wewillwokyou.jpg09-Dec-2012 ボードゲーム レビュー


ウィ ウィル ウォック ユー

作者:Sebastian Bleasdale
2−4人用
対象年齢:10歳以上

おまえを料理してやるぜ!

90年代テイストの裏に実力を隠した正統派カードゲーム

中華料理をモチーフにした、セットコレクションとハンドマネジメントのゲーム

wewill-1.jpg初期配置。ついつい相手を思いやる心が邪魔して中華鍋が上下反転している。ご勘弁。最近多作なペガサスシュピーレから2012年に発売された小箱カードゲーム「ウィウィルウォックユー」(ウォック=中華鍋)。音楽祭で、往年のアーティストをパロッタ食材を中華鍋で料理するゲームです。

場にある食材カードを手札に獲得し、カードに描かれたシンボルを揃えて中華鍋カードを獲得していきます。最後は中華鍋カードに書かれたレシピに従って、食材カードを放り込んで高得点を目指します。所謂、セットコレクションというメカニクスに分類されるゲームだ。90年代テイストのイラストを始め、箱のサイズに至るまで、ラベンスバーガー社の作品に代表されるような、古き良き小箱カードゲームの佇まいを呈しています。


PC098528.jpg6人の世界的に有名な食材ゲームは題名からしてパロディフレーバー満載。「ウィウィルウォックユー」というのはQueenの歌う「We will rock you」という曲が元ネタであるし、登場する食材も、今は亡きQueenのボーカル、フレディ・マーキュリーをもじったフレディ・ブロッコリ(ブロッコリ)、ティナ・ツーナー(マグロ)、マライア・キャロット(人参)など。適度なバカバカしさが満載。作者はイギリス人だけど、アメリカの一般的な中華料理屋のインチキ臭い雰囲気が凄く出てるカードです。

食材カードには、5種類のシンボルうちどれかが0〜2個付与されています。シンボルには、フォーチュンクッキー(中華料理屋で食事すると必ず出てくる。でっかい”おっとっと”みたいなお菓子の中にショボイおみくじが入ってる。一日2回中華を食したりすると、どっちを信じたら良いかわからなくなる。要らない。欲しくない。)まで含まれており、舶来感があります。


作者はクニチーの弟子と評される人物?

Keyflower.jpg2012年の1、2を争う好評価のこのゲームのデザインにも関わる。作者のセバスチャン・ブリースデールという人物は、「クニチーの弟子」と呼ばれている。それはなぜなのか、彼とゲームとの関わりを紐解いてみると…「セバスチャンは、ティーンエイジャーの頃にカタンやチグユー等のゲームを購入して遊んでいた。ケンブリッジ大学卒業後、仕事で訪れたウィンザーでライナー・クニツィア博士と運命的な出会いを果たし、ケルト等を始めとする彼の作品のテストプレイに協力するようになった。ここで彼はゲームが出版されるまでの長い道のりについて学び、この経験から自分自身でゲームをデザインすることに目覚めた。」とある。なるほど、クニチーの弟子というのはそういう意味でありましたか。

実は、作者は2012年の発表作の中で、かなりの高評価を得ている「キーフラワー」の共同デザインも行っている。同作では、ゲーム全体をギュッと縛る、絶妙なマストフォロールールに痺れたものだけど、まさかクニチーのエッセンスが入っていたとは。

これは是非、作者の処女作である「オンザアンダーグラウンド」もやってみなくては。


食材カードは、ダッチ式オークションで競る

PC088417.jpgお金カードはなぜか1円玉。しかも、希少な昭和64年発行。誰がアドバイスしたんだろう。作者出生の謎が明らかになったところで、ゲームの説明を。食材カードは、3枚ずつの列2つと、2枚ずつの列2つで公開されています。それぞれの列の値段は、その横に置かれたコインのカードの枚数と一緒。手番では、手札からお金カードを出して食材を一列購入するか、食材の横に置かれたお金カードを1枚取るか、手札から(購入済みの)食材カードを出して中華鍋を購入するかの3択。パスは許されません。食材カードが購入されたら、購入に使用されたコインのカードがその列の値段にプラスされます。つまり、誰かが購入すると、値段は倍になるということです。

手番の順番と、食材の値段による脳内ドラマが面白い。
「この順目だと、自分は買えないけどアイツは買える。チクショーチクショーッ」


お前を中華鍋でユサユサしてやるぜ!

PC088419.jpg★のマークはオールマイティ手番で可能なもう1つの選択肢は、購入した食材カードを使って、場に有る中華鍋を購入するという行動。食材の種類に関係なく、上部に表示されているシンボルを4つ集めるてカードを公開することで、早いもの勝ちに好きな中華鍋を購入できる。

中華鍋には、そのまま点数になるフタの閉まった鍋や、食材をセットで放り込むと得点になる鍋、手札に残っているカードを1枚2点にする鍋など多彩。

こうして、食材を購入しては中華鍋カードを獲得していき、どちらかの値段の食材カードが場から無くなった時点でもう一度ずつだけ手番を行ってゲーム終了。手札に残った食材も手に入れた中華鍋に放り込んで、高得点のプレイヤーが勝利します。

ティナ・ツーナーとオジー・オクトパスを、ブラックサバスの名曲「パラノイア」を口ずさみながら場に出して、手札1枚2点の中華鍋を購入!このゲームに肉類が登場しないのは、流石のパロディーでもブタヤロウとの共存は難しかったのだろう。

TBGLゲーム会にて

PC088423.jpgゲーム終了時の様子TBGL会にて3人プレイ。

ゲームが始まった瞬間から指折り数えてみると、3番手となったCOQは暫く食材が買えない!すわ、スイッチを入れた瞬間に敗者が決まっているという噂のファミコン版人生ゲームと同じ仕様か?と思ったものの、この”悪い流れ”が皆を襲ってくる。単純なルールの割に、流れを変える色んな画策ができる。

COQは、手札に残した食材を得点に換える鍋と、全ての食材を1枚ずつ揃えると得点が生まれる鍋で勝負を挑む。ティナ・ツーナーで、食材が無くても得点となる中華鍋で得点をのばそうとする流さんと争って、終盤はフタの閉まった鍋の購入競争。惜しくも、中華鍋の得点の差の分だけ負けてしまう。

流石マグロ漁船に乗っているだけのことはある。
というわけで、各プレイヤーの評判も上々でした。

流:53 COQ:50 海賊船:40


プレイ時間:30分(3人)

2012/12/08

オススメ度:★★★★★★★★☆

バカバカしい雰囲気の裏に隠した、きちんとしたシステムに好印象です。次第に値段を下げていく食材カードの競りと、その値段が跳ね上がる無駄の無いメカニクスは、やはりクニチー譲りなのでしょうか。

一言で言ってしまえば「セットコレクションのカードゲーム」なのですが、出来る事の選択肢の割に、面白さが濃密で幅広いのが不思議です。例えば、中華鍋の購入は得点を得るために絶対に必要で、早いもの勝ちのために直にでも手に入れなければならないカードなのですが、競りの手番順を調節する最終手段として残しておきたい…など、色々な楽しみを見いだすことが可能です。

箱絵に記されている通り、ワックホリック(中華鍋中毒)でない人達へもオススメです!

キーフラワーとウィウィルウォックユーで、一気に期待のデザイナーとなったブリースデール氏の新作が楽しみですね。









tendays.jpg
私はテンデイズゲームズのオススメで購入しました。
実際にお店に出かけてオススメを聞きながら
購入するのはやはり楽しいです。
(サイトへの追加はまだかも?)



駿河屋の通販でも購入できます。