレインを口ずさむ。

 妙に納得し、BGMをブルーハーツに切り替えて、ゲーム続行。

 このままではまずいので、さらに目的地カードをひいて追加得点。
 1枚は既に達成済み。もう1枚はあと2路線。
 ゲームは終盤、達成できなければマイナス点。間に合うか?

 急いで、路線をひきまくる私。

 ほどなくして、JJがコマを使い切り、ゲーム終了。この時点で未だトップはJJ。残すは目的地カードと最多目的地ボーナス。

 COQ、目的地加算60点オーバー、そして最多目的地ボーナス10点も獲得。JJは、、、なんと、目的地カード1つ。

 ぶっちぎりで追い抜いて勝利。
 カジは潰れた工場の社長と運命をともにして終了。

 最終得点、COQ:169 JJ:129 ヒロシ:109 カジ:69
 プレイ時間100分




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 ベルリンの7点を加えて合計37点獲得。
 乗客ルールは絶妙のスパイス!




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 最後のギャンブル、目的地カード追加。

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 最終近くの全景。JJ怒濤の路線獲得でトップを走るも、目的地カードが足りず力つきる。

  オススメ度:★★★★★★★★★★ 鉄板!
 初心者にも!

 これは!キングオブボードゲームかも。
 実は私、本家のチケライは3回ほどプレイ経験があるのですが、小さいカード(名刺よりも小さいと思う)と、ひたすら目的地カードと線路をひくだけというゲームに物足りなさを感じていました。
 確かに、初心者に優しく、ドイツゲーム大賞受賞に異論はないのですが、どうにもカレーの王子様を食べているような気がしていたのです。

 だがこれは。House ディナーカレーです。大人の味。
 カードのサイズ変更も含め、鉄道模型カタログDVDとデイズオブワンダーのゲーム紹介DVDまで付いているという、コンポーネントの豪華ぶりは、ヨーロッパからの送料を考えれば、破格と言えます。

 乗客ルールが追加され、こうも奥深くなるとは。作者が、このバージョンを最もお気に入りというのも頷けます。

 手軽に引ける路線の妙はそのままに、絶妙な乗客ルールに頭をスポンジにして悩ませて下さい!

 初心者から中級者への階段にピッタリだと思います。
 オススメ!

 あぁ、なんだか旅に出たくなった!